僕のヒーローアカデミア OOO   作:ザルバ

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よくよく考えてみたら出久たちって濃い経験をしすぎな気がするのは気のせいでしょうか?
とても十代後半の少年少女たちが経験するような出来事ではないと私は思います。


56 これまでを振り返って。

 I・アイランドの事件から時間が過ぎた昼過ぎ、出久は一人部屋で物の整理をしていた。

 出久の体のこともあって荷物は整理してしまうのが習慣となっていた。

「ふぅ・・・・・・結構もの増えたな。」

 出久はそう思い椅子に背を預ける。

「思えば、今年はまだ少ししか過ごしてないのに色々あったな。」

 出久は少し振り返ってみる。

 思えば始まりは幼いころに吐血したことだ。

 不治の病と診断され、どこか空っぽになりかけていた。

 しばらくして診断された”無個性“。生きていくのでさえ困難になってしまったこの時代、絶望的であった。

 そんなことを思いながら過ごして中学1年生、人生の転機が訪れた。

 異世界への渡航だ。

 その時記憶を失い、そして大きな傷を負った。その後悔は今も出久をヒーローへと駆り立て、そして自分で自分を苦しめていた。

 そして日本でのアンクと出会い、グリードとのメダルを掛けた戦い。

 多くの人間の欲望を見た。だがそこから学ぶこともあった。許せない欲望もあった。

 時には怒りを、悲しみ、呆れた。

 けれどいつも側には相棒がいた。ぶつかり合い、騙し合い、一緒に食事をし、助けたこともあった。

 けれど、そんな日々は終わり終わりを迎えた。

 世界を掛けた大きな戦いの中で、相棒は自分を犠牲にした。そして遥かな未来で再開する約束をした。

「アンク・・・・・・ルウ・・・・・・」

 出久は机の上に置いてある割れたアンクのコアメダルと、ルウがくれた石を見る。

 鴻上会長のおかげで出久はこっちの世界に戻れてきた。

 そしてこの世界でも、多くの人間をこの手が届く限り救いたいと思うようになった。

 最初に救ったのは、()()()()だったな。まさか僕があのヒーローを救うとは思わなかった。

 そして次に救ったのがかっちゃん。助けてほしいと、そう願う目をしていたから僕は助けた。そして最初に僕の秘密を打ち明けた幼馴染だ。

 次に救ったのは三奈ちゃんだ。どうしてかこの世界にいたヤミーの事件に巻き込まれた。

 そういやマンサム所長、元気かな?しばらく顔合わせてないから気になるけど、仕事で忙しかったらいけないし今度メールしておこう。

 入学試験の時にお茶子ちゃん、入学初日に透ちゃんに峰田君。

 その次に百ちゃんと一佳ちゃん。

USJだとあの場にいた脳無を倒すために無茶しすぎちゃった。ほんと皆には悪いことしたって思ってる。

それからすぐに雄英体育祭。あの時は出せる力をすべて出した。無茶をして、轟君を縛っていた何かを解き放てた気がした。

ヒーロー殺しの時は何とか飯田君をヒーローの方へと引き戻すことが出来た。

でもあの時のヒーロー殺しのことは僕や伊達さんは分かる気がした。

この世界のヒーローは人気を気にして本業そっちのけでいろんな職業に手を出している。もちろん、すべてのヒーローがそう言うわけではないが、それでも理解できないところがある。

 法律でヒーローであることに資格を定めていること、ヒーローや敵やヴィジランテなどを細かく分けていること、“個性”を重視して人を見ていないこと、無個性に対する扱いがずさんすぎること。

 ヒーロー殺しがそうしたい気持ちは今でもわかってしまうけど、共感はできない。

 僕は彼に今でもいえる。それは間違っていると。

 そしてI・アイランド。オールマイトの計らいで招待され、そしてメリッサさんと出会った。そこでは、デイヴィッド博士がオールマイトのためにとある開発を行った。

 しかし世界は彼の発明を認めようとはせずに、研究自体を凍結させてしまった。

 間違ってはいなかった。しかしやり方が間違っていた。

 デイヴィッド博士も被害者なのだろう。この超常社会でオールマイトと言うビッグスターがいればすべての事件を解決してくれると思い込んでしまった。

 しかしその開発を狙っていたオールマイトの宿敵、オール・フォー・ワン。そしてそれすらも利用し世界を支配しようとした財団X。

 けど、先輩後輩、未来のライダーと共に野望を打ち砕いた。

「ホント、こんな経験する皆も厄年なんかもね。今度皆で厄払いのお参りでも言った方がいいのかな?」

 出久はふとそんなことを口にする。

「でも・・・・・・・・・あの日、屋上にいなかったら、今こうして思い吹けていなかったんだよね?」

 そう思い出久は立ち上がり窓を見る。

見える世界は狭く、小さいものだ。しかしそこには大勢の人が暮らし、それぞれの生活を送っている。誰しも簡単に人を殺せる力や手段、知識がある。それを善か悪に使うかは人それぞれだ。

「守っていかないとね。」

 そんなことを言うと引子が出久を呼ぶ。出久はそれに答えながら向かう。

 風が吹き、窓のカーテンを靡かせる。

 出久の机の上には、彼女たちと一緒に撮った写真が写真立てに飾られていた。

 

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