暖かい日光が射す春、この日は雄英の入学式が行われる。楽しみで眠れなかった者が目をショボショボさせていたり、制服に身を包み少し浮かれながら登校している者がいるなか、空我はのんびりと歩いていた。
彼の容姿を紹介しよう。
髪は白藍色で、前髪が右で分けられているショートカット、顔は整っているが瞳の色が少し濁った灰色でハイライトが入っておらず、また隈も酷いので不健康な印象を受ける。それでいて眼鏡をかけているので一層根暗な印象を与える。背丈は男子の平均身長よりも少しだけ高めで、体格は極端にいえばモヤシだ。
そんな彼がどうやって実技に受かったかは後に分かるだろう。そんな彼の鞄は何故かパンパンに詰まっている。
入学式だけなのに何故荷物が多いのかそれも後に分かるだろう。
のんびりと歩いていた空我は時間ギリギリに学校に着いた。教室を探し、1-Aと書かれている大きな扉を見つけたので入ろうとしたら、何人かの生徒がそこに屯っていた。彼は特に迷惑そうにしてはいないがどうしようかなと思いながらその近くに立って待っていた。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
何処からか低い声が聞こえる。
彼は辺りを見回すけれど声の主は見つからない。ふと、扉の前にいた生徒が下を見ていたので、下を向いてみたら…………居た。黄色く大きな物体が居た。
(……………黄色い……芋虫?)
「ここは…ヒーロー科だぞ」
ヂュッ!!
その黄色い芋虫(仮)は何処からか取り出した10秒で栄養補給でお馴染みのゼリーを取り出し、5秒も経たずに補給した。その後尺取り虫のように立ち上がりながら黄色…寝袋を脱いで、教室に入り始める。
ここで、思考の追い付いた生徒達の心の声が重なる。
((なんか!!!いるぅぅ!!!))
少し教室に入っていた足を止め、一向に動こうとしない空我に顔を向ける。
「おい、いつまでそこに立ってい…って何を書いている」
「………あれ、人間だったんだ」
……空我は別だった。珍しい生き物と断定した空我は声をかけるまでせっせとスケッチをしていた。
「……何だと思っていたんだ」
「黄色い芋虫……でっかい」
空我がスケッチブックと鉛筆を持った手を広げて、まるで子供が発見したものを親に伝えるようにする空我を見ていた黄色い(ryはため息をついて頭を掻く。
「良いから早く席につけ」
「はい」
((この不思議キャラも、濃いぃ!!))
「ハイ静かになるのに1分17秒かかりました」
気を取り直して、淡々と黄色い(ryは生徒に向けて告げる。生徒はどうすれば良いのか戸惑っているようだ。まあ、そうだろう。彼の服装は黒(補足で髪色も黒)、髪はボサボサとしていて無精髭も目立つ。この男が何者なのか決めかねるのだ。この男の正体は……
「時間は有限、君たちは合理性に欠くね。担任の
((担任!!?))
A組の担任だった。
軽く自己紹介した相澤は、自身がさっきまで入っていた寝袋を漁りだし、服(体操服)を取り出した。
「早速だが
それを聞いた生徒達は続々と教室を後にした。空我もそれに続くが何か思うことがあったのか、ポツリと一言溢した。
「……芋虫」
…………………何を思って発したのだろうか。