Fate/Grand Order side blood   作:シアンコイン

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どうも、シアンコインです。

ガバガバ設定、見切り発車が多いシアンコインです。

気分転換にブラボに触れて啓蒙が備蓄されたので書いてしまった……。




File00「彼」

ただ少しだけ変な奴だっただけだ。

高校からの付き合いで大学も同じ、まるでお互いに依存するように孤立しながらも固まる自分たちのグループの一人だった。

 

皆で馬鹿騒ぎをする時、自らはその輪に入る事はなく隅で大人しく微笑み飲み物を口にするだけのその同級生。物静かで何をするにも誰よりも一歩身を置いていたソイツ。

 

ふとしたきっかけで自分からソイツと話しかけてしまった事から俺の行く末は決まっていたのだろうか。

話をしてみれば悪い奴ではない、何かと話の種になった事には反応を示してくれて愛想も良い方だった。

 

意気投合するとまではいかなかったけれど関わり始めてからは段々とソイツと話をする回数が増えていき。その内には二人で遊ぶこともあった。

 

そしてソイツとまた二人で遊びにソレは起こった。

 

 

 

「私ね、血が好きなんだ。真っ赤で、温かくて、綺麗で、だからね―――――――死んで?」

 

 

 

突然だった、視線の先で微笑んでいたアイツが唐突に懐のに飛び込んできて何をするにも遅く、鋭い異物が自分の腹に入り込んでいた。

一瞬の衝撃を後に残ったのは痛みではなく、痺れ。目の前が段々と白く発光するみたいにボヤけていき身体は力なくその場に崩れ落ちていく。

 

僅かに残った意識と力でソイツを見上げた。

 

 

 

「大好きな君の血ならきっと綺麗なんだろうなって、想像通りだったよ。ありがとう、大好きだよ―――――君。」

 

 

 

もう何者も捉えていない、狂気に染まったその瞳を見つめながら自分の意識は遠のいていく。

まるで血に飢えた狼の如く自分の血を浴びて愛おしそうに血に染まった手に舌を這わせるその光景はまさしく

 

 

 

 

 

 

 

 

                   『獣だった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いいかい、マシュのその盾を使って魔法陣を成型し魔力を流し込み立花君に呼応した使い魔を呼び出す。戦力が心もとない今出来る最善の行動だ。出来るね?』

 

「はい。頑張ります。」

 

「私もサポートします、先輩お願いします。」

 

漆黒の空の下、炎上し続ける街並みの瓦礫、その場に転がるは朽ち果てた人だった物。

その街並みから離れた教会の片隅で三人の少女と青く投影されたモニターに映る男性が何やらを言葉を紡いでいた。

 

緊張した面持ちで画面越しに立花と呼ばれた少女に語り掛けた男性、その傍らで心配そうに彼女を見やる少女とその後ろで何や物思いに耽っている白髪の女性達。

彼女らは突如としてこの場所に飛び込んでしまい、現状は街に蔓延る非日常的な化け物から身を護るために新たなる戦力を呼び出そうとしている最中だった。

 

「……始めます!!」

 

立花は床に置かれた自らの身の丈ほどある十字型の盾を前に、赤い文様が輝くその左手を前に掲げ瞳を閉じる。彼女は一般人より少し特異な人間であり現状において最後の魔術師候補である。

やがて彼女の身体が仄かに光を帯び、盾を中心に光の輪が浮かび上がっていく。

 

その身に宿る魔力を糧に今、彼女は人類史に置いて英雄と呼ばれる存在を呼び出そうとしていた。

重なる三つの光の輪が広がりやがて一つに収束する、弾けるように光が爆ぜたその瞬間にその場に居た誰もが瞳を閉じてしまった。

 

「成……功…?」

 

数秒の後に立花を最初に各々が瞳を開けると眩い光の中から現れる一つの人影を見つける。

その風貌はイタリア、あるいはイギリスの近世を彷彿とさせ黒を基調とされたその服装、何より特徴的なその帽子は鍔がクラウンにピッタリと反り立つ様に曲げられ、口元は黒いコートにより隠され覗かせる瞳は赤く輝いていた。

 

「…………………。」

 

「……………。」

 

一時、現れたその男と立花は互いに目を奪われるように見つめ合い、やがて男は何かを確認するかのように辺りを見渡していた。

何を言うべきか、そう考えた召喚者である立花は言葉を探し口に出そうとして思わず口を閉じてしまった。

 

気づいたのだ、呼び出したその男がその手に持つ物を。

左手には薄汚れた古い銃を携え、その片手には夥しい赤い赤い血に濡れた刃物を手にしている事に。

 

声を上げず驚く素振りを見せなかった彼女は賢明だっただろう。傍らで心配そうにこちらを見ている女性二人に心配させずに居られたのだから。

 

「………サーヴァント、バーサーカー……。悪夢を………終わらせよう。」

 

ゴクリと生唾を呑み込んだ彼女が今度こそと声を上げようとした瞬間に目の前の男が低くそして透き通る声で言葉を発する。

思わず目を見開いた立花をよそにバーサーカーと名乗ったサーヴァントは、短銃を仕舞うと徐にその手で彼女の頭をなではじめる。

 

「……次は(・・)………一緒だ…。」

 

まるで自らを戒める様にそう呟いたバーサーカーの瞳は何処か優し気で、そして悲し気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――という具合でして、現状戦力が心もとない状況でして貴方を呼び出しました。差支えなければ御身の真名そして出身を教えていただけないでしょうか?』

 

「………英霊…自分はそんな上等な存在じゃない……ただの狩人…。……最後の狩人(ラスト・ハンター)…だ。マスターもそう呼んでくれ。」

 

「えっ、あっ、ハイ!!」

 

バーサーカーを召喚した後、一行は自己紹介兼、意思の疎通が可能という事で彼女らが所属する『カルデア』という組織のロマニ・アーキマンとの情報交換をしていた。

教会の椅子に腰かけたバーサーカー、その隣に座るマスター藤丸立花、そしてデミサーヴァントと呼ばれる特異の存在マシュ・キリエライト。

 

その対面に座るのはオルガマリー所長、カルデアで起こった事故に巻き込まれてこの場に来てしまったカルデアの所長である。

彼女は何やら不満げに眉を顰め、目の前のバーサーカーを睨みつけていた。

 

「立花!! 貴方は仮にもマスターでしょう、もっとシャキッとしなさい!! これから他のサーヴァントと戦う事になるのだからそんなんじゃ死んでしまうわ!!」

 

「はっハイ!!」

 

「それとバーサーカー、貴方が何処の英霊かは問わないけれど力を貸してくれるのかしら?」

 

「…………あぁ、もう……知り合いが死ぬのは……勘弁だ…。」

 

先程の凛とした雰囲気の彼女は何処へ行ったのか、バーサーカーの隣でオドオドとしていた立花にオルガマリーが喝を入れ。バーサーカーに確認をとる。

勿論と頷いた彼に満足したのか彼女は笑みを浮かべると隣のモニターへと視線を向けた。

 

『イギリス……狩人……。情報が足りないけれどそれはいずれ聞かせて下さい、では次に―――――』

 

「――――獣だ。」

 

ロマニが場を仕切り現状の再確認をしようと言葉を紡ごうとした瞬間だった。

徐に椅子から立ち上ったバーサーカーは腰に下げた短銃を掴み取り右手には血に濡れた剣を掲げる。

 

周りが何事かとバーサーカーの視線の先を見つめた、その先に居たのはフードを被る人影、そのてに携えるは長い鎌だった。

 

「マシュ……だったか…。マスターと所長を………。」

 

「は、はい、了解です!!」

 

慌てて盾を構えたマシュに彼女らを任せバーサーカーが一歩前へ歩み出る。

 

「血の臭いに誘われて来てみれば、新鮮なマスターとサーヴァント。ふふふふ、楽しみが増えましたね。」

 

「…………。」

 

「頑張って、バーサーカー!!」

 

「………………。」

 

背後から絞り出すように声援を送るマスター、その言葉にバーサーカーは左腕を横に伸ばし握り拳を掲げて答える。

バーサーカーにとってマスターは命とも言えて、同時に今度こそ必ず守り抜く対象と成り得ていた。

 

「狂戦士、まずは貴方の血からいただきましょうか!!」

 

棒立ちでその場で待ち構える様に立ち続けるバーサーカーに対し、相手のサーヴァント、棒状の武器からしてランサーのサーヴァントは武器を構えその場から姿を消す。

 

「ハァッ!!」

 

「ッ……。」

 

言葉の通り刹那、消えたと思えばバーサーカーの目前に姿を現し槍を振り上げたランサーを前に彼は狼狽える事無くその場を飛びのき攻撃を避けてしまう。

驚いた素振りは全く見せずに飛びのいたその瞬間ステップを踏むように剣で相手に切り込む。

 

一閃、振り抜いたその一撃は槍の柄で受け止められ弾き飛ばされる。

 

「甘い!!」

 

好機と剣を弾いたその瞬間に片手で槍を取り回し穂先でバーサーカーを狙うランサー。

 

「バーサーカー!!」

 

思わず声を上げて彼の名を叫ぶマスターの耳に届いたのは内臓をぶちまけたような水音ではなく、小さな金属音だった。

 

―――――パンッ

 

乾いた音がその場に響き、ランサーは体制を崩してしまう。

隙とはつまり、相手にも隙であるという事、弾かれた右腕ではなく左腕の短銃からは硝煙が上がり怯んだランサーの腹部には赤い穴が開いている。

 

間髪入れずに短銃をその場に落としたバーサーカーはその左腕で、穴を起点に引き裂くようにランサーの腹部に腕をねじ込み強引に引き抜いた。

赤い鮮血を全身に浴び、巻き散る臓物を捨てる様に投げ捨てたバーサーカーは合間を置かずに剣を鞘だと思われる背中に背負った鉄の鞘に差し込むとランサーの頭部を叩き潰すように大剣と成り替わったそれを叩き付けた。

 

――――ガキィィィィン!!

 

アスファルトの地面を粉砕し、夥しい鮮血を散らしまるでザクロの如く花を咲かせ光に変わっていくランサーを見やりバーサーカーは静かに左腕を胸元に持っていきお辞儀をしていた。

 

 

 





仕事の合間を縫って考えてしまったこの話。

ぶっちゃけ狩人に防御力なんて飾りみたいなものだしfgo基準で打たれ弱くても良い気がするんだ(安直)

因みに作者の心はガラス、後は言わなくても分かるな…?




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