GATE 全十二宇宙連合彼の地にて斯く戦えり   作:マスター亜細亜

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第三話 特地対策会議

「これより第一回異世界対策会議を始めたいと思います」

 

 門事件が発生した翌日、カプセルコーポレーションの会議室の一室を借りて大神官、十二宇宙の破壊神、大界王神、界王神、時の界王神、天使達による特地問題に関する会議が行われることとなった。なお、対策会議を円滑かつ円満に行うために、先日の西の都襲撃事件解決のお礼の意味を込めてブルマからお菓子が提供された。また、前回のパーティーに参加していなかった(忘れられていた)時の界王神クロノワは、美味しい食べ物を食べ損ねたことに立腹し、他の参加者よりも出されるお菓子の増量を要求していた。なお、食べ損ねた執念からくる剣幕と老界王神に次ぐ年齢の貫禄から他を黙らせた。

 

「特地に対しては三つの選択肢があります。一つは、破壊、二つ目に静観、三つ目に放置の三つです」

 

対策会議の議長役を務める大神官が示した三つの選択肢の内、特地の神もしくは、特地ごと破壊する案にシャンパ、キテラ、シドラ、ラムーシ等破壊神の多くが賛同する。

 

一方、創造の神である界王神のほとんどは、門を開いた当事者と襲撃を行った帝国への処罰だけにすべきと主張した。また、襲撃された第七宇宙の界王神シンも同意見であった。

 

「特地ごと破壊するのは簡単ですが、ここは、一旦特地側について調査するべきでは」

 

 シンは大神官の二つ目の意見の静観及び調査を神々一同に提案する。事前に破壊神ビルスやウイス、老界王神らとともに協議し、第七宇宙は静観及び調査で一致していた。

 

「シン貴様は甘いぞ。全王様が楽しんでおられる前であのような蛮行をしたのだ破壊されて当然だ」

 

多くの界王神が穏健的な意見を出す中で、第九宇宙の界王神ロウは破壊神以上に強硬論を唱える。

 

「ロウ様、さすがにやりすぎでは」

 

 シンはロウの意見に対して慎重論を唱える。

 

「それに、モヒイト殿が調べた結果によるとあの特地の神はここ何千年の間他の宇宙や次元に干渉や介入を何度も行っている。我ら十二宇宙に属さない野良の宇宙のしかも星の神以下の格の神がやっていい訳がない。」

 

 本来、宇宙同士無制限の繋がりは、宇宙のバランスを損ねる可能性があるため禁止されている。

 

「じゃが、特地とやら住む連中全てが悪というわけではあるまい」

 

 ゴワスは同じ考えのシンを援護する。

 

「ロウ様のおっしゃることも理解できますが、破壊の力だけで全て解決するのはいかがなものかと」

 

 界王神の中でも最も正義感が強い第十一宇宙のカイもゴワスに続いてシンを援護する。

 

「だが、この間のザマスの件もある、早急に破壊したほうが安全だろう」

 

 ロウは三人の穏健策の意見に対して反論する。

 

「それは……」

 

 ゴワスは押し黙る。現代ザマスのゴワスに対する暗殺未遂事件と並行世界で起きたザマスによる神殺しと人間抹殺計画は第七、第十宇宙以外の神々にも既に大神官や天使達に知れ渡っていた。

 ゴワスにとってザマスの件でのことを痛いところをつかれた。ザマスの膨れ上がった邪心を見抜けず、次期界王神としての指導にしたゴワスにとって、それを理由に強硬論を展開されると反論は難しかった。

 その後、数十分穏健派と強硬派の意見が相互に出ていくが議論はなかなか進まなかった。

 

「皆の者、この間の力の大会がなぜ行われたのかもう忘れてしまったのか。人間レベルの低下じゃ」

 

 結論が界王神と破壊神達の間でなかなか決まらない中それまで会議では発言せず、会議進行を静観していた老界王神が口を開いた。

 

「ここは、特地の神と称する連中や襲撃を行った帝国人、もう一つの門が繋がった世界の人間をしばらく観察して今後の十二の宇宙の創造と管理、破壊、そして、人間レベルの向上に役立てるのはどうじゃな」

 

「だが、その間に特地側からの反撃の恐れはないか」

 

 ロウは老界王神に対して言った。

 

「それは大丈夫じゃろ、ウイスさんの調べでは、力の大会に出た選手たちのような強い気を持った者は感知しなかったそうじゃ。ザマスが我々神々に謀反に成功したのはスーパードラゴンボールの力のおかげじゃ。こちらのスーパードラゴンボールはすでに大神官様の厳重な管理下じゃし、それに向こうの世界にはドラゴンボールは存在しないとウイスさんの調べで分かっている。それほど脅威があるとは思えぬ」

 

「そこまで調べつくしておるのなら、第七宇宙の好きにするがいい」

 

 ロウは渋々ながら老界王神の意見に折れた。

 

「おじいちゃんのいうとおりね」

 

 続いて時の界王神が老界王神の意見に賛意を示した。

 

「おじいちゃん……お主、わしと1000歳くらいしかかわらんじゃろ、ロリバ……」

 

 おじいちゃん発言にショックを受けた老界王神は時の界王神に言ってはならない一言を言おうとするが、

 

「ロリなんだってえええ」

 

 時の界王神から発する物凄い怒気に老界王神は思わず言い終える前に押し黙ってしまった。その怒気にさすがの界王神だけでなく、破壊神達(へレスは除く)もさすがにビビっていた。

 

強硬派界王神ロウが穏健派に歩み寄ったため、界王神側の意見は静観、特地で調査で一致することとなった。破壊神側でも一部まだ強硬意見を唱える者もいたが、ビルスの次の発言で収まった。

 

「調査には僕も付いていくよ。それで、何かあれば特地ごと全て破壊する」

 

 ゲート襲撃当事者である第七宇宙の界王神と破壊神の意見が一致している以上、他の宇宙の神々はそれ以上の言及は控えた。また、破壊神の中でもトップクラスの実力のビルスが調査についていくことへの安心感や現代ザマスをいち早く破壊したことへの実績なども影響していた。

 

 大神官は十二宇宙の神々の意見がまとまったと判断し、発言する。

 

「それでは、特地に関する方針としては、当分の間第七宇宙主導による並行世界の特地への介入とします。他の十一の宇宙の皆さんもぜひ第七宇宙の皆さんを手伝ってあげてください」

 

「大神官様、もう一つの並行世界の地球に関してはいかがされますか。すでに孫悟空達の介入によって向こうはこちらのことを特地以外の存在と認識していますが」

 

 ゴワスが大神官に対して言った。

 

「そうですね……もう一つの地球に関しても第七宇宙の方々にお任せしましょう。介入するのよし、無視するのもよし……破壊するのよし」

 

 大神官は平然と答えた。

 

「すでにもう一つの宇宙への小さな介入は始まってますよ」

 

 会議中一切会話に参加しなかったウイスが口を開き言った。続いて、自分の杖でカプセルコーポレーション内の一室の個室が映し出された。そこには完全に回復しベッドで眠っている栗林の姿があった。

 

「あのお嬢さんは」

 

 大神官はすでに悟空と栗林の出会いを知っていたが、改めてウイスに対して尋ねた。

 

「悟空さんがもう一つの地球で助けた女性です」

 

「なぜ、あの女性だけをこちらの地球へ、ウイスさんの治療術を施し向こうの安全な場所に避難させれば十分だったのでは」

 

 大神官はウイスに悟空が栗林を助けた理由を問う。

 

「簡単なことです、悟空さんがワクワクしたからです」

 

 ウイスは言った。

 

「ワクワクか、あいつらしいな」

 

「悟空さんらしい理由です」

 

「ワシの好みボンッキュッボンな好みのタイプじゃな」

 

 ウイスの言葉に関係の長い第七宇宙の神三人が納得する。一人だけスケベな異なった感想を言っているが。

 

 続いて、ウイスは銀座での栗林の戦闘を会議室内に映写した。

 

「ほう、なかなか美しい華麗な戦いぶりじゃ、気に入ったぞ」

 

 美しさや愛を重視するへレスが栗林の戦いぶりを評価する。

 

「磨けばかなり戦士に成長するだろう」

 

 へレスと同じ第二宇宙の武闘派の界王神ペルは言った。

 

「なるほど、そうですか、あの孫悟空さんやお仲間の人たちが修行をつければあの栗林さんも素晴らしい武道家になれるでしょう。楽しみですねぇ」

 

 全十二宇宙の神々の会議が順調に決まった一方で、特地の帝国による襲撃を受けたもう一つの地球の日本政府では同様に政府首脳部による会議が行われていた。

 

 

 

 

 

 

日本サイド

 

 銀座事件終結後、総理を辞職した北条に代わって内閣総理大臣に就任した本位は、就任と同時に銀座の復旧計画、犠牲者や遺族への支援、門の向こうからの再侵略への備え等の問題に頭を抱えながら寝る間を惜しんで対策に追われていた。なお、この非常時に野党は一部与党寄り野党を除き、今回の侵攻を防げなかった政府及び与党を批判していた。しかし、政府と与党議員及び大半の国民からは突然異世界からやってくる相手に対応できるわけないだろと呆れられていた。

 

「特地の件は自衛隊の動員の準備が整い次第、本格的に進出するとして問題は自衛隊が鎮圧する前に現れた謎の集団です」

 

 閣僚たちの元に悟空達に関するレポート、写真、一般人等が撮影した戦闘映像等の資料が配布、配信された。

 

「わずか、二十五人であの十万近い相手に十分足らずで全滅させるとは」

 

 閣僚は一人は資料を見ながら唸る。当時地元の選挙区に帰省していた彼は銀座事件から難を逃れていた。

 

「彼らのおかげで犠牲者の数が三万人減少できたとの有識者による試算もあります」

 

 動画サイトや大手SNSに投稿された戦闘映像を見て思わず誰もが納得する。グレイ顔の大柄の戦士が拳圧だけで数百人の兵士や馬を吹き飛ばす映像やハートマークの形の光弾を放つ三人組の美少女(変身前)等衝撃的な映像が全世界に配信され、一部の動画では億単位の再生数を記録していた。

 

「おかげで、自衛隊は一部から役立たずなどとレッテル張りをする左派系団体を中心に行われています」

 

 悟空達の活躍により、侵略者討伐の活躍の場を失った自衛隊は一部の左派系団体から税金の無駄などと批判されたが、被災した都民からは救助、復旧活動等で感謝されていた。

 

「まあ、伊丹三等陸尉のおかげでなんとか自衛隊の評判を下げずに済みました」

 

 武器を持たず、自らの命よりも他者の命を優先し都民の避難誘導に貢献した伊丹耀司の活躍はスキャンダルやスクープが大好きなマスコミにとって格好の獲物であった。一躍国民のヒーローとなった伊丹耀司のおかげで自衛隊批判が雑誌や新聞の裏面に追いやられたのは政府や自衛隊にとってプラスの現象であった。

 

「本人は同人誌即売会を中止させないために行動したらしい」

 

 嘉納は面白げに言った。

 

「動機がどこかの年金暮らしが理想の宇宙艦隊の提督と同レベルだな」

 

 嘉納と親しい本位総理は彼の影響でサブカルチャー(アニメや漫画、同人)に関して一般人以上の知識を持っていた。

 

「その伊丹三等陸尉の報告によるとその集団の内の一人、山吹色の服を着た青年と会話をしたそうです。相手は日本語を話し自分のことを孫悟空と名乗ったのこと」

 

 防衛省の役人は言った。

 

「西遊記の孫悟空か」

 

 閣僚の一人が言った。即座に防衛省の役人は伊丹の証言をもとに否定した。

 

「伊丹三等陸尉によると本人が西遊記のことを知らないとの」

 

「謎が深まるばかりだ」

 

 閣僚の誰もが考え込む。

 

「まるで、最近我が国でもやっていたハリウッド映画にそっくりですな」

 

サブカルチャーに詳しい嘉納は言った。嘉納の発言に視聴済みの何人かの閣僚が頷く。中には、気分転換に映画の感想をいったりする者もいた。

 

「それにあれ以来、謎のヒーロー集団はどこにも現れておりません」

 

「銀座事件での最終目撃情報によると、最後全員が空中で集結し、光と共に消え去ったとのこと」

 

「特地側の捕虜にも尋問したが、知らないとの一点張りです」

 

 悟空達についての議論が停滞し結論が中々でないなか、会議室に防衛省の官僚が報告書を携え入室した。

 

「総理、ゲートの向こうの世界に偵察に行った部隊からの報告です。異世界に繋がった先に広がる土地のすぐそばにもう一つの門を発見したとのことです」

 

 銀座事件終結後、侵略者たちの存在を調査するために門の向こうに自衛隊の特殊部隊が偵察として派遣されていた。通常の報告なら閣議中に緊急報告することはないが、今回は違っていた。

 

「特地の連中はもう一つの世界に侵攻したのか」

 

 嘉納は言った。

 

「そこまではまだ確認できておりませんが、その可能性が高いかと」

 

「現地での調査では自衛隊に接触は慎重にと通達してくれ」

 

 本位は防衛省の官僚らに指示を出し、一人の官僚が総理の指示を連絡しに部屋を退出した。

 

「中世の騎士の大軍やドラゴンだけでなく、スー〇ーマンやアイ〇ンマンみたいな戦闘力を持った連中まで敵に回す訳にはいかん」

 

 嘉納は深刻な表情で言った。サブカルチャーや軍事に詳しい彼は銀座の軍勢をたった数分で全滅させたヒーロー集団の実力を閣議に出席している者の中で一番理解していた。例え、銀座の軍勢が自衛隊と置き換えとしてもとてもかなわないことを。

 

 

 




当作品オリジナル設定

時の界王神
私の作品内では時の界王神は存在しています。ドミグラに関しては破壊神によって完全消滅させられているので登場する予定はありません。

フロストとフリーザ

フロストは第六宇宙復活とともにフロストも復活。フリーザの大会での不意打ちに対しての報復はゴールデン化を成し遂げるまで修行を終えるまで保留としている。なお、破壊は免れたがシャンパによる監視が当分行われる予定。

フリーザは大会の活躍や裏切りがなかったためドラゴンボールによって生き返った。当作品内では原作、アニメ版よりも性格が綺麗(?)なフリーザのため、宇宙の支配や神々への下剋上よりもベジータ同様に神の御技の領域に達した悟空を倒し超える事を最優先の目標としている。なお、悪い事をしないようビルスやウイスに常に監視されている。また、特地へもなんだかんだで悟空やベジータとともについていく予定
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