完璧幼馴染と冴えない俺と。   作:白藜

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かけがえの無いもの

え、あ、もう始まってんの?

 

えーと、皆さんこんにちは。青葉蒼空、高校一年生です。さて、脈絡が無い気もしますが、皆さんにいくつか質問します。

 

question1

今俺は何処にいるでしょうか。

 

question2

今俺は何をしている、もしくはされているでしょうか。

 

question3

この後俺はどうなるでしょうか。

 

 

1,俺は今幼馴染の部屋にいます。

 

2,起こそうとして手を伸ばしたら捕まれて布団の中に入れられました。寝ぼけてるらしく、抱き枕にされています。

 

3,起きた幼馴染に恐らくビンタされます。

 

 

はい、憂鬱です。どうせ殴られるなら俺も寝てよう。

おやすみ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふわり、と鼻先をくすぐる甘い香りで目が覚めた。ホントに寝ていたらしいが、それこそ時間はたっていない。体を起こそうとゆっくりと手を動かそうとするが、重くない、確かな重量が乗り掛かっていた。

どうにか動こうと手を動かす。

「んぅ…」

 

柔らかく甘い吐息が零れ、首筋をくすぐる。

妙なこそばゆさを感じながら、空いている方の手で肩を揺する。もちろん、この後の事は理解している。軽く憂鬱である。

 

「起きろ、紅葉。」

 

たった一言で、ピクリと反応する幼馴染。

名を東雲紅葉(しののめ くれは) と言うが、こいつは才色兼備で人当たりもよい。因みに、一人称は僕。

女なのに!

女なのに!

女なのに!

僕。と自分を呼ぶ、珍しい部類の女子高校生。

因みにおんなじ高校、かつクラスメートである。

 

さて、読者の方々に軽く説明をしたこの間、0,05秒。速い。え?メタいって?んなこたぁどうでも良いんだよ!

さて、直後に来る衝撃に備えますか。

 

 

 

「僕の部屋で何してるんだ、このド変態!」

 

程よい肉付きの脚が、無造作に振るわれ。

弁解の余地すらなく。

真っ直ぐに。

俺の鳩尾を穿った。

 

「理不尽っ!」

 

俺の訴えは、儚く空に飛んで行く。

 

 

 

 

あれから数分、痛みで悶えていた俺の前に仁王立ちしている紅葉はふんすっ、と鼻をならしてこちらを向き直す。肩より少し下の部分まで伸びた髪の毛を弄りながら、こちらにジト目を向けてくる。可愛い。

 

「さて、不法侵入者の青葉。君には最早弁解の余地はないが、遺言程度なら聞いてやる。」

 

冷酷に放たれた言葉は、学校のやつらに聞かれたら事実上の死刑宣言である。

取り敢えず、心の声を大にして叫ばせていただきたい。

 

―――理不尽である、と―――

 

 

 

憂い気な蒼空の曇った顔とは裏腹に、紅葉の顔は僅かに綻んでいる。その微笑みは、この少年以外には浮かべられない、少女のありのままの微笑み。

この想いは、届くのだろうか?

 

少年に一抹の不安を、柔らかい微風が植え付けていく

 

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