霊歴3820年7月
月が不気味に茜色に染まる日、オラリエの街は活気にあふれていた今日は12の都市全域で行われる十二姫祭初日であるその都市の住民がその年の豊作とその都市にいる姫たちの成長をたたえるため毎年こうして賑やかな祭が模様されている。
「あー だりぃー」と性根の曲がったような声を出す男がひとり
オラリエで姫様のご用聞き兼パシリの”フェネル・レイ・クルシュ”であるフェネルは今日、姫にどうしても城下の祭が見たいと泣き付かれてなくなく護衛する羽目になった訳である。
「コラ心の声がダダ漏れだぞ」
こうフェネルを叱咤したのが姫様の護衛を同じく任されたフェネルの唯一の理解者」”ジャン・ガリオス”である
「姫様は身分を隠しここにおられるんだいつどこの輩に命を狙われるかもわからない緊迫状態の時期に開催された祭だくれぐれも姫様から離れるなよ」
フェネルは緊張感のかけらもない声で「分かってるよジャンしかし、他の都市の大体の姫が自分の力を使いこなして護衛1人さえつけないのにうちの姫さんはどーも平和な世界に生きておいでで少しは俺の気持ちも察して欲しいもんだぜ」
ジャンは呆れたように言い返す「お前なーいちばん自分の力を何とかものにしたいと願っている姫様に対してそんな物言いはないだろ」
ずっとそばにいたフェネルだからこそわかることをジャンに言われてしまった自分が放った言動に後々馬鹿らしく思えたしかし、
「レイ!このヤーキソーバってもの食べてみたい!」うん間違いはなかったと自分の心がそう言って聞かないフェネルである。
このニコニコ笑みをこぼす少女がオラリオ第一皇女ミヤビ・L・フェティアだと言うのだから驚きであるフェネルはそんな笑みを見て幼い頃を思い出す他国のものに故郷を焼かれ家族を殺され絶望して昏倒し屍人同然だった自分を、ティアは可愛い仔犬を見つけたような笑みで自分に手をさしのばしてくれたことを…その後自分の遊び相手として両親に宮入りを許可してもらい何不自由ない生活を送らせてくれたことを…それにしても1番印象深いのは彼女の家族である、王は威厳にあふれ誰の意見もしっかり耳を通す寛大な人だった王妃はティアが生まれてからは力を失ったと聞いたが昔は他の都市に引きを取らない力を持っていたと言うきっと彼女も将来は強く美しくなるのだろうそんなことを考えていた・・・その時!
ドカッアーンっと城の方からけたたましい音が響き渡る住民たちは恐怖し混乱し辺りは騒然となった逃げる人たちが渦巻く中姫は城を見て口を手で覆い隠しながら呆然としてしまっていたするとジャンが、「お前は姫様を安全な場所に避難を俺は兵を率いて場内の様子を確認しに行く!」勢いよく飛び出すジャンそれを反射的に追いかけようとする姫の手をフェネルは掴んだ
「レイ離しなさい!あの中には母様やお父様がいらしゃるのです!」フェネルは声を張り上げる「あなたが行って何がどうなると言うのですか残念ながら今のあなたにご家族を助けに行けるだけの力はありませんここは無事なことを信じ生きて再会できることを願いましょう!様子を見に行ったのは城一番の腕っぷしのジャンなのですから大丈夫です俺が保証します!」そう聞くと姫は瞳からあふれんばかりの涙をこぼしながら首を縦に振ったフェネルは近衛兵数人を連れ姫と共に緊急用のシェルターに向かったそこは何年も使われえない教会の地下にある皇族しか知らない場所であるシェルターに入るとろうそくの明かりがつき周りを見渡せるようになったシェルターは隔離されていて外部から開けること出来ず外の音は一切分からないそんな状況下でフェネルは気づく、するといきなりフェネルは背負っていた剣をひとりの近衛兵に突き立てた兵は無すべなく倒れ真紅の血が吹き上がった姫は悲鳴をあげた目の前で付き人が人を殺めたからというのも一つの理由だがもう一つはその近衛兵が煙を巻き上げ白骨化したからである。フェネルは気づいていたその近衛兵の顔からは感じ取ることのできない殺気をすると残りの近衛兵が次々と剣を抜きふたりに向け出した数分後…辺りは血に染まりフェネルが気を失った姫を抱きかかえていた他の近衛兵も先ほどと同様に白骨化しその場に倒れた。シェルターに敵がいなくなったのを確認するとフェネルは近くにあったソファーに自分の上着を姫様に掛け横にさせたそれからどれくらい経ったかは分からないが彼女が起きるまでフェネルは待ち続けた。
〜序章〜 完
初めて投稿するということもありグダグダしてしまいましたが最後まで読んでいただけたのなら幸いですまだまだ続けていこうかなと思っておりますので少しでも気に入っていただけたのなら次回はもどうか温かい目で見てくださいますようお願いします。