出久が晴れてお茶子たちと彼女の関係になった日から数日。
出久は医者の許可が下りて退院していた。
マスコミがこぞって自宅を訪問しようと試みたが先の敵連合との癒着問題があったため下手に近づこうとすれば地元住民が邪魔をしていた。
そんな騒動があるとも知らず、出久と引子はトゥル-フォームのオールマイトと対面していた。
「この度はお子さんに多大な迷惑をおかけして申し訳ございませんでした!」
元No.1の姿はそこにはなく、土下座をしていた。
「・・・・・・・・頭を上げてください。」
引子は静かにそう告げ、オールマイトはその言葉に従った。
「オールマイトさん、私は貴方が巻き込んだとは思いません。出久は生まれつき無個性で、その上病気で長生き出来ないと言われています。出久の中にある力で寿命を一時的に伸ばしていると本人からも聞いています。」
「・・・・・・・・・・」
「けど、私は正直後悔をしています。雄英に通ってからはいつも血を吐くことばかりが多く、心配しない日が無かったです。それでも、我が子を雄英に通わせると決断したあの時から、私は今更その決断を私の身勝手で撤回するつもりはありません。おそらく今日来たのは謝罪ともう一つ、全寮制の話もあって来たのではないのですか?」
「っ!?」
オールマイトは引子の言葉に驚いた。
「気づいてないとでも思いましたか?先日の事件でのマスコミの個人情報の流失を見て考えない親はいません。私もこの事件を機会にそうなるのではないかと思ってました。」
「その通りです。私たちは今後の対策として生徒たちを全員全寮制にしてもらおうと思っています。もちろんこれは保護者と本人の同意が無ければできないことになっています。」
オールマイトは一通り説明する。
「でしたら、よろしくお願いします。」
引子は頭を下げた。
「私たち親は見守る事しかできません。だからこそそこはあなた達ヒーローに任せます。ですが、これだけは約束してください。」
「なんでしょうか?」
どんな無理難題を言われるかオールマイトは不安であったが、引子から出されたのは意外な提案であった。
「決して、死ぬ覚悟を持って戦わないでください。子供たちにとって一番辛いのは、自分のために大人が死んだと言うことです。」
引子のその言葉に対しオールマイトは深々と頭を下げた。
「・・・・・・・・・・・わかりました。」
そう言ってその話は終わった。
そして雄英高校での新たな生活が幕を開けるのであった。