あの石像は石造ではなく本当は医師で固められたライダーではないかと。
そしてあそこにいたオウマジオウは主人公ではないと。
別の第三者が彼の名を借りて魔王になり、彼はその濡れ衣を着せられた。
あの書物に書かれていたのは本物であるけれど贋物の歴史ではないかと。
I・アイランドの奪還をするために出久たちは非常階段を上っていたがその道は険しいものであった。
「これで30階。メリッサさん、最上階は?」
「ハ・・・・・ハ・・・・・200階よ。」
その言葉を聞いて上鳴はげっそしとした顔になる。
「マジかよ。」
「まだ敵と出くわす可能性を回避できる分いいって考えなよ。それよりそろそろかな?」
『?』
上った階が60階に差し掛かったところでシャッターが閉められていた。
「シャッターが!」
「やっぱりな。」
「どういうことだよ!」
先頭を歩いていた峰田が伊達に問う。
「仮にヒーローが解放されたとしてもオールマイトみたいなパワーを持っているヒーローは少ない。でも保険を掛けるとして最低限度の労力で最大限の効果を発揮する方がいいってわけだ」
伊達がそう言うと峰田がある事に気づいた。
「なあ、それあるんだったらタコもあるんだろ?それ使って上までの通路作ればよかったんじゃねぇのか?」
それを聞いて一同ナイスアイディアと思うがそれを出久が否定する。
「そうした方がいいかもしれないけど上行けば行くほど風は強くなって足場は悪くなるよ。最悪落ちて死んじゃうかもしれないからね。それに外のモニターで見つかったとしても逃げ場がないからどの道死んでしまうかもしれない。」
そう言われて一同表情が一気に青くなった。
「んじゃ、こっちから行っちいまおうぜ。」
そう言って峰田が非常口の扉に手を掛け開けてしまう。
「ダメッ!」
メリッサが止めようとするが一足遅く開いてしまう。
「こんの馬鹿!」
耳郎が峰田の頭を殴った。
「っ~~!なにすんだよ!」
「馬鹿!相手は最上階からここのシステム全てを掌握してんだぞ!敵にウチ等の場所をみすみす教えるようなもんじゃんか!」
「まぁまぁ、落ち着いて耳郎ちゃん。どのみち遅かれ早かれこの道を使うって選択肢しかなかったんだ。下手に壊しても気づかれる上に、こっちが消耗しちまう。もういっそ飛び込むしかねぇよ。」
そう言うと伊達はバースバスターを手に取る。
「伊達先生、それは一体?」
「護身用の武器だ。いくぜ。」
伊達を先頭に進んでいく一同。
「メリッサちゃん、反対側の非常階段以外に上に行く方法はある?」
「ええ、でもどうしてですか?」
「敵さんがカメラを経由してこっちを見張っているんだったらその裏を突く。っと、早速動いてきた!」
出久たちの行く手のシャッターが閉まろうとする。
「確かにシャッターってのはかなりの圧力が加わるが同時に異物とか降ろすところが変形するとダメなんだよね!」
伊達はそう言いバースバスターを放つ。撃ったところは溝。変形した溝にシャッターが引っかかる。
「ここを突っ切るぞ!」
伊達を先頭に施設に入る。
「ここは・・・・・庭?」
「植物プラントよ。“個性”の影響を受けた・・・・・」
出久が疑問に思うとメリッサが説明しよとするが耳郎が止める。
「待って!」
中央に設置されているエレベーターが降りてくる。
「マズい!みんな隠れて!」
一同木々などに身を隠す。
エレベーターから出てきたのは会場にいた敵たちと同じ服装をしている二人組であった。
「ガキがこの中にいるらしい。」
「全く、面倒なことしやがって。」
小さい男に対し大きい男はイライラしていた。
(どうする?変身してもいいがみんなを守れねぇ。何より俺も出久ちゃんもここで足止め喰らうわけにもいかねぇ。最悪俺一人でも特攻して・・・・・)
伊達がそう考えていると敵たちが声を上げる。
「見つけたぞ、ガキども!」
「あぁ!?今なんつったテメー!」
予想外の声が聞こえてきたことに一同驚いた。なんと声の主は爆豪であった。その隣には切島がいた。
「お前ら、ここで何をしている?」
「そんなことこっちが知りてーわ!」
「なぁ爆豪、落ち着けって。な?」
けんか腰の爆豪を切島が宥める。
「あのう、俺たちに道に迷って・・・・・レセプション会場はどこに行けばいいですか・・・・?」
どれほどの才能をもってすればここまで極点すぎる方向音痴をするのであろうか?
どこぞのマリモ剣士レベルである。
「見え透いた嘘ついてんじゃねぇぞ!」
小さい方の男が切島に向け”個性“を使おうとした瞬間であった。
突如プラント内にロケット付けたバイクが壁を打ち破り、男二人を吹っ飛ばした。
「間一髪ってところだな。よっと!」
そのバイクに乗っていた男はヘルメットを脱ぐと自慢のリーゼントを手で整える。
「え?なに?何が起こってんだ?」
突然の出来事にわけがわからない切島と爆豪。そんな中耳郎は驚いていた。
「なんであの人がここに!?」
「おい耳郎、あの人知ってんのかよ?」
上鳴が耳郎に問いかけるが、耳郎からの返事はなかった。
「てめぇ・・・・・・一体何者だ!」
大きい男が言葉を投げかける。
「俺か?俺はすべてのヒーローと友達になる男!如月弦太朗だ!」
胸を二回叩き、拳を突き出す弦太朗。その弦太郎を見て大きい男は変身する。
「てことは俺たちの敵ってことか?じゃあ遠慮はいらねぇな!」
男たちは戦闘態勢に入る。すると爆豪と切島が隣に並び戦闘態勢に入る。
「なんかわかんないっすけど協力します!」
「すっこんでろテメェら!あいつは俺が一人でぶっ潰す!」
「お、熱いじゃねぇかお前ら!じゃあ俺も行くか!」
弦太朗はそう言うとフォーゼドライバーを手に取り腰に装着する。
「あれは!」
「まさか!」
出久と伊達はそれを見て驚いた。この世界には存在しないアイテム、そして自分達しか知らないはずの物を持っていたからだ。
弦太朗は四つのスイッチを入れると大きく手を振り、右にあるレバーを手にする。
【3!】
【2!】
【1!】
「変身!」
レバーを動かし右手を天に向けの伸ばすとリング状の物が出現し、弦太朗を照らす。そして晴れるとそこにはロケットを模したボディにオレンジの丸が右腕に、青のバツが右足に、黄色の三角が左足に、黒の四角が左腕に装飾されている戦士へと姿を変えた。
その姿こそ平成13番目の仮面ライダー、仮面ライダーフォーゼである。
「宇宙、キタ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」
その声は成層圏を抜け、宇宙へ飛び出し、太陽系を超え、銀河を超え、遥かかなたにある別宇宙の地球にまで届いた。
「仮面ライダーフォーゼ!タイマンはらせてもらうぜ!」