よう、同じ日にまた挨拶する事になるとは思っても見なかったぜ。今は学校も終わって、布枯と神を連れて俺の家に向かっている所だ。ホントに気が進まないのだが、母さんの許可も出てしまったし、俺だけでは断る理由が出てこないんだ。だから、仕方なく二人を案内しているんだ。
「その様子だと、挨拶は終わったのかい?」
「ん、何の話だ?」
どうやら布枯には聞こえていたらしい。ホントに何なんだこいつは・・・・。
「加賀観はマンション暮らしだったのか」
「ああ、アパートでも良かったんだけど、母さんがこっちの方が便利だってマンション借りたんだ」
「掃除の事をふまえるとどっちもどっちだと思うが」
「まあ、そうなんだが、母さんなんかが泊まりに来る事があるからだろう」
「とりあえず、行こうよ。ここで止まっていても仕方ないだろう?」
「それもそうだな、入るか」
セキュリティーを解除して、階段で部屋のある階までやって来た。途中、神が景色を眺めたり、布枯が深呼吸したりといろいろあったが、俺の部屋は6階なのでゆっくり歩いてた。部屋の前まで来て、電子ロックと錠前の二重ロック解除して中に入った。
「母さん、ただいま」
中まで聞こえる位の声で俺は中に帰宅を伝えた。
「あら、おかえりなさい。早かったじゃない。それで、その子たちが友達かしら?」
リビングで俺らを迎えたのが、俺の母さんである色無霖だ。母さんは息子の俺から見てもとても若々しくて、30超えているのに10代後半とよく言われる人だ。保護者参観の時は周りの保護者と比べて母さんが若く見えるからか、母さんと言っても信じてもらえなかった。この人、三人産んでるんだけどなぁ。
「うん、そうだ!こっちが中学から一緒の神」
「初めまして、田島神です」
「それで、こっちが布枯」
「…初めまして、布枯礼です」
「はい、神君と礼ちゃんね。私は色無霖よ、よろしくね」
緊張してんのか?神と布枯が硬い感じがする。…いや、神は母さんが若い層にみえるから驚いているように見えるな。まあ、母さんと話してれば治るだろう。何か母さんって、不思議な雰囲気を出してるのかとても落ち着くんだよな。
「それで、何するんだ?家でできる物はそう多くはないぞ?」
「ねえねえ、やることがないなら加賀観や学校の事を教えてくれないかしら?」
「加賀観と学校…そうですね、良いですよ」
「うん」
「待って、それは止めよう。俺がとても楽しくない。というか、母さんが普通に混じってるのは可笑しくないか」
「えー、良いじゃない。母さんも息子が学校でどんな事してるのか気になるわよ」
学校生活の事を親に言われるとかよろしい物じゃないぞ。特に、俺ってあんまり良くないんだし。いかんな、ホントに止めねば。
「なぁに、お母さんに言って欲しく無いことでも有るのかしら?怪しいわねぇ」
「いや、別に無いけどさ!こう、なんていうか……」
「なら、良いじゃないの。ねえ、神君?」
「え、あ、はい。そうですね、加賀観は普段学校で元気に寝てますね」
「おおい!神、何言ってんだ!止めれー!」
「…諦めた?この人にかないそうにないよ?」
「どうしようもないってか、くそぉぉぉ!!」
俺は必死に抵抗した。しかし、母さんの雰囲気に飲まれた神は俺の静止で止まる事は無かった。俺の抵抗も虚しく、始まってしまった。
「じゃあ、この子は学校でちゃんとしているの?さっき、寝ているとか聞こえたけども」
「加賀観は、学校にはちゃんと通ってますよ。ただ、一部の先生の授業では当てられるまで机に突っ伏してますね」
じーん!少しはぼかせよー!なんで、そのままを言っちゃう?お前は友達が窮地に立たされてるのを見たら突き落とすのか⁉少しは何か良さげな事を言えよ!
「あら、駄目じゃない加賀観。学校では、ちゃんと授業を受けなさいって、よく言ってたでしょう?あなた、頭だけは良いんだからそれに奢って色々な事を蔑ろにするのは悪い癖よ。そんなのだからお姉ちゃんに勝てないのよ?」
姉ちゃんは今関係ないだろ⁉説教の為に姉と対立してますみたいなの言わなくて良いから!姉ちゃんなら乗りそうだけど、今は本当に関係ないだろ⁉
「礼ちゃんは何かあるかしら?加賀観がもっと有るみたいな反応をしているし、ドンドン言ってちょうだい!」
「そうですね、彼は基本的な不真面目なタイプですので、先生のカツラを弄ったり先生の私物に手を出したりと割と多いですね」
布枯、そんなのを俺はお前に臨んじゃいなかったぞ!というか、先生の私物に云々はお前もその場にいただろう、何自分は関わってないみたいに言ってんだよ!
「もう、なんとなくわかったわ。……加賀観、あなた働く?」
いやです!まだ、働きたくありません!学生をしていたいです!
「なら、もう少し頑張りなさい。貴方はやらなくても出来る子だけど、そんな様子ならやる前に切られるわよ?そうなったら困るのは貴方でしょう?」
はい、おっしゃる通りです…。
「あら、もうこんな時間ね。もうすぐ、日が暮れるわね」
あの後、学校や趣味なんかの事をはなしていた。時間が経つのは早くて、あっという間でもう夕方だ。
「もうか、あっという間だったな」
「そうだね、霖さんとのおしゃべりはとても楽しかったです」
「うふふ、ありがとう。あっ、そうだわ、二人共時間まだは大丈夫かしら?」
「え、はい、大丈夫ですよ」
「なら、夕食を一緒に食べましょう?もう少し、おしゃべりしたいし」
「加賀観、良いのか?」
「ああ、母さんが良いって言ってるからな食べて行けよ」
「なら決まりね、礼ちゃん、手伝ってくれないかしら?」
「はい、わかりました」
そう言って、母さんと布枯は台所に向かって行った。
「はぁ」
「大分お疲れのようだな?」
「誰かさんがべらべらと母さんに話すからだろ?こっちは説教もされたし、言われたくない事も言うから疲れたぞ」
「悪いな、でも、お前の学校での事は先生達も言ってたからな。そろそろ直さないと、霖さんの言っていた通りになりかねんぞ?」
「う、そうなのかもしれないけどなぁ。」
「これを機会に少しは直しても良いと思うがな。まあ、お前の事だし頑張れ」
「はぁ」
その後、料理が出来たのか母さんと布枯が作った料理を運ぶようにと俺達に言って来た。まあ、作って貰ったので素直に皿等を運んで行った。
「いただきます!」
美味しそうな料理達を四人で囲う。いただきますの合図で箸を伸ばしていった。どれもおいしくて、正直話なんて後に回して食べてた気がする。神もそうだったから気にしないのだけど。ただ、端に置いてあった卵焼きは何故かとても懐かしく感じた。なぜなのだろうか?母さんの味って訳でもなかった。不思議なものだ。
この小説の終着点が見えてこないがとりあえず、書いて行きます。