古城くんは基本けだるげ   作:トマボ

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田中くんから受け継がれる微睡みの意思!ってわけでもないんですが、中の人的に古城さんが世話を焼く方ではなかろうか?とふと思ったので別枠ネタとして書いてみることにしました。

今回は普通にクラスメイトのモブくんの視点。影山さんではないですよ?


気だるげなクラスメイトの古城くん。1

 

うちのクラスの暁 古城くんは良く寝ている。

 

 

それは、授業中であろうとも休み時間であろうとも変わらない。

 

まず、朝はとても弱いようなので、友人の矢瀬くんが彼を抱えて連れてきている。身長は古城くんの方が大きいのに何故か矢瀬くんは彼を上手く背負ったり脇に抱えられている。まるで、風で少し浮かんでる様な…いや、気のせいだろう。

 

 

この島は魔族と人間が共存している場所、魔族特区なのだから、多少の不思議なことは日常の1ページに溶け込んでいくものだ。

 

 

思い返してみると、僕は古城くんとは中学から同じだ。矢瀬くんや藍葉さんは高校からのクラスメイトだったりするけれど、3人ともクラスには上手く馴染みつつも少し遠巻きに見られているという謎の立ち位置にいるので、そこまで親しくはない。

 

 

かくいう僕も偶に挨拶をする程度の関係だ。おっと、モブである僕のことはさておき、古城くんはいったいいつからあんな風に眠そうな感じになったのだろうか……。

 

 

中学…?バスケ部期待の選手だったみたい。一時期学校を休んだり、事件があって巻き込まれた〜なんてことを小耳に挟んだりしたけれど、活発的な印象だったなぁ

 

高校………高校?あれ?去年は普通に……なんか寝てたような……あれ?記憶が曖昧だ。

 

なら、今年か?うん。今年は新学期が始まってからもう夏真っ盛りな気温だけれど、今年は古城くん寝てたねー。それはもう寝ていたねー。

 

 

外見的な問題はさておき、かなり厳しいことで有名な南宮先生の英語のテスト中にも寝てたせいで呼び出された補修の間も寝ていたせいで、叩き起こされた時の衝撃で再度眠りに落ちてたなー。

 

 

 

 

そんな彼は今日も寝ているんだけれど、当然起きてる時間が無いわけではない。選択科目の家庭科では結構張り切って作ったりしていた。どうやら甘い物好きらしい。

 

 

そして、生徒にとっては嬉しい昼の休み時間では、今でこそクラスメイトはブラックコーヒーが必須な風景が見られるけれど、少し前、古城くんが昼食を忘れたことがあった。

 

規模は大きく、充実した学食を利用する生徒が多いうちの学校だけれど、中等部もあることでわかる通りかなり混み合う時間帯がある。そのため、購買を利用するか弁当を持参する生徒もいるのだけれど、その日古城くんは運の悪いことに財布も忘れてしまったらしかった。

 

世話係という共通認識の矢瀬くんは用事があって生徒会室へ。藍葉さんはその日は用事で欠席していた。その十数分後に古城くんの妹さんが、何故か欠席しているはずの藍葉さんからの連絡を受けてパンを買って持ってきてくれていた。

 

その十数分間、彼はお腹を鳴らしながら席でうな垂れていたので、見かねた委員長(クラス委員長は別にいる)が救援を出そうとしたのだけれど、古城くんはやんわりと断った。

 

 

それでも、余りに腹の虫は正直者らしかったので委員長は彼に理由を聞いてみた。すると、その時初めて知ったことだけれど、彼には矜持があるらしく、それを聞いて以来クラスメイトは彼に対して空けていたの距離を別の要因が現れるまでの間戻していた。

 

 

彼の語った微睡みの法則(というらしい。)にはかなり力があって、それはその日の一食を取りにいくよりも、あの日のそよ風と適度な気温、程々な喧騒、眩しすぎない日光という好条件の中、ウトウトとするその微睡みを楽しむ方が良い…と、同じことを妹さんにも語ってパンを口にねじ込まれていた。

 

__曰く、栄養くらいはきちんと取りなさい!

 

 

とても正論だった。

 

 

 

 

 

 

そんな彼は今年に入ってかなり眠気が増したようだけれど、彼の語った人生観の達観具合は、とても長い年月を感じた。

 

 

 

もう直ぐで夏休みなのだけれど、彼は学校行事や補習でもそうであったように、休日も似たような感じらしい。

 

これは、今学期に始まったことではないのだけれど、運が悪い。何かしら事件などに巻き込まれやすいのだろうか。友人には恵まれたようなのだけれど、彼の周りには少し変わった人が集まりやすい。類友というやつだろうか。

 

宗教勧誘にあっさりと引っかかってしまうイメージが湧いて少し心配だ。駅前のティッシュ配りや勧誘を見てわかるように押しに弱いタイプのようだ。(実際はガードが固い。主に藍葉さんによる。)

 

 

変わっているけれど、全員に遅刻と欠席の心配をされ、担任含めて頭を抱えて、矢瀬くんや藍葉さんに頼み込んだように、なんだかんだで親しみの持てる人物である。

 

押し付けてるのはどうなのだって?適材適所ってやつさ。

矢瀬くんはともかく、藍葉さんはまあ、その、一目で分かる。

髪を染めてから印象も変わり、積極的になった彼女のことは、クラス一同暖かい目で見守ることにしていたのだけれど、古城くんは何故かあまり考えたくは無いのだけれど、矢瀬くんが本命という噂が…。

 

 

 

ーー異様に似合うエプロンを着けて仕事帰りの矢瀬くんを出迎える古城くん。

 

 

⁇違和感が無いぞ⁇

 

 

まあ冗談だろうと思うけれど、無粋な一部による問いに対しての彼の返答もそんな噂に拍車をかけたのだろう。

 

 

____今は居ないけど、俺を養ってくれる人を好きになりそうだ。

 

 

 

何人もいそうな気がするから恐ろしい。あー。きっと、今寒気が走ったのは僕だけじゃ無いんだろうなー。

 

 

しかし、当の本人は何も考えていないみたいだけれど。

 

眠っている時の安らかな寝顔を見ると、きっと怒る気にもならないからなのだろうと思う。小動物のような、ほにゃっとした寝顔は反則だ。高校生男子なのに…。

 

2頭身くらいのフード付き古城くんの幻なんて見えない…。

 

 

 

けれど、最近では浮いていた彼もクラスにすっかりと馴染み、そしてまた近寄り難い要因が増えたりしている。

 

古城くんに関わる人物についてはまた今度考察することにしよう。

 

 

 

 

 

 




無駄に長い?そうでもないですかね?

夜中に飲んで書くと寝落ちしそうになりまs…zzz

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