しかし今年はすごいでしょバンダイ。
ガオガイガーにウルトラマンVSシリーズ、宇宙リオーにグリッドマン、そして今も悩んでいるウルトラマンネクサス。
何より当時ホビーで足真っすぐが限界であった技術が、今や完全変形合体まで可能となった。
そしてメガレンジャーロボまで登場予定。個人的にはゲットマシンやネオゲッター、プロとゲッターとか出て欲しいけど。
とまぁ今年はそんな感じですね。
あれから時間は経ち、ヒーロー科の職場体験は終わった。
普通科の美化活動によって浜辺は予想以上にきれいになった。
サポート科もサポートアイテムのデータ集めに大幅に役に立った。
そして通常の授業内容に戻るかと思われたがそうでもなかった。
時期は既に夏休み前。期末試験のために勉強習慣に入っていた。
「緑谷はヒーロー科の実地試験受けるのか?」
「いや、そんな話は聞いていないよ。多分やらないのかもしれないよ。」
休憩時間、心操は出久に尋ねた。
「それにしても、今年は異常だって先輩たちの方も言ってたぞ。一年で特にお前が。」
「あはは・・・・・」
出久は苦笑いをする。
「・・・・・・・・なぁ、緑谷。」
「なに?」
「・・・・・・・・他の奴らも薄々気づいているんだが、お前どこか体悪いんじゃないか?」
「え・・・・・・・」
その言葉に出久は衝撃を受けた。
「最初は個性の反動かって、皆思ってたんだ。けどな、個性の反動で血を何度も吐くってあり得ないだろ。それに時折お前が物陰に隠れて胸押さえてるの、クラスの奴らが何度か目撃しているぞ。」
「っ!?」
出久はその言葉に驚いた。
体育祭の時に心操に見られはしたがそれ以外でも見られているとは思わなかったのだ。
「・・・・・・・・俺だけにでも言ってくれないか?」
「・・・・・・・・人がいない屋上でいいかな?」
出久の言葉に心操は頷いた。
人気のない屋上で出久は自分の体のことを話した。
心操は最初衝撃を受けたがどこか納得できてしまった。
「・・・・・・・・お前さ、なんで一人でそんなこと抱え込んじまうんだよ。」
「・・・・・・・・ごめん。」
「ごめんじゃないだろ。なんでなんだよ?」
「・・・・・・・・・・怖かった。自分のことを話してみんなが離れていくんじゃないかって。それに・・・・・・そのことを告げると僕も自分がみんなより早く死んでしまうってことをより近くで感じてしまうから。」
そんな出久を見て心操は思った。
(こいつは・・・・・・“個性”が強いから強いんじゃない。むしろそんなことは関係ないんだ。こいつ自身は弱いんだ。誰よりも臆病で、死ぬのが怖くてたまらないんだ。それなのに無理をして平気なフリをしてる。弱いところを見せたらいけないと思ってやがる。けど・・・・・・)
心操にはわかっていた。そんなことを自分が言ってもきっと届かないということに。
自分の“個性”を始めて褒めてくれた。
自分の存在を初めて認めてくれた。
今までの自分を変えてくれた。
みんなのために動いてくれた。
そして常に、誰かのために動いていた。
例えそれがおせっかいであろうと、頼まれていまいと、自分から率先して動いていた。
だからこそ、皆から愛されるのだと。
そうでなければ誰も彼のことを心配はしない。
大事に思われていなければ一瞬だけの心配で終わる。
「緑谷、このことは先生は知っているのは当然だろうが・・・・・・・・・他に知ってる奴はいるのか?」
「かっちゃんだけ。」
「そうか・・・・・・・なぁ、緑谷。このことはお前がヒーロー科に編入したときに俺から先生に頼んで話してもいいか?」
「・・・・・・いいよ。ちょっと待って。」
出久は生徒手帳のメモに使う部分にあることを書くと破り、心操に渡す。
「これを先生に渡してくれる?僕が許可したって証明だから。」
「・・・・・・・・・わかった。」
心操はそれを受け取る。
「ヒーロー科の奴らにはどうするつもりだ?」
「・・・・・・・・・・話そうと思うよ。」
「・・・・・・・・・・こっちは今回逃げか?」
「そうなるね。」
怒られるかと思った出久であったが反応は予想外の物であった。
「・・・・・・いんじゃないか。逃げても。」
「え・・・・・・」
「お前はいつも無茶し過ぎだ。たまにはそうしてろよ。」
心操は出久の肩に手を置くと屋上を後にした。
「・・・・・・・・・・・ありがとう。」
小さく、枯れるような声で礼を言った。
目からは大粒の涙がポタポタと零れ落ちていた。