障子に背負われて出久は暴走状態の常闇から逃げていた。
「緑谷、さっきの作戦だが悪乗りするべきではなかったと後悔している!」
「頑張って、障子君!」
背負われている出久は障子を応援するしか手段がなかった。
すると何かが壊れるところが二人の耳に入った。
「障子君!あそこに行って!」
「わかった!」
出久たちは音がする方へ行くとそこには敵と攻防している爆豪と轟の姿があった。
「爆豪、轟!どっちでもいいからこいつを止めてくれ!」
出久を背負いながら障子を二人にそう言うと後ろから
「アイツの個性、暴走してるのか?仕方ねぇ・・・・・」
轟が炎を出して常闇を止めようとするが爆豪が手を出す。
「待て。あいつをぶつけてみよう・・・・・」
爆豪は自分たちが苦戦している相手に対し常闇がどう倒すか興味があった。
ムーンフィッシュは歯を伸ばして
「まだ暴れたりない!」
「変身!」
【ライオン!トラ!バッタ!】
出久はラトラバに変身するとライオンヘッドのライオネルフラッシュ、爆豪の爆発、轟の炎を使って
「キャン!」
ダークシャドウは可愛い悲鳴を上げて常闇の中へと戻る。
「すまない。障子の腕が飛ばされた瞬間、怒りに任せて
「うん。」
出久は変身を解除する。
「敵の狙いが勝っちゃんってのが分かった。」
「どういうことだ?なぜ爆豪を?」
「わからない。けどもしかしたら・・・・・・」
「もしかしたらなんだよ?」
轟が尋ねると出久は答えた。
「かっちゃんを敵連合に引き込むつもりなのかもしれない。まだ敵の目的が分からない以上、憶測は一旦やめて施設に向かおう。マンダレイたちが広場の方で交戦中だから僕たちは迂回していこう。途中で他の人とも合流してね。」
「わかった。緑谷は大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫。」
「そうか・・・・・・・・無理だけはするなよ。」
みんなも轟の言葉に頷き爆豪を中心に置いて歩き始める。
一方その頃ディケイドは脳無と交戦をしていた。
「流石にこれだけ木があると邪魔だな。」
ディケイドはそう言うとディメンションオーラを発動させ自身と一緒に脳無を広い場所へと移動させる。
「な、なにっ!?」
急に表れたディケイドと脳無に驚くマンダレイ達。しかしディケイドは気にすることなく対処する。
「この世界のヒーローか。ん?仮面ライダーもいるな。ま、別いいがな。」
ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出す。
「変身!」
【KAMEN RIDE! KABUTO!】
ディケイドはカブトに変身する。
「姿が変わった!出久ちゃんとは違う変身!」
バースはディケイドの能力に驚く。
【ATTACK RIDE! CLOCK UP!】
その瞬間、目にもとまらぬ速さで脳無に攻撃を与えていくディケイド。脳無は反撃しようとチェーンソーを持っている手を振るうがディケイドの今の状態にはかすりもしなかった。
「これで決めさせてもらうぞ。」
【FINAL ATTACK RIDE! KA・KA・KA・KABUTO!】
ディケイドの左足にエネルギーがチャージされ、必殺のライダーキックが脳無に炸裂する。
脳無は声にならない悲鳴を上げて遠くへと跳ばされる。木々をなぎ倒しながら吹っ飛ばされ、止まった時には再起不能状態になったまま動かなくなっていた。
「さて、うるさい奴は片づけた。」
ディケイドはカブトからディケイドの姿へと戻る。
「どうする、マグ姉?」
「撤退した方がいいわね。あいつが倒された以上、あたしたちには勝てる見込みは無いわ。それにあいつらが仕事をやってくれてるでしょうし。」
マグネはそう言うとスモークと閃光弾を使ってその場からスピナーと共に撤退した。
その頃出久たちは麗日たちと合流して施設へと向かっていた。
しかし麗日と梅雨ちゃんたちが爆豪と常闇がいないことに気づいた。
油断なんてしていなかった。皆の意識が麗日たちに向いた瞬間を狙って仮面の敵は手元にビー玉上の何かを手にして木の上から出久たちを見下ろしていた。
「彼らなら、
「っ――――――!返せ!」