とある日常…とは少し違い、倍率が300もある雄英高校の合格発表が行われている日。
ある者は笑いながら躍り狂い、ある者はショックで咽び泣いているなか、
「合格だってさ」
一人の少年も合格通知を聞いていた。憧れのヒーローであり、自分の師匠でもあるNo.1ヒーロー・オールマイトに吉報を告げられた少年…
「来いよ緑谷少年!
そして映像ではあるがオールマイトに手を差し伸べられ、やっと夢に向かって一歩でも前に踏み出せたのだと理解でき、多くの
―――必ず"無個性"の僕がヒーローになれると証明し、ヒーローになると。
「っっはい!!!」
こうしてこの物語である主人公、
「おめでとう!合格だ!」
灯りを付けておらず月明かりしかないその部屋で、本やスケッチブックに囲まれている少年…
「筆記試験では高得点を出せていたが、実技での
そして、オールマイトがいつもの豪快な笑顔を向けるも、空我の表情は変わらない。
「来いよ空我少年!
ガシャンッ!
映像のオールマイトが最後まで言葉を言おうとした時、彼は縹色のナイフを投影機目掛けて振り落とした。映像であるオールマイトは投影機が壊れたためブツンッと音をたてて姿を消した。煙が上がり、焦げた臭いが漂う。その後も投影機に向けてナイフを落として落として落として落として………
何回もナイフを落としたあと漸く彼は手を止め、原型が無くなった投影機を見てここで彼は表情を変えた。
―――笑ったのだ。
先程まで振り落としていたナイフを月明かりに当て、ナイフを眺める。月光を帯びたナイフは美しく、刃溢れもない。暫く眺めていた彼は表情を元に戻し、目を瞑る。
「おじさん、僕はやるよ…だからどこかで見ていてね」
ここにいない誰かに宣言するかのように呟いたあと、そっと目を開き、何冊かのスケッチブックを持って彼はこの部屋から出た。
部屋に