親密度MAXのアイドル達   作:カサG

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少し長くなりました。


プロデューサーが風邪を引く

 ピピピピピピ

 

「うぅ・・・・・・」

 

 カチャ

 

「朝か・・・・・・」

 

 やべぇ。なんか知らんけどすごい体がだるい。頭痛い。風邪かよ。

 

「熱は・・・・・・」

 

 38.9℃

 

「うっわ」

 

 やっば。これシャレになってないやつだ。電話、ちっひに電話しないと・・・・・・

 

 プルルル

 

『はいこちらアイドル事務所になります。担当の千川ちひろです』

「ちひろさん?」

『プロデューサーさん?どうかしたんですか?』

「お恥ずかしい話なんですが風邪を引いてしまいましてね・・・・・・」

『・・・・・・熱の方は?』

「38.9でした」

『それ大変じゃないですか!!直ぐそちらにアイドルを送り込みますね!!』

「ちょっとそれ俺がdeathするんで・・・・・・やめて、ごほっ、げほっ」

『冗談ですよ。絶対プロデューサーさんの家だけは守らないと』

「ええ、それだけは守ってください」

 

 そう、あれだけ距離が近いアイドル達だがまだこの家の敷居を跨がせたことはない。いやそんなことあってはならないのだが・・・・・・だからこの家だけは死守しなければならない。何があってもだ。

 

「お願いしますよちひろさん」

『分かってますよプロデューサーさん。絶対に守ります』

(じゃないと、私だけプロデューサーさんの家を知っているっていうアドバンテージが消えちゃう・・・・・・)

『午後からなら私もプロデューサーさんの家にお見舞いに行けますので』

「別にいいんですよ、風邪がうつると大変なので」

『どうせ自炊とかしないんでしょう?私が夕ご飯作ってあげますからね~♪』

「楽しそうですね」

『はい♪ではお大事に』

「ありがとうございます。では」

 

 ピッ

 

「はぁ~、風邪とかしばらくなってなかったからかしんどいな」

 

 ちひろさんが俺の家の場所は言わないとは思うけど、問題はまゆとか桃華とかだな。あそこら辺は言わなくても情報が手に入ってそうだから怖い。

 

「眠いし、寝るか・・・・・・」

 

 とりあえず熱早く下げないとな。皆心配してるだろうし。

 

~事務所~

 

「プロデューサーさんが風邪・・・・・・」

 

 ああぁぁぁぁ心配だなぁぁぁ!!プロデューサーさん自炊しないって言ってたし栄養とか大丈夫かなぁ。早く午後にならないかなぁ。そのままプロデューサーさんの家で・・・・・・きゃ~///

 

「はっ!しっかりしないと!」

 

 ガチャ

 

「おはようございます~」

「いきなりラスボスとか何考えてるの神は!!!」

「!?ちひろさんどうかしたんですか?」

「いえ、なんでもないわ。おはようまゆちゃん」

「おはようございます♪」

「何か機嫌がいいですね。何かあったんですか?」

「今日はプロデューサーさんの為にお弁当を作ってきてあげたんですよぉ♪」

「あっ、そうなの・・・・・・」

 

 こんな上機嫌なまゆちゃんに『今日はプロデューサーさん風邪でお休みですよ?』とか言ったら何が起こるか分からない。それに一番警戒しなきゃならない娘なのに開幕で来るなんてどんな神の悪戯ですか!!ど、どうにかしてごまかさないと・・・・・・

 

「プロデューサーさんはまだですかぁ?」

「そ、そうね。少し遅れてくるみたいですよ」ダラダラ

「めずらしいですねぇ?」

「そうですよね~」

 

 は、早く終わってこの時間!誰か入って来て!!それだけでいいから!!

 

 ガチャ

 

 きた!!勝った!!

 

「おはようございます」

「美優さんじゃないですかぁ。おはようございますぅ」

「まゆちゃんおはよう」

 

 あああぁぁぁぁなぜこうも神は私を裏切るのか!!これは悪魔の罠!?ゼウスの怒り!?サタンの門が開かれた!?!?よりによって過去にプロデューサーさんに色々刻み込んだ人がやって来た!!私千川ちひろ、もう耐えきれません!!

 

「お、おはよう美優さん」

「おはようございますちひろさん。どうかしたんですか?」

「それがプロデューサーさんが遅れてくるらしくて・・・・・・」

「そうなんですか・・・・・・」

 

 あ、ちょっと元気が無くなりましたね。プロデューサーさんって一体ここにいるアイドル達にどれだけの影響を与えているんでしょうね?見れば分かるんですけどね。

 

「でもそろそろ最初のレッスンとか始まりますよ?」

「え!?もうそんな時間なんですか!?」

「ちひろさん?」

「え、えっと・・・・・・」

「ちひろさん・・・・・・まゆ達に何か隠してませんかぁ?」

「へっ!?」

 

 これだから勘の良いアイドルは嫌いなんですよぉ!!この二人にどうやって隠せって言うんですかぁ!!きっと既にプロデューサーさんの家だって・・・・・・

 

「ちひろさん?」

「えっと・・・・・・ごめんなさい!!今日は本当はプロデューサーさん風邪でお休みなんです!!」

「・・・・・・なるほどぉ。そういうことだったんですかぁ」

「まゆちゃんがお弁当を作ってきて楽しそうにしてたから言いにくくて」

「構いませんよぉ。た・だ」

「ただ・・・・・・?」

「プロデューサーさんの家を教えてもらってもいいですかぁ?」

 

 あぁ・・・・・・プロデューサーさん。私終わりました。守れませんでした。ごめんなさいプロデューサーさん。せめて骨だけは拾ってあげますから・・・・・・

 

「いやでも教えるなってプロデューサーさんに言われてますので」

「どうしてもダメなんですかぁ?」

「ええ。流石に家に行くのはスキャンダルの可能性が増えるので」

「なるほど。では教えて頂けますか?」

「美優さん私の話聞いてましたか?」

「大丈夫ですよ。私が行かないとプロデューサーさんが一人で寂しいはずなので」

「それはまゆも思います。きっと今頃プロデューサーさんは孤独なんです。早くまゆが行ってあげないと」

「いえいえ、まゆちゃんはお仕事行って来て構いませんよ?私が行ってきますから」

「そんな、美優さんにそんなことさせられませんよぉ。まゆが行くので美優さんはレッスンしててください」

「いえいえ・・・・・・」

「いやいや・・・・・・」

「ふふふ・・・・・・」

「うふふ・・・・・・」

 

 誰かこの地獄のような場所を代わってくださる紳士な方はいらっしゃいませんか?今ならまゆちゃんと美優さんの修羅場を体験できますよ!!さぁさぁ!これは代わるしかないですよねぇ!?っていうか代わってくださいお願いします私ここにいたら精神が持ちません誰か助けて・・・・・・

 

「ちひろさんはどう思いますかぁ?」

「えっ」

「私とまゆちゃん、どっちがプロデューサーさんの家に行ったほうがいいと思いますか?」

「わ、私が決めるんですか!?」

「このままだと収拾がつかなくなりそうなので」

 

 そこで私に振るとかもう悪手だと思わないんですか?こうなったら・・・・・・!!

 

「まゆちゃんはお仕事!美優さんはレッスンへ行ってきてください!!プロデューサーさんの家には私が行きます!!」

「「抜け駆けはダメですよ?(いけませんよぉ♪)」」

「アッハイ」

 

 正に前門の虎後門の狼というやつですね!!逃げ場なし!いやでもよく考えたら。

 

「プロデューサーさんがレッスンやお仕事休んでまで家に来てほしいと思っていると思いますか?」

「どういうことですか?」

「プロデューサーさんがいない今こそ!!次に会った時に成長した自分を見せるべきだと私は思います。そうした方がプロデューサーさんも喜びますし、まゆちゃん達も成長できて一石二鳥だと思いますよ!!」

「た、確かに・・・・・・」

「言われてみればそうですねぇ」

 

 いける!このまま押せばいける!頑張れ私!

 

「ですからね?早くお仕事に行かないと間に合いませんよ」

「なんだか納得いきませんけど仕方ないですねぇ」

「今回は大人しく身を引きましょうか」

「な、納得して頂いて良かったです」

「では行ってきますねぇ」

「また後程」

「い、いってらっしゃい」

 

 バタン

 

 か、勝った。勝った!勝ちましたよ!!私勝ったんですよ!!あの二人に!これでお仕事の後のプロデューサーさんとの二人きりの看護タイムが保障されました///

 

「はぁ・・・・・・仕事始まったばかりなのに凄く疲れたんですけど」

 

 プロデューサーさんいないし、私が頑張らないと。よっし!今日も仕事頑張るぞ~!!

 

~P宅~

 

ピンポーン

 

「・・・・・・zzz」

 

 ピンポーン

 

「・・・んぅ?宅配便か?」

 

 あれ、俺なんか頼んでたっけ?

 

『そなたーそなたー』

「!?!?」

 

 ドンガラガッシャーン

 

「はっ・・・・・・え???」

 

 なんで、なんでよしのんいるの?ちひろさん何してるん?ばれるの早くない?

 

『そなたー私は中に入らないのでお話だけでも聞いてほしいのでしてー』

「ど、どうしたよしのん」

『その呼び方だと~焦ってるのがバレバレでして~』

「いやまぁそりゃね?すっごい焦ってるよ俺は」

『私は天啓によりこの場所が分かったのです~』

「そ、そうか」

 

 芳乃ってやっぱり人間じゃないよな?

 

『とりあえず本当にアイドル達をここから先に進ませない方が良いのでしてー』

「分かってる。ここは絶対守らないといけないのは俺が一番分かってる」

 

 真面目にまゆとかが入ってきたら何されるか分からないからな。うん、まゆ怖い。なんか他所の事務所だと何故か私物が無くなってたり、シャツとかが全部新品になってたりするらしい。それはまゆに限ったことではないけどな!

 

『私は~もう戻るのでして~』

「忠告サンキュ芳乃」

『冷静になられたようでなにより~では~』

「おう」

 

 タッタッタ

 

「げっほ、ごっほ!!」

 

 おぉ、芳乃が家に来たからびっくりしすぎて忘れてたけど俺風邪だったわ。腹減ったな・・・・・・何かあったかな?

 

 ガチャ

 

「冷蔵庫、何も無しか」

 

 ちひろさんが来るまで飯抜きか?流石にそれは辛いな。

 

「あっ、この前買ったカップ麺があったわ」

 

 こんなんちひろさんや響子に見られたら怒られそうだけど食わないよりは大分マシだな。

 

「水沸かし・カップにれて・三分間」

 

 ・・・・・・字余りだな。

 

「一応選んだのはうどんにしたけどな」ズルズル~

 

 ふぅ・・・・・・美味しかった、かもしれない。味がほとんど分からなかったんだよな。鼻詰まってるし。だからちひろさんが来ても果たして味が分かるかどうか。

 

「薬も飲んで、また寝るか」

 

 とりあえず薬飲んで寝ときゃ何とかなるよな。

 

「・・・・・・zzz」

 

~事務所・14時~

 

「・・・・・・」カタカタ

 

 よしっ。後少し、後少しでプロデューサーさんに会える!今のところアイドルの皆にもプロデューサーさんの家は知られてないし大丈夫ですよね!!初っ端からあの二人が来たときはもう終わったかと思いましたがどうにかなるものですね!

 

 ガチャ

 

「戻りました・・・・・・」

「ふぅ、疲れたわね」

「おなかすいた~ん」

「おかえりなさい、周子ちゃん、奏ちゃん、文香ちゃん」

「ちひろさん何かない~?」

「おせんべいぐらいならありますよ」

「頂き~♪」

「それ、芳乃ちゃんのじゃなかったかしら?」

「大丈夫大丈夫。後からまた買って来たらいいし~いざとなれば実家から送ってもらうし!」パリパリ

「あらそう」

「私も少し、小腹がすいたので頂きますね」ポリポリ

「奏ちゃんはいいんですか?」

「私は大丈夫よ」

 

 事務所が平和そのもの。これが日常というやつなんですね・・・・・・朝の修羅場が嘘のようです。

 

「それにしても今日のカメラマンさん変な人だったね~」

「そう、でしたね」

「なんか色々叫んでたわね」

「『かなふみ最高!!』とか『しゅーかないいぞぉ!!』とかね」

「なんなのかしらね。まぁ私達を表しているのは分かっているのだけれど」

「ネットで調べてみる?」

「私は、パソコンとかには弱いので・・・・・・」

「今度プロデューサーにでも教えてもらおうかしら」

 

 多分それは俗に言う『カップリング』とかいうあれでは・・・・・・ま、いいか。

 

「それにしても、プロデューサーさんが風邪を引かれるなんて・・・・・・」

「そうねぇ。珍しいこともあるものだわ」

「ね~。後でお見舞い行く~?」

 

 ・・・・・・!!

 

「でもあなたプロデューサーの家知らないでしょう?」

「今頃まゆちゃんとか目星付けてるんじゃないの?」

「自分で、探す気はないのですね・・・・・・」

「めんどくさい~ん」

「しゅーこ、あなたね・・・・・・」

 

 くっ、やっぱりまゆちゃんはもう家の場所分かってる可能性ありますよね・・・・・・

 

「で、でも!プロデューサーさんは大丈夫って言ってましたよ?」

「あら?ちひろさんどうしたのかしら?」

「急に入ってきたね~」

「何か、あるのでしょうか?」

「えっ」

 

 やばっ!会話に参加しちゃった!どうにかして誤魔化さないと!

 

「いや~、プロデューサーさんのお話をしていたのでつい」

「ちひろさんもプロデューサーのこと好きだよね~?」

「な、なんですか///」

「私達も負けられないわね」

「私は、穏便に行きたいのですが・・・・・・」

「文香ちゃんそんなこと言ってるとプロデューサー取られちゃうよ~?」

「いざとなったら、本気は出しますよ」

「あら、挑戦的な文香も珍しいわ」

「好意を寄せてる人とともに時間を過ごしたいと思うのは、自然なことですから・・・・・・」

「なんかロマンチックだね~」

 

 な、なんとか話は逸らせたかな?これで大丈夫かしら。

 

「で」

「で?」

「「「プロデューサー(さん)の家は知ってるんですか?」」」

「あっ・・・・・・」

 

~P宅~

 

「んん・・・・・・」

 

 ピンポーン

 

「んん?今度こそ宅急便か・・・・・・?」

『プロデューサーさぁん?まゆですよぉ♪』

「!?!?」

 

 ドンガラガッシャーン

 

 はっ・・・・・・そんなバカな。ちひろさんは、いや違うな。自らこの家の場所を調べた組がとうとう来たか。させんぞ、この家には入れさせんぞぉ!!・・・・・・風邪つらっ。

 

「ま、まゆ・・・・・・」

『まゆはプロデューサーさんの顔を見たいだけですので少しドアを開けるだけでいいですよぉ』

「あ、まじで」

 

 なんだ、それくらいならいいか。

 

「分かった少しだけだからな」

『はぁい♪』

 

 ギィ

 

「これでいい・・・・・・あれ?」

 

 今絶対まゆの声聞こえたよな?は?なんでまゆいないん?訳わからんのだが?今誰と会話してた?いやまゆだろ。何言ってんだ俺は。そうか、風邪のせいで少し幻聴が聞こえたんだな。やべぇ早く寝ないと・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「プロデューサーさぁん?まゆはここですよぉ?」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・は?」

 

 い、いいいいい今後ろから声が聞こえたんだけどどどどど。

 

「ま、まゆ?な、いや、どうやって入った・・・・・・?」

「何言ってるんですかぁ?プロデューサーさんがドアを開けてくれたじゃないですか?」

「いや、あれは人が通れるほど広くなかったぞ・・・・・・」

 

 な、なんだ。いつの間に入ったんだ・・・・・・やばい。やばいやばいやばいやばいやばい!!

 

「プロデューサーさん、風邪なら言ってくれれば良かったのに。なんで教えてくれなかったんですかぁ?」

「そ、それはな・・・・・・?こ、こうやって、家に入れないためだったんだが・・・・・・?」

「うふふ♪プロデューサーさん残念でしたねぇ?入ったのはまゆだけじゃないですよぉ?」

「・・・・・・なっ」

 

 俺はその時見た。後ろの部屋、リビングから担当アイドルがたくさん出てくるのを。

 

「や~志希ちゃんも来ちゃったよね~」

「きちんと薬を飲んで寝ないとダメですよ!」

「本当はキスで起こしたかったんだけど、私にうつったらプロデューサーが悲しむからやめてあげたのよ?」

 

 な、なんでだ・・・・・・どうやって入った・・・・・・まずどこから湧いた・・・・・・?俺が聞いたのはまゆの声だけだ・・・・・・なんであんなにアイドルがいるんだ・・・・・・

 

「プロデューサーちゃま?わざわざドアを開けてくださってありがとうございますわ♪これで皆さんで看病(意味深)が出来ますわね♪」

「わ、私はただプロデューサーさんが心配なだけで・・・・・・こ、これ!いちごパスタ作ってきたんで良ければ食べてください」

「プロデューサー、風邪の時こそお酒の力を借りるべきですよ?」

「楓ちゃん、流石にそれは分からないわ」

「はぁとが来たからには逃がさないぞ☆というか逃がすわけないし☆」

 

 うっ・・・・・・・・・

 

「にっ、逃げ!」

 

 ガチャガチャガチャ

 

 な、なんでカギがかかってるんだよ!!おかしいだろ・・・・・・!内側からなら普通開けれるだろぉ!!

 

「ごほっ、ごほごほっ」

「さぁプロデューサーさん、私達が看病してあげますからね?プロデューサーさんは何もしなくて良いんです。私達が勝手にしますから♪」

 

「「「「「プロデューサー(さん)・・・・・・」」」」」

 

「うっ、うわあああああああ!!」

 

 ガバッ

 

「うわああああああ!!」

 

 ハッ ハァ ハァ

 

「・・・・・・っ」

 

 ゆ、夢か・・・・・・夢落ちってやつか・・・・・・あ、あぶな。夢にしてはリアル過ぎだぞ。

 

「はっ・・・・・・はぁ・・・・・・」

 

 汗が凄いな。あれはまじでやばすぎるだろ・・・・・・シャレにならんぞ。俺の貞操とかいろいろとやばいやつだぞあれ・・・・・・

 

「と、トラウマまでは行かなかったがあれは、ホラーだったな・・・・・・」

 

ピンポーン

 

「ヒィッ」

 

 だ、誰だ。誰が来た?まゆか?桃華か?それともちひろさんか?

 

『プロデューサーさ~ん?起きているんですか~?あなたの愛するちひろですよ~』

 

 あぁ!!ちひろさん好き!!

 

「ちひろさんですか。入って来ていいですよ」

『では失礼しますね』

 

 ガチャ バタン

 

「ちひろさん!」

「はい?なんでしょうか?」

「俺ちひろさんのこと好きです!!」

「えっ」

「あっ」

「な、何言ってるんですか・・・・・・もう///」

「い、いえっ!!」

 

 危ない。ホラーな夢見たからって甘えるのは危ない、ような気がする・・・・・・

 

「それになんで起きてるんですか?病人は安静にしてないとダメですよ!」

「そうなんですけど、少しね・・・・・・」

「?何かあったんですか?ま、まさか!アイドル達に見つかったとか!?」

「当たらずとも遠からずですね」

「??どういうことですか?」

「後で説明するんで、とりあえず入ってください」

「あ、はい」

(実は男の人の部屋に入るのは初めてだけど大丈夫かな・・・・・・)

「とりあえずまぁ、夢を見たんですけどね?」

 

~説明中~

 

「うっ・・・・・・」

「ちょっとちひろさん大丈夫ですか?」

「ホラーですねそれは」

「夢で良かったですけどね」

「ですね」

「そういえば普通にしゃべってましたけど風邪の方は大丈夫なんですか?」

「先ほど見た夢のせいで治まりました」

「な、なるほど」

「それでプロデューサーさんの家に行って最初に聞きたかったことがあるんですけど」

「なんですか?」

「お昼、ちゃんと食べましたか?」

「食べましたよ」

「嘘ですね」

「えぇ!?」

 

 うっそ否定する速度早くない?酷くない?

 

「正直に言えばまだ無事で済みますよ?」

「何する気なんですか!?」

「それは嘘ですけど、教えてください」

「えっと・・・・・・」

 

 さて正直に言うべきかそれとも多少誤魔化すか・・・・・・

 

「まさかとは思いますが、カップ麺なんてものじゃありませんよね?」

「そ、それは」

「どうなんですか?」

「う、うどんを」

「うどん?」

「うどんを食べました」

「作ったんですか?」

「え、えぇ」

 

 う、嘘はついてないよな。お湯入れただけだけど。

 

「聞きますがそれは普通のうどんですよね?」

「それはどういう?」

「先ほどからごみ箱に見えてるあの『カップ麺』のうどんではないですよね?」

「はい、すいませんそのうどんです」

「まったくもぅ・・・・・・」

 

 証拠隠滅を失敗したでござる。

 

「じゃあ今から卵がゆ作りますから大人しくしててくださいね」

「ありがとうございます」

「台所借りますね」

「どうぞどうぞ」

 

 ~♪ ~♪

 

「・・・・・・」

 

 台所でちひろさんが鼻歌歌いながらエプロンしながら調理してる・・・・・・可愛い。エプロン姿の女性って凄く母性に溢れているように見えるのは俺だけか?というか普通にちひろさんエプロン姿似合ってる。

 

「あともうちょっとですからね~待っててくださいね~♪」

「は~い」

 

 なんか夫婦みたいって言ったらちひろさんに怒られるかな?

 

(なんか夫婦みたいですねって言ったらプロデューサーさんどんな反応してくれますかね?)

「できましたよ~」

「流石ちひろさん」

「これくらいならできますよ。私だって独り身なんですから」

「早く良い人見つかるといいですねぇ」

「ぶっ飛ばしますよ?」

「すいませんでした」

「プロデューサーさん今のは分かってて言いましたよね?」

「本当にすいませんでした」

(嘘でもそういうことを言われると傷つくんですよ?)

「じゃあ頂きますね」

「はいどうぞ、あ~ん」

「ちょっと待ってください」

「はい?」

 

 この人ナチュラルに何やろうとしてるの?

 

「ダメですか?」

「いや、ダメではないですけど。少し恥ずかしいんですけど」

「ダメ、ですか?」ウルウル

 

 はいちひろさんの上目遣い頂きました~!可愛いなこんちくしょう!

 

「分かりましたよ」

「やった♪」

 

 可愛い。

 

「では、あ~ん♪」

「あ、あ~ん」

 

 モグモグ

 

「お味はどうですか?」

「普通に美味しいです」

「そこは素直に『美味しい』だけでいいんですよ」

「美味しいです」

 

 人の手作りっていいよな~カップ麺とかと違ってなんか温かみがあるというかなんというか。とりあえずお見舞いに来てくれたちっひには感謝感激。

 

 

「ご馳走様でした」

「お粗末様でした」

「では私は片づけをして帰りますね」

「・・・・・・はい」

「どうかしましたか?」

「いえ!なんでもないですよ!!」

 

 一瞬なんか寂しいなぁとか思っちゃったんだけどこれ風邪のせいだよなぁ!?

 

「もしかして、寂しいんですか?」

「そそそそ、そんなわけないでしょう!?」

「動揺しすぎだと思いますが・・・・・・」

「それにもうちひろさんには迷惑はかけられませんので」

「風邪で気が弱ってる感じですか?」

「うぅ・・・・・・そうですね。久しぶりに病気になったからか気が弱ってます」

「プロデューサーさんがそういうこと言うのって珍しいですよね」

「独り身ってこういう時に辛いんですよね。なんか情けなくてすいません」

「そんなことないですよ!私も気持ち分かりますから!」

「ありがとうございます。でも大丈夫ですからさっきのことは忘れてください」

 

 ダメだな・・・・・・完全に弱ってる。くそう、なんか恥ずかしいな。こんなんアイドルの前で見せられたもんじゃないな。

 

「・・・・・・分かりました。プロデューサーさんが寝着くまで隣にいてあげます」

「いやでも」

「いいんです!そんなこと言われたら帰るに帰れないじゃないですか!!」

(プロデューサーさんがこんなに弱ってるとは思ってなかった。それになんか今日のプロデューサーさん可愛い)

「ありがとう、ございます」

 

 はぁ、結局ちひろさんに甘えてしまった。相変わらず意志弱いな俺。

 

「じゃあおしぼりとか用意してきますね」

「お願いします。先に部屋に行っておきますね」

「了解です」

 

 早く寝よう、そして早く元気になろう。明日にはちひろさんに元気な姿見せられるようにならないとな。

 

ゴソゴソ

 

「ふぅ・・・・・・」

「用意してきましたよ~」

「ありがとうございます」

「さっきからお礼ばっかりですね」

「ちひろさんには感謝してもしきれないので、いつもお世話になってます」

「なんですか急に。ほら、早く寝ちゃってください」

「ええ、お休みなさい」

「お休みなさい」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・zzz」

「はぁ・・・・・・」

(プロデューサーさん、寂しそうでしたね。どうして私を選んでくれないんでしょうか?私分かりませんよプロデューサーさん。それでも私はアイドルの娘達には負けませんよ!だから今日はこれで許してあげます♪)

 

 チュッ

 

「それでは、お休みなさいプロデューサーさん♪」

 

 

~翌日・事務所~

 

「やる気マックス!元気満タン!!完全復活!!」

「プロデューサーさんおはようございます」

「ちひろさん!おはようございます!!」

「元気になって良かったです」

「昨日はありがとうございました」

「あんまりアイドルの前で言わないでくださいよ?私がやられちゃうんですから」

「そういえばよくアイドルの娘達に俺の家の場所聞かれませんでしたね?」

「あっ、いえ。大丈夫でしたよ」

「?そうですか。ならいいんです」

「じゃあ今日も頑張っていきましょう」

「もちろんです!!頑張るぞぉ!!」

(文香ちゃん達には悪いことしちゃったけど仕方ないよね。後で謝っておこうっと)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




デレステのイベントやらFGOのイベントで追われてます。それでも頑張って投稿していきたいと思います。

ルートアイドル書くときどのような感じがいいか

  • そのアイドルとのイチャラブ
  • 完全修羅場
  • 寝取られ(別アイドルに)

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