「加賀観、今日はこれを運んで貰うぞ」
「先生、補修はこの前ので終わりませんでしたか?頼まれる様な事をした覚えが無いんですが」
「いや、今回は別にそう言う事では無い。ただ、お前が近くにいたからだ。ツベコベ言わずに手伝え」
「そんなのって無いですよ!悪い事してないのなら雑用なんかしたくは無いですよ俺!」
「なら、先行投資だ、これから先にお前がしないとも限らないからな。その時の為に徳は積んで置くものだ」
「そんなこと言って、ていの良い雑用係にしないで下さいよ」
「はぁ、時間が無いというのに。…なら、今度飯でも奢ってやるから手伝え」
「…ほんとですね?…わかりました、手伝いましょう」
紅先生は俺らのクラスの担任の先生で、数学と歴史を担当している先生だ。一応、頭のいい俺には必要ない気もするけど、紅先生を怒らせたくないので授業には参加してる。周りからは鬼だ阿修羅だ言ってるが、優しい所も有る。小テストで0点取ると、右手で頭を撫でながら次は頑張ろうと声をかけてくれる。左手に課題を持って。期末テスト前には、希望者に特別授業をしてくれる。この授業を受けた者は8割方高得点を取っているのでその授業を受ける生徒はとても多い。小テストが悪いと強制だけど。他にもいっぱい有るが、紅先生の為にも今は言わないでおくとしよう。だから、その手を降ろしてください!
「あーと、此処と此処だな。…しかし、加賀観またやったのか」
「痛っ、もう少し優しくしてくれ」
あの後、ちゃんと手伝いをしたのだが、途中でいじって遊んだのがいけなかったのか、俺は保健室にいる。紅先生に殴られた頬を冷やしてるのだ。因みに、保健室の先生は今日は出張だ。
「なあ、俺最近こういう軽い怪我の処置になれたんだけど、どうしてくれる?」
「何だ、俺のおかげかな?俺が体を張って経験を積ませているからだろうか」
「慣れたのはお前のせいだっての。・・・・良し、終了だ」
まだひりひりしてるが時間が経てば収まるだろう。まったく、もう少し抑えて欲しい物だ。
「そういえば、聞いたか?」
「ん?」
「is学園で事件があったらしいぞ」
「マジかよ?」
「弟のメル友が言っていた」
「・・・・宛てに何の?」
こいつの弟は引きこもり予備軍だ。外じゃほとんど喋らんがネットの中じゃそれなりに有名な奴だ。神の弟の情報網はすごいけどセキュリティーレベルがかなり高いらしいis学園はきついだろ。
「大丈夫だ、お前の妹にも聞いたから」
「なら、最初からそっち言えよ…。…お前連絡先を交換してたのか」
「兄が苦労を掛けますがよろしくお願いしますだと」
我が妹は今年の春is学園に入学した。いろいろとハプニングがあったみたいだけど元気なんだそうだ。姉が言ってた。
「まあ、噂の男性操縦者がいるから何かは起きるだろう」
「織斑一夏か、噂だとそこそこモテてたそうだぞ」
「まあ、俺たちには関係無いだろう。フラグでも何でも無しにな」
教室に向かう途中、嬉しそうにケータイを見ている布枯が見えた。あんなに嬉しそうなのは珍しい。気になった俺は布枯に声を掛けた。
「なんかいい事でも有ったのか?布枯」
「ああ、君か。妹から無事の連絡が来てね。喜んでた所さ」
「お前の妹どっか行ってるのか?」
「何、君の妹と一緒さ、今年から通ってる」
「へー、案外世界って狭いんだな」
布枯の妹もIS学園に通っているんだな。まあ、去年と今年は入学生の数も増えているって姉さんから聞いていたし、布枯の妹が入学していたって不思議じゃない。それに、今年は男性操縦者がいるんだしよけい多いんだろうな」
「私の妹はそれ狙いだけで入って訳では無いよ」
「またか、…まあ、家の妹もそうだしな」
「俺の妹もいつかはそうなるのだろうか…」
やはり、布枯の前だと出しているのか…。神は何か思い悩んだ感じなのでどうだったか聞けないし、何で布枯の前だと出るんだろうか?出した覚えは無いんだけどなぁ。
「っと、二人ともそろそろ授業が始まるぞ」
「もうそんな時間か」
「じゃあ、お先にね」
布枯はそう言って教室に入って行った。自由だなぁと布枯の行動を見ながら思ったが、授業が始まりそうなので、俺達もそれに続いて教室に入った。次の授業は数学だな。…また紅先生かよ。今日で3回目だぞ、いくら何でも多すぎないか?まあ、最初の物理は仕方ないとしてもなぁ。また、立たされるのかなぁ。
「どうした加賀観、いつもの元気がないぞ?」
「そりゃぁ、無いよ。紅先生の授業だし」
「そうか、それは悲しいな」
「えっ、…なっ、紅先生!!あっと、そのですねぇ」
「まあ、良い。早く入れ、授業を始めるぞ」
「は、はい!」
いつの間にかいた紅先生になかなかヤバい愚痴を聞かれた。弁解しようとあたふたしていたら、早く入れと言われた。…おかしい、いつもならばここで一発いっていたのに。何か有ったのだろうか?例えば、婚活で失敗したとか…いや、それは無いか。何が有ったのかは分からないが、罰が無かったのは良かった。あれはとっても痛いから出来れば食らいたくなかったからな。
授業中も何処かおかしかった先生の様子を観察していたが、先生は特におかしい事は無かった。よくわからないが、腹の虫が良かったと思っておこうと思う。考えてもきっと、分かんないだろうからな。さあ、帰ろう帰ろうっと。
「おや?色無か、まだ教室にいたのか」
「長谷川先生じゃないですか、どうかしたんですか?」
「いや、偶々ここを通りかかっただけだ」
教室の」入り口に立っていたのは、長谷川先生だった。彼は三鷹学園高等部の教師で俺が所属している観察記録部の顧問でもある。最近は俺が関わる会議なんかは無かったので、合っていなかった。
「そうだ、色無。近い内に運動会についての会議が有るぞ。日程はまだ決まっていないが、お前たちも参加して貰うから覚えておいてくれ」
「了解で少し」
「じゃあ、気を付けて帰れよ。」
長谷川先生は、そう言って教室を後にした。方向的に職員室に向かったのではないと分かった。おそらく見回りの途中だったのだろう。
「さて、帰るか」
その夜、2人からメールが来た。
『お兄ちゃんへ、最近周りが賑やかになってきました。噂の男性操縦者には会ってないけど、織斑千冬先生には会いました。凛々しかったよ。紅先生といい勝負だよ。一人暮らし大変かもしれないけど頑張ってね』
『鏡へ、入学式の雰囲気もだいぶ薄れて来たわ。先輩として1年生にいい見本になるように頑張るわ。あなたもそっちでも頑張りなさい』
「そっちも頑張れよ」
キャラ崩壊のタグもそのうち入れないとと思います。