そして次回は少しばかりオリジナル要素をいろいろ加えたいので頑張ります。
気絶したステインを轟の氷で受け止め、徐々に炎で溶かし降ろしていく。
「気を失っているみたいだね。」
オーズは変身を解く。
「飯田君、何か縛れるもの探して。ビニールでも何でもいいから。」
「わ、わかった。」
「僕と轟君はステインの武器を全部回収しよう。ベルトの中にも仕込んでいるかもしれないから。」
「なんでだ?普通見えるところに装備してんだろ。」
「小さいナイフでも首の静脈を斬れば殺せるからね。それにこのベルト、バックルがおかしいから・・・・・」
出久はステインのベルトのバックルを回し、両サイドを引くとそこには仕込まれたナイフがあった。
「ビンゴ!」
「スゲーな、緑谷。」
轟は出久に感心する。
そして飯田が持ってきたロープで腕と手を拘束する。
「ぐっ!」
出久は突然膝をついた。
「どうしたんだ、緑谷君!」
「ごめん・・・・・・ちょっと無理したみたい。」
出久は息を荒くしながら答える。
「俺が運ぶよ。助けられているしな。」
ステインに襲撃されたネイティブが出久を背負う。
「悪かった。プロの俺が完全に足手まといだ。」
「いいえ、無理もないです。三人で相手のミスもあってようやく勝てた相手です。それにヒーローには決定的な弱点もありますし。」
「決定的な弱点?」
「メディアです。メディアに取り上げられるときに情報が漏洩します。どんな“個性”を持っているのか。そこから相手の手の内を予測し対策を立てる。頭のいい敵なら、そうするはずです。」
「なるほどな・・・・・それは盲点だった。」
ネイティブは出久の言葉に納得する。
ヒーローの活躍は何もメディアに取り上げられるだけじゃない。動画サイトにその活躍が投稿される。そこからかなりの情報が得られる。さらに声。声だけでもその人物の年齢や体重、身長などが分かるという話だ。
そしてステインを連れて四人は大通りに出る。
「このサポートアイテムの場所だと・・・・・ここか?」
「あれ?」
大通りに出るとそこには多くのプロヒーローが応援のために来ていた。
「エンデヴァーからの救援要請とこのサポートアイテムがあって来たんだけど・・・・・」
「子供・・・!?」
「酷い怪我だ!すぐに救急車を!」
「おい、こいつヒーロー殺し!?」
駆け付けたプロヒーローたちは状況の変化に驚く。
「そう言えば脳無は・・・・・・」
「それについては大丈夫。君が先に倒した一体を除いてエンデヴァーが対応しているわ。」
プロたちがステインをどうするか話している中、飯田が出久と轟に話しかける。
「二人とも・・・・・僕のせいでケガを負わせた。本当に済まない!」
頭を下げる飯田に近づきデコピンを喰らわせる。
「いたっ!」
「何バカ言ってるの?まだ完全に道を踏み外していなかったんだよ。それに、飯田君は真面目過ぎる。謝るよりも先に言う言葉があるのに、全く・・・・・」
出久は少しばかり呆れる。
その時であった。突如空から負傷した脳無が翼を生やし脳無が出久を捕まえ、飛び立とうとした。
「なっ!?」
「緑谷!?」
「やられて逃げて来たの!」
一人のヒーローに脳無の血が付着する。
その時意識を取り戻したステインが手首に仕込んでいた折り畳みナイフをこっそりと出し、ロープを斬るとヒーローについた血を舐め、脳無の動きを止めると脳無に飛び乗り脳を一突きして完全に殺す。
「偽物がはびこるこの社会も、徒に“力”を振りまく犯罪者も、粛清対象だ・・・・ハァ・・・ハァ・・・」
ステインは出久を助けた。
「すべては、正しき社会のために!」
その時エンデヴァーが来た。
「そっちに一人逃げたはずだが!?」
「エンデヴァー・・・」
ステインはエンデヴァーの名を呟く。
「ヒーロー殺し!?」
エンデヴァーは火を放とうとするが手を止める。下手に火を放てば出久に当たりかねないからだ。
「贋物・・・・正さねば・・・・―――誰かが血に染まらねば・・・・!“
ステインは一歩踏み出す。
「来い!来てみろ贋物ども!俺を殺していいのは、
ステインから放たれる気迫に一人のヒーローは尻もちを付く。
そんなステインの前に出久が立ち塞がる。
「誰かのために自分が犠牲になるのは立派でも、殺しをする理由にはなりません。ヒーロー殺しステイン、もしそうするつもりなら僕が・・・・・・」
出久はそこで言葉を止める。
「緑谷、どうした?」
「・・・・・・・・気絶してる。敵として、最後まで信念を貫き通した点だけは、尊敬に値するよ。」
こうして保須市の事件は終了した。
一夜明け保須市の事件はステインの話題で持ちきりであった。
出久に関しては臨時ヒーロー免許があったためお咎め無しとなったが、轟と飯田に関しては本来処分が下されるはずであったが公表しないということを条件に免責になった。
しかし今回の一件で一つ大きな議題が世間に出るようになった。
自己防衛や緊急時の“個性”の使用の有無についてである。
現在の法律では非常時でも“個性”の許可なしの使用は法律で禁じられている。自己防衛でも処罰対象である。しかし何時もヒーローが駆けつけてくれるとは限らない。到着したときには既に最悪の結果を招いているということがある。
そのため今回の議題は非常に世間の反応が大きい。