出久が爆豪を探しに行っている頃、爆豪は轟と一緒に負傷者を背負いながら突如現れた敵と交戦していた。
轟が氷の壁を作り攻撃を防ぐ。
「どうやら敵の狙いはお前のようだぞ。」
「知るか!んなこと!」
二人が交戦している敵はムーンフィッシュと言う死刑囚であった。相手を無慈悲に切り刻むことに快感を覚えた異常犯罪者である。
「あいつ、地形を上手く利用してやがる。」
「わかってる!んなこと!・・・・・・だがこっちは詰まれてるぞ。」
爆豪も状況の分析は出来ていた。相手は歯を自在に変化させて攻撃する“個性”を持っている。そのため下手に近づけない上に近くの森にはガスが溜まっている。逃げようとしても呼吸が出来ずに死ぬ可能性がある。炎も爆破も使えない。敵に上手い具合に利用されている状況である。
「どうしたもんか・・・・・・」
そのころ出久は森の中を走っていた。
(タカカンドロイドが向かっている場所は二つに一つ。かっちゃんのところか・・・・・
もしくは他のクラスメイトが危機的状況に陥っている状況だ。前者の方がいいんだけど・・・・・)
「避けろ、緑谷!」
「っ!?」
突如聞こえてきた声に出久は反応するがそれよりも先に働いた直感が体を動かし、突如迫ってきた黒い手の攻撃を回避した。
「い、一体これは・・・・・・」
「無事か、緑谷!」
声を掛けて来たのは片方の複製腕から血を垂れ流している障子であった。
「障子君、その腕・・・・・・」
「俺は大丈夫だ。だが今はそれどころじゃない。」
障子はそう言うと出久を背負い走り始める。
「障子君、僕は大丈夫だから!」
「お前にはいつも助けてもらってばかりだ!それにお前が倒れたら俺たちにとっては大きな損害だ。轟や爆豪も実力があるのはみんな知っているが、お前は飛びぬけている。」
まさかそんなに思われているとは出久も思っていなかった。
「それよりもあれって・・・・・・」
「マンダレイのテレパスがあって直後に周囲を索敵していた時に複製腕を切り落とされた。俺の複製腕は複製部位を複製できる。だがそれを常闇は知らなかった。そのせいでアイツのダークシャドウが暴走したんだ。」
(そう言えば常闇君の個性は闇がある場所では制御できないって言ってた。けど、本当にそうなのかな?もし僕の予想が当たってたら・・・・・・・)
障子に背負われながら出久は考える。
「障子君、もしかっちゃんが襲われているとしたら常闇君の今の状態で敵にぶつけてみようと思う。確かかっちゃんは轟君と一緒にペアを組んでた。だったら光を使って
「・・・・・・・・・いいだろう。悪乗りするのも悪くないかもな。」
障子はそう言うとタカカンドロイドが示す方向に走り出した。
一方その頃八百万は突如襲ってきた脳無によって頭から血を流していた。
(う、動けない・・・・・・・このままでは・・・・・・)
脳無がチェーンソーを八百万に振り下ろす。
(すみません、出久さん・・・・・・)
八百万は目を瞑る。
その時エンジン音と何かがぶつかる音が聞こえて来た。チェーンソーとは違うエンジン音であった。
「諦める余裕があるなら早く立ち上がれ。」
八百万が目を開けるとそこには一人の男がバイクから降りていた。マゼンダのシャツを下に黒いコートを羽織っている。
「あ、あなたは一体・・・・・・」
「俺か?俺は世界の破壊者だ。」
男はそう言うと腰にベルトを装着し展開するとカードを一枚取り出す。
「変身!」
【KAMENRIDE!】
【DECADE!】
九つの灰色の影が一つとなり、マゼンダとホワイトボディに黒のラインや装飾がある仮面ライダー、仮面ライダーディケイドに変身した。
「仮面、ライダー?」
「そう言うことだ。守ってやるからそこで見ていろ。」