今度は何が来たのだろうか、キャべツ?ラオおじいちゃん?それともクシャル?もしくはアトラル・カ?
どれが来てもいいがキャベツ以外は対処できんぞ。
正門が見えてきた。カズマ少年もそこにいる。
さて、来たのは何だ?姿が見えないからラオおじいちゃんやアトラル・カではないな。
..首がとれた騎士モドキ?何だろう。前世ではそんなのがいたような気もするが。
名前は何だったか、デュ、デュアル?思いだせないな。まぁ騎士モドキでいいだろう。
「..俺はつい先日、この近くの城に越してきた魔王軍幹部の者だが...」
あれが魔王軍幹部なのか。ハンターの方がよっぽど強いんじゃないか。
あんなハンマーの溜め食らったら一撃で昇天しそうな強さで魔王軍幹部か。
「ままま、毎日毎日毎日ッッ!!おお、俺の城に、毎日欠かさず爆裂魔法撃ち込んででく頭のおかしい大馬鹿は、誰だああああああー!!」
...爆裂魔法?それを放てるのはめぐみんしか私は知らないが.....。
「爆裂魔法?」
「爆裂魔法つかえる奴っつったら...」
「爆裂魔法って言ったら....」
めぐみんへ視線が集まっていく。
..隣の子視に視線移しよった...。
「ええっ!?あ、あたしっ!?なんであたしが見られてんのっ!?爆裂魔法なんて使えないよっ!」
..かわいそうに。濡れ衣着せられて。
それはそうとなぜめぐみんとカズマ少年が冷や汗を垂らしている?
...あいつらか。撃ち込んでいたのは。
めぐみんがいやそうな顔しながら前へ出る。嫌そうな顔すんなや、めぐみんが招いたことだろうに。
「お前が....!お前が、毎日毎日俺の城に爆裂魔法ぶち込んでいく大馬鹿者か!俺が魔王軍幹部だと知っていて喧嘩を売っているなら、正々堂々城に攻め込んで来い!その気がないなら、街で震えているがいい!なぜこんな陰湿な嫌がらせをする!?この街に低レベルの冒険者しかいない事は知っている!どうせザコしかいない街だと放置しておれば、調子に乗って毎日毎日ポンポンポンポン撃ち込みにきおって.....っ!頭おかしいんじゃないのか、貴様っ!」
.....大分ため込んでいたようだな。まぁ毎日撃ち込まれればそうなるか。
苦労人っぽそうだ。
....何をやっている?めぐみんは?
「我が名はめぐみん。アークウィザードにして、爆裂魔法を操るもの...!」
「......めぐみんってなんだ。バカにしてんのか?」
「ちっ、違わい!」
それはキレてもいい。完全にバカにしてるようにしか聞こえない。
「我は紅魔族のものにして、この街随一の魔法使い。我が爆裂魔法を放ち続けていたのは、魔王軍幹部のあなたをおびき出すための作戦なのです!こうしてまんまとこの街に、一人で出てきたのが運の尽きです!」
随一の魔法使いとか、作戦とか。ツッコミどころが多すぎる。
「....おい、あいつあんな事言ってるぞ。毎日爆裂魔法撃たなきゃ死ぬとか駄々こねてたから、仕方なくあの城の近くに連れてってやったのに。いつの間にか作戦になってるし」
「....うむ、しかもさらっと、この街随一の魔法使いとか言い張っているな」
「しーっ!そこは黙っといてあげなさいよ!今日はまだ爆裂魔法使ってないし、後ろにたくさんの冒険者が控えてるから強気なのよ!このまま見守るわよ!」
いつの間にか合流していたカズマ少年たちが突っ込んでくれた。
というかそんなことしてたのか、カズマ少年。
「.....ほう、紅魔族か。なるほど、なるほど。そのいかれた名前は、別に俺をバカにしていた訳ではなかったのだな」
「おい、両親からもらった私の名に文句があるなら聞こうじゃないか」
文句しかない。何なんだその子供みたいなネーミングセンス。
「....フン、まぁいい。俺はお前らザコにちょっかいかけにこの地に来たわけではない。この地には、ある調査に来たのだ。しばらくはあの城に滞在することになるだろうが、これからは爆裂魔法は使うな。いいな?」
「それは私に死ねといっているも同然なのですが。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を打たないと死ぬんです」
「ならば勝手に死ぬがいい、どうせ嘘だろうがな」
だろうな。そんな種族があるはずない。
「どうあっても、爆裂魔法を撃つのを止める気はないというか。弱者を刈り取る趣味はないが、これ以上あの城の近辺で迷惑行為をするなら、こちらにも考えがあるぞ?」
ヤッチマエー、モトキシノダンナー、ブットバセー、ブッコロセー。
「余裕ぶってられるのも今のうちです!こちらには対アンデットのスペシャリストがいるのですから!先生、お願いします!」
「しょうがないわねー!魔王軍の幹部だか何だか知らないけど、あんたのせいでまともなクエストが受けられないのよ!覚悟はいい!?」
おおめぐみんよ、他力本願とは情けない!
アクアもノリノリで行くんじゃない。
「ほう、アークプリーストか?俺は仮にも魔王軍幹部の一人!低レベルのアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいないし、アークプリースト対策はできているが、どうしてくれようか。.....ここはひとつ、紅魔族の娘を苦しませてやろう!」
「汝に死の宣告を!お前は一週間後に死ぬだろう!!」
ダクネスの身代わり!ダクネスは呪いを受けた!
「ちょ、おい、ダクネス!?」
「ダクネス、大丈夫か!?痛いところとかないか?」
「.....ふむ、何ともないのだが」
不発か?
「その呪いは今は何ともない。だが一週間後に必ず死ぬ。そういう呪いなのだ、それは。紅魔族の娘よ、自分の行いを悔いるのだな。お前のせいでそこのクルセイダーは死ぬ。素直に俺の言うことをおけばよかったのにな!」
「なんてことだ!つまり貴様は、この私に死の呪いをかけ、呪いを解いてほしくば俺の言うことを聞けと!つまりはそういうことなのか!」
「えっ」
えっ。なんだって?頭が理解したくないと拒否してくる。
「見ろカズマ!あのデュラハンの兜の下のいやらしい目を!あれは私をこのまま城へ連れ帰り、ハードコアなプレイを要求する変質者の目だっ!」
「......えっ」
かわいそうに。あられもないことを言われて。
「ああカズマっ!想像しただけでも燃えるシチュエーションだっ!仕方がないから言ってくル!タマミツネ!おまえも来い!」
いやあああああ!?何でそうなる!?どうして私を連れて行こうとする!?
止めろおおおお!放せえええええええ!
「ファ!?」
「待て!行くな!デュラハンの人困ってるから!」
「と、とにかく、爆裂魔法を撃つのはやめろ!そして紅魔族の娘よ!呪いを解いてほしくば俺の城へこい!俺のいる最上階まで来れたら呪いを解いてやろう!果たしてひよっこのお前にたどり着けるかな?クククククッ!クハハハハッ!」
消えた!消えたから私を下ろせ!いつまでつかんでいるんだ!
金の卵ぶつけんぞ!
~~~
「おい、どこへ行く気だ?何しようってんだ、めぐみん」
「ちょっと城へ行くだけですよ。ちゃっちゃと呪いを解かせてきます」
「俺も行くにきまってるだろうが。お前ひとりじゃどうしようもねぇだろ。そもそも俺もお前と行ってたんだから」
ええい、いつまでつかんでいる!下ろせっつてんだろうがぁ!
ぐえっ!握力が強くなった..だと?
カズマ少年がなんか言ってるが聞こえん!
おいアクア助けてくれ、部位破壊されそうだ。
「『セイクリッド・ブレイクスペル』ッ」
「ふふん!どうよ!この私にかかればデュラハンの呪いの解除なんて楽勝よ!どう?どう?私だって、たまにはプリーストっぽいでしょう?」
「「.....えっ」」
~~~~
あれから一週間がたった。
爪と背中が部位破壊されていて歩きづらいわ、背中痛いわで散々だった。
罰として一番恥ずかしい秘密をみんなの前で暴露させたがな!
「クエストよ!きつくてもいいから、クエストを請けましょう!」
どうした?いきなり。
「私はかまわないが...火力が足りないだろう」
ダクネスがちらちらカズマ少年とめぐみんを見ている。
「やりたくねぇんだがなぁー。しょーがねなー」
ほんとダルそうだな。怪我一つしていないのに。
何を請けるんだか。
「アホか!」
またやらかしたか。いい加減にしてほしい。
「これよ!これをやりましょう!」
「湖の浄化?お前浄化なんてできんのか」
「あたりまえでしょう?私が何を司るのか忘れたの?」
「宴会の神様だっけ?」
「違うわよ!」
どうでもいいので早くしてほしい。
~~~
湖の浄化をここでやるらしい。
私だったら絶対に住みたくないほど汚れている。
ほんとの浄化できるのか?
「...ねぇ。本当にやるの?」
「私、今から売られていく、捕まった希少なモンスターの気分なんですけど」
檻に入ってるからな。
運んだのは私なんだぞ。
アクア改めティーバッグ。
すでに二時間たったが何もないな。
おかげで昼寝ができる。
平和だなぁー。ワニのモンスターも出てないし。
「カズマー!なんか来た!ねぇなんかいっぱい来たんだけど!?」
平和だぁ。日光が心地よい。
「カズマ!?檻がなっちゃいけない音出してるんだけど!?メキッて、メキッて!」
頑張れという意味を込めて尻尾を左右にふる。
「タマミツネ!?それどういう意味!?」
ん?ワニが数体こっち来てるな。
水流ブレス!ついでにシャボンランチャー!
「ひぃ!余波で檻が少し歪んだんだけど!?」
後は頑張れー。
七時間きっかりで終わった。
今街の前まで来ているが、後ろのオーラがひどい。
まるで囚人を護送しているみたいだからやめてほしい。
ん?なんか来た。
「め、女神様ッ!?女神様じゃないですかっ!何をしているんですか、そんなところで!」
この少年の仲間?と思しき少女二名が私を見ておびえているのだが、私はどうすればいいんだ?
「おい、私の仲間に来やすく触れるな。貴様、何者だ?知り合いにしては、アクアが反応していないが」
いかにも、自分は厄介ごとに巻き込まれたくはないのだけど仕方がない、といった感じで、ため息をつきながら首を振る。
こいつ潰してもいいだろうか、久々に苛立った。
「...おい、あれお前の知り合いなんだろ?女神様とか言ってたし。何とかしてくれよ」
「...ああっ!女神!そう、そうよ、女神よ私は。それで?女神の私にこの状況をどうにかして欲しいわけね?しょがないわね!」
やっと檻から出たか。負のオーラもまき散らしてないし。
「....あんた誰?」
ええ...。
「何言ってるんですか女神様!僕です、御剣響夜ですよ!あなたに、魔剣グラムを頂いた!!」
「......?」
漫画の主人公みたいだな、こいつ。今これほど人型でないことを悔やんだことはない。もし人型であればコイツの股間に蹴りを入れたやったのに。
「ああっ!いたわね、そんな人も!ごめんね、すっかり忘れてたわ。だって結構な数の人送ったし、忘れてもしょうがないわよね!」
顔が引きつってるぞ、ええと乙るぎだったか?
「ええっと、お久ぶりですアクア様。あなたに選ばれた勇者として、日々頑張っていますよ。職業はソードマスター。レベルは37にまで上がりました。...ところでなぜここに?どうして檻に閉じ込められてたんですか?」
カズマ少年と私をちらちら見てくる。なんだ、そんなBC送りにされたいか、乙るぎ。
カズマ少年が説明しているな。理解できるか?
「....バカな。ありえないそんな事!君は一体何考えてるんですか!?女神様をこの世界に引き込んで!?しかも、今回のクエストではオリに閉じ込めて湖につけた!?」
「ちょちょ、ちょっと!?いや別に私としては結構楽しい毎日送ってるし、魔王を倒せば帰れるのよ?今回だって怖かったけど誰も怪我せず無事完了できたし、しかも今回の報酬全部くれるのよ!」
「アクア様、この男にどう丸め込まれたのか知りませんが、今のあなたの扱いは不当ですよ。ところで、今は何処に寝泊まりしているんです?」
「えっと、みんなといっしょに、馬小屋で寝泊まりしてるけど.....」
「は!?」
「おい、いい加減その手を放せ。お前はさっきから何なのだ。カズマとは初対面のようだが、礼儀知らずにもほどがあるだろう」
おいまて、めぐみんこんな街中で爆裂魔法を撃とうとするんじゃない!
「...クルセイダーにアークウィザード?それに綺麗で大きなモンスター、随分とパーティーメンバーに恵まれてるんだね?それなら尚更こんな優秀そうな人たちを馬小屋に寝泊まりさせて恥ずかしいと思わないのか?」
話だけなら優秀そうだが、中身は皆イロモノぞろいだ。
残念だったな、カズマ少年並みの指揮能力がなくては話にならない。
「君たち、今まで苦労したみたいだね。これからは僕と一緒に来るといい。パーティーの構成的にもバランスが取れていいじゃないか。完璧なパーティーになれるよ!」
うわぁ。気持ち悪いわぁ。まだハンターに捕獲される方が私はいい。いやそれも嫌だな。
みればアクアたちも引いている。
「ねぇカズマ。もうギルドにいこう?私が魔剣あげといてなんだけど、あの人には関わらない方がいい気がするわ」
「えーと。俺の仲間は満場一致であなたのパーティーには行きたくないみたいです。俺たちはクエストの完了報告があるからこれで」
「にがさなっぷげぇ!?」
おや、いきなり進路上に出るから思いっきり轢いてしまった。
私は悪くない。いきなり進路上に出てきた乙るぎくんが悪い。
「うぐぅ、しょ、勝負をしないか?僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ、僕が負けたら何でも言うことをひとつ聞こう」
「よし乗った!じゃあ行くぞ!」
「えっ!?ちょっ!待っ....!?」
「『スティール』ッッッ!」
「んなっ!?!コンナハズジャナイノニィ!」
ヒャッハー!お前の負けだ、乙るぎ!
「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者-っ!」
「あんた最低!最低よ、この卑怯者!正々堂々と勝負しなさいよ!」
「なにが正々堂々だ!高レベルの魔剣持ちが、低レベルの冒険者に勝負挑むんじゃねぇ!」
「とりあえずこの魔剣は貰ってきますね。いうこときくっつってたし」
「はん!その魔剣はキョウヤにしか使いこなせないわ!」
「そうなの?アクア」
「本当です。あの痛い人専用よ。カズマが使ったって普通の剣よ」
「まぁいいか。起きたら恨みっこ無しだって言っといてくれ、じゃあな」
「待ちなさいよ!こんな勝負私達は認めないわ!」
ほう、ならば私と勝負しようじゃないか。この世界の高レベル冒険者の仲間の強さを見てみたいからな。
ユクゾ、カカッテクルガイイ。
「ひっ....」
弱いな、ジャギィ三匹分か。
所詮は取り巻きよ。
「お、おう、行くか」
「そうですね」
面倒ごとがあちこちからくるな、全く。
ギルドが遠く感じる.....。
かつらぎ説得するときのアクア様マジ女神。マジヒロイン。