ちょっとしたハプニングの後、メリッサと麗日たちは仲良くなった。
(よかった、打ち解けてる。)
メリッサたちと打ち解けている麗日たちを見て出久は微笑んでいた。
「お待たせしました。」
「その声・・・・・・上鳴君!」
ウェイターの服を着ている上鳴に出久は驚く。
「オイラもいるぜ。」
「峰田君も!・・・・・・・・・二人とも、恰好だけは似合うね。」
「「それどういう意味だ!!」」
出久の言葉に二人がツッコミを入れる。
「アンタらが普段からバカしてるからでしょ。てか、なんでここに?」
耳郎が二人に痛烈なことを一言いい、疑問を投げかける。
「エキスポの間だけ臨時バイトの募集があったから応募したんだよ。」
「休み時間にエキスポ見学できるし、給料もらえるし、来場した可愛い女の子とも素敵な出会いがあるかもしれないしな!」
欲望を包み隠さない峰田。そんな峰田は出久に疑問を持つ。
「てか緑谷はなんでここに?」
「オールマイトに呼ばれたんだ。」
「オールマイトに!?・・・・・・・・て、お前なら納得できるな。」
「だな。」
二人は頷きながら納得する。
「なにをやっているんだ君たちは!バイトを引き受けた以上、労働に励みたまえ!」
聞き覚えのある声でやって来たのは飯田であった。二人は悲鳴を上げながら退散する。
「飯田君!」
「やあ、緑谷君!君も来てたんだね!」
「うん。でも飯田君は・・・・・・・・・あ、ヒーロー一家だったね。」
「ああ。家族は予定があってこれなかったから僕が代表してね。」
外でも平常運航の飯田。そんな飯田の頭に後ろから来た伊達が頭に手を置く。
「まじめなのはいいが少しは気を緩ませた方がいいぜ。」
「む!これは伊達先生、こんにちは。しかしヒーローたるもの人を助けることに専念せねばーーーーーー」
「それじゃぁダメだな。」
「どうしてですか!」
伊達の言葉に飯田は喰いつく。
「お前は奴隷じゃないんだ。まぁ確かに、働くってことは社会の奴隷になることだ。しかしな、いっつも仕事ばかりに縛られたがちがちの生活をしてたんじゃ人間どっかで壊れちまう。それにこれは当たり前の中の当たり前なんだが・・・・・・・・ヒーローはヒーローである前に人間だ。」
その言葉に飯田は衝撃を受ける。
「まじめなのは飯田君の欠点でもある。まじめすぎる生き方は時に自分を殺しちまうからな。スイッチチェンジはしておけ。」
伊達は飯田の頭をポンポンと軽くたたく。
飯田は全てにおいてまじめに対応しようとする。しかしそれは決して悪いわけではないが欠点でもある。
困っている人がいればまじめに助けようとする、犯罪している人間がいれば捕まえようとする、理想像に縛られて自分を見失ってしまう。
それが決して悪いわけではないが、この社会においてそれは奴隷に等しいのだ。
確かに社会に出れば、生きるためにお金を稼がなければならない。そして国に税金を納めなければならない。正に社会の奴隷である。
しかし現実、まじめに働いている人間にそれ相応の報酬が支払われていない。
ハードな仕事なのに給料は安く、雇用すると約束していたのにもかかわらず当日休暇などあればその約束は無し、有給は理由を聞かなくても取れるというのに土曜日曜だからとか理由がどうだとかと言う理由で取れない。
その上、質が悪いのは大した仕事をしていない人ほど高い給料をもらっているということだ。それが今の現実だ。
「ありがとうございます、伊達先生。」
飯田は自分に自分の考えを教えてくれたことに感謝し、頭を下げる。
「んじゃ、どっか行こうじゃねぇか。」
伊達がそう言った直後であった
激しい爆発音と爆煙があるパビリオンで起きた。
“個性”を使い仮想敵を倒していく『ヴィラン・アタック』。そこで爆豪が個性を使い空中移動、そして爆破する。
「死ねっ!」
「あはは・・・・・・・相変わらずだな、かっちゃんは。」
敵思考な発言に苦笑いする出久。その後爆豪に気づかれ急遽出久も参加することになった。
「さて、飛び入り参加してくれたチャレンジャー!いったいどんなタイムを叩きだしてくれるのでしょうか!」
MCが盛り上げる中、出久はオーズドラバーをセット。三枚のオーメダルを手にし、真ん中のメダルを指で弾く。弾いたメダルが宙を舞う中、両サイドのメダルをセットし、目の前に降りて来たメダルをキャッチすると真ん中にセット。そしてオースキャナーを手に取りスキャンする。
「変身!」
【タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!】
仮面ライダーオーズへと変身した出久の姿に会場に来ていた人たちは驚く。
「すごい個性ですね!それではヴィラン・アタック、スタート!」
アイズと同時にバッタレッグを使い一気に跳躍、トラクローを展開し仮想敵を一体破壊。爆風を利用しバッタレッグで続く二体目を破壊し、上に跳ぶ。
(直線上に並んでいるなら使える!)
メダルジャリバーに三枚のセルメダルを投入しレバーを動かすとメダルジャリバーに三枚セルメダルが装填される。オーズはオースキャナーを手に取りスキャンする。
【トリプル!スキャニングチャージ!】
「セイヤ――――――――――――!」
一直線に並んだ仮想敵を空間ごと斬り、そして仮想敵のみ破壊される。
「おーーーーーーーっと!なんと驚異の10秒ジャスト!変身したかと思えばまさかの展開!さぁ、これを超える挑戦者は現れるのか!」
会場が歓声に包まれる中出久はみんなの元へと戻る。
「すごいよ出久君!」
「うむ、流石だな!」
「すごかったですわ!」
みんなが出久を誉める中、爆豪が突っかかってくる。
「おいデクっ!今回はたまたまうまくいったが調子に乗んじゃねぇぞ!」
「落ち着けって爆豪。でも実際緑谷の実力高いのはみんな知ってんだしよ。」
「うっせ!黙ってろクソ髪!」
切島が爆豪を宥めるのはもはや定番の光景になっていた。
そんな中出久は気づかれないように胸を押さえていたが、メリッサはそのことに気づいていた。
その頃パビリオンのカフェでハーフボイルドの男がコーヒーを飲み、その相棒がI・アイランドの情報を分厚い無地の本を手に調べていた。