僕のヒーローアカデミア OOO   作:ザルバ

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物語もいよいよクライマックスへと近づいてきています。
この話を読んで大体予想できる人もいるかもしれませんが、どうか期待を。


52 劇場版僕のヒーローアカデミアOOO~集う英雄たち~⑫

 敵たちに連れてこられてずっと操作していたデイヴィッド博士とサムが明るくなった。

「解除出来たぞ!1147ブロックへ!」

 たくさんの四角いブロックがパズルのように動き、ある一角が光りその場で止まる。

 二人は短い階段を上り、そこへ向かうとその中を確認する。

「やったぞ・・・・・ついに取り戻したぞ!この装置と研究資料は誰にも渡さない!」

「やりましたね、博士。敵たちも上手くやっているようですし!」

「ああ!君が手配してくれた、サム!」

 喜ぶ二人に小さく強張った声が響いた。

「・・・・・・パパ・・・・・・・」

「メリッサ!」

「お嬢さん、どうしてここに!っ!?」

 メリッサに驚くデイヴィッド博士とサム。しかしサムは、《オーズの姿》にも驚いていた。

「手配したって何?」

 メリッサの問いにデイヴィッド博士は答えない。

「その装置を手に入れるためにやったの・・・・?答えて、パパ!」

 メリッサは声を上げて問いただす。

 できればそうでないと、脅されてやったと、そうであって欲しいと思っていたが、現実は残酷であった。

「・・・・・・そうだ。」

 その言葉にメリッサはショックを受ける。

「・・・・・・・・・なんで・・・・・・・・・どうして?」

 メリッサの問いに代わりにサムが答えた。

「博士は、奪われたものを取り返しただけです!機械的に”個性”を増幅させる、この画期的な発明を!」

「“個性”の増幅!」

 その言葉に出久は驚く。

「ええ。これはまだ試作段階ですが、この装置を使えば薬品などとは違い、人体に影響を与えずに”個性”を増幅させることが出来ます。しかしこの発明と研究データはスポンサーによって没収。研究そのものを凍結させられました。このことが世界に公表されれば、超人社会の構造は激変する。それを恐れた各国政府が圧力を掛けて来たのです。だから博士は・・・・」

 自分たちは正しいと言っているサム。

 その言葉にオーズは握りこぶしを作っていた。

「ウソでしょ、パパ?ウソだと言って!」

「ウソではない。」

「っ!そんな・・・・・・どうして?私の知っているパパは・・・・・・」

 メリッサの言葉にデイヴィッド博士は答えた。

「・・・・・オールマイトのためだ・・・・・・・」

「え?」

「彼の“個性”は、消えかかっている・・・・・・・・だが!これさえあれば!それ以上の能力を彼に与えることが――――」

「ふざけるな!」

 叫んだのは今まで黙っていたオーズであった。

「あなたがオールマイトの親友で、オールマイトのためにそれを開発したのは分かる。でも・・・・・・・間違ってる!なんで彼一人に、すべてを背負わそうとするんですか!」

 オーズは、出久はこっちに戻ってきてからずっと思っていた。

 みんなオールマイトばかりに頼っていた。

 どんなヒーローもオールマイトがいればと口をそろえてそう言った。

 誰一人として、オールマイトを助けようとなどとは言わなかった。

 たった一人に全てを背負わせて、頼っていた。

「たった一人の英雄よりも、何人ものヒーローを助けたり、何人もの人を助ける道具を作った方がいいんじゃないんですか?」

 オーズのその言葉に何も言えなくなる。

 その時であった、後ろから金属がオーズを襲う。

「出久君!」

 メリッサはオーズに駆け寄る。

「全く、余計なこと言いやがって。ま、いいか。こうなることくらい想定してなかったわけでもねぇからな。」

 後ろから敵たちのボスが姿を現した。

「サム、装置は?」

 サムはデイヴィッド博士から装置を奪うとボスの下へと持っていく。

「サム・・・・・私を騙したのか?」

「ええ、そうですよ。研究は凍結。手に入れるはずだった栄光も、名誉も、すべてを失った!お金を受け取らなければ割に合わないでしょう!」

 長年共に研究してきた仲間の裏切りにショックを受けるデイヴィッド博士。

「謝礼は?」

「ああ、そうだったな。」

 ボスはそう言うと拳銃の銃口をサムに向ける。

 そして破裂音が響き渡り、サムが倒れる音と空薬莢が落ちる音が響いた。

「どういうことだ・・・・・・・約束と違う!」

「約束、そんなのしたっけな?謝礼はこれだ。」

 ボスはサムに銃口を向け、引き金を引く。

「っ!!」

 サムを押し飛ばし、デイヴィッド博士が銃弾を受けた。肩からは血がにじみ出ていた。

「おいおい、今更なんのつもりだ?お前は悪事に手を染めた。俺たちが贋物だろうが本物だろうがアンタの悪事は消えない。俺たちと同類さ。もう科学者として生きていくことも出来やしない。敵の道に落ちていくだけさ。」

 その言葉にデイヴィッド博士の心は追い込まれていく。

「アンタはせいぜい俺たちの下でこの装置を量産するんだな。」

 高笑いするボス。

「・・・・・せない。」

「あ?」

「そんなこと、僕が、僕たちがさせない!」

 オーズは立ち上がり構える。

「メリッサさん、あなたはあなたにできることを。」

「っ!うん!」

 メリッサは制御室へ向かおうとするがボスが金属操作を行いメリッサを止めようとするがオーズが体を張って止める。

「行かせない・・・・・・・・守ってみせる!」

 オーズが体を張って止める中、メリッサは管理室に辿り着くと説操作盤を操作して警備システムを解除する。

「警備システムを解除されたか。おい、博士を連れて行く。ヘリは?」

「すでに到着しています。」

 ボスたちはオーズに見向きもせず進んでいく。

 ボスたちの後ろで出久は変身が解け、倒れていた。

「ぐ・・・・・・・・ごはっ!」

 無茶をしたため身体が悲鳴を上げ、血を吐いていた。

「約束したんだ・・・・・・・必ず助けるって・・・・・・」

 出久は自身の体に鞭を打ち、追いかけ始める。

 

 

 

 

 まだだ、まだ動くときじゃない。焦るな。その時はすぐに来る。

 

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