~~杏~
それはタマっち先輩が退院した日、星雲荘への帰り道での出来事でした。
「いや~2週間近く入院してたからなぁ。流石に体が鈍ってる気がするぞ」
「病み上がりなんだかたあまり無理はしちゃダメだよタマっち先輩」
「分かってるって。そういや千景もこっちに合流したんだよな?」
「うん。今は私達と一緒に星雲荘にいるよ」
ダークザギに体を乗っ取られた友奈さんを救うため、千景さんは1人で頑張っていたらしいけど・・・リクさん達を信じてみることを決めて自身の体内からリトルスターを託したって聞かされた。
「えっと千景のウルトラカプセルって何て言ってたっけ?エックスカプセル?」
「エックスカプセルは樹ちゃんのだよ。千景さんのはエースカプセル」
「そうだった。そうだった。ところでカプセルと言えばあんずのリトルスターはもうリクに渡したのか?」
タマっち先輩は私に宿っていたリトルスターをウルトラマンジードであるリクさんにもう託したのかを尋ねてきた。実のところ私はまだリクさんにこの光を託していない。リクさんを信用していないわけじゃないの。だけど強く願う『何か』が私とリクさんにはなくて、リトルスターを託せるキッカケがなかったの。
「私のはまだなんだ。渡す機会がなくて」
「そ~なのか~。まぁ渡せるタイミングくらいいつでもあるだろ」
「うん。・・・ところでタマっち先輩、さっきから気になってたんだけど・・・胸、光ってるよ」
「えっ?うおっ!?ホントだ!」
私はリトルスターの輝きを灯しているタマっち先輩の胸へと視線を向ける。自分の事なのに気づいてなかったタマっち先輩はその光を見て驚いてたら、その光はまるでウルトラマンのカラータイマーのように点滅し始めた。
「お、おいあんず。なんか光ったり消えたりし始めたんだが・・・」」
カラータイマーの点滅は活動限界を伝える警告音。でも人間であるタマっち先輩は活動限界なんてないはず・・。となるとこれは・・っ!
「タマっち先輩!すぐ変身して!」
「敵か!?」
確証はないけど・・・これから起きそうなことは何となく予想できた。だけどそれを回避する方法は分からない。ならせめて・・・
「タマっち先輩・・」
「なんだあんず?」
「最後まで一緒だからね・・」
次の瞬間・・・タマっち先輩は全身から炎を解き放つように爆発した。
~~霞~
「死ぬかとおもったぞ」
リトルスターの力でいきなり爆発しちゃったという球子ちゃんとそれに巻き込まれた杏は勇者に変身してたおかげでこれといった外傷もなく無事だった。
「それにしてもリトルスターの力で爆発しちゃうだなんて・・・レム、いきなり爆発しちゃうウルトラマンっていたりするの?」
『自分の意思とは関係なく唐突に爆発してしまうようなウルトラマンは存在しません』
だよね。流石に爆発しちゃうウルトラマンなんていないよね。
『ですが自身の体を爆発させて相手にダメージを与えるウルトラダイナマイトと呼ばれる技を使用できるウルトラマンは複数人存在します』
「えっ!?いるの!?」
自爆するウルトラマンが何人もいるんだ。
『ウルトラマンタロウ。ウルトラの心臓に力を込めることで自身の体を爆発させるウルトラダイナマイトという技を習得しています』
「えっ?それって自爆だよな?無事なのかそれ?」
『ウルトラの心臓が無事なら即座に再生が可能です』
何それ怖い。ウルトラマンってどういう人体の構造してるの?ってウルトラマンの人体構造が分からないものなのは今に始まったことじゃないか。リクは人の姿の方が基本だからいいけど、ゼロとかは友奈と一体化なんてしちゃってるし。
「もしかしてタマも爆発直後にすぐ再生してたのか!?」
「大丈夫だよタマっち先輩。別にバラバラになんてなってなかったから」
ウルトラマンと違って人間がバラバラになったら当然死んじゃうよ。というか人間じゃなくてもバラバラになったら大概の生物は死んじゃうよ。
『ウルトラマンメビウスはメビウスブレスをウルトラの心臓のかわりとしてメビュームダイナマイトという技を習得しています。ウルトラマンオーブもタロウとメビウスの力でフュージョンアップしたバーンマイトという形態で炎を纏った状態で相手に体当たりするよいうストビュームダイナマイトという技があります』
「ほぇ~。ポンポンポンポン自爆しちゃって物騒な奴らだなぁ」
「タマっち先輩。聞いてるかぎりだとオーブってウルトラマンは自爆してるわけじゃないっぽいよ」
それ以前に流石のウルトラマンでもそんなに何度も自爆しまくってはいないと思うよ。・・・そんなにしてないよね?
「となるとそのバーンマイトの可能性が高いのかな?」
「でもなぁ、なんかバーンマイトってのは違う気がするんだよなぁ。やっぱりタロウかメビウスのどっちかだと思うんだよ」
まぁ爆発してる本人がそう言ってるならそうなんだろうね。
「まぁタマのリトルスターがどんなウルトラマンの力なのかはひとまず置いておくとしてだ。・・・・せっかくタマが退院して帰って来たのに3人だけはないだろ!」
そう、あえて話題にしていなかったけど・・・今星雲荘にはボクと退院して帰って来た球子ちゃんと杏の3人しかいない。
「しょうがないでしょタマっち先輩。今日は平日でリクさん達は高校に行ってるし、園子先生達も中学校でまだ授業を受けてる時間だよ」
杏は園子の事を園子先生と呼んでいる。何でも園子の執筆してる恋愛小説にドハマりしちゃったらしくて・・・それ以来園子のことをそう呼んでいるんだって。
「にしても若葉もひなたも千景も何処にいったんだ?あいつ等学校にも行ってなけりゃ、働いてもないだろ!」
『若葉とひなたは球子の回帰祝いと千景の歓迎会ということでケーキを買いに出かけています。千景はAIBに出頭するかたちで現在聴取をされていて帰宅は17時ほどの予定とのことです』
「何!ケーキを買いに行ってくれてるのか!なら許す!」
調子いいなぁ球子ちゃんは。
「そう言えば前から気になってたんだが・・・霞は高校には通わないのか?AIBって連中にでも頼めば編入させてもらえるだろうに」
「あれ?2人には言ってなかったっけ?」
「えっ?何をですか霞さん」
「ボクがGIRLSにいた頃は調査課の研究部門にいてね。これでもボクは学者なんだよ!」
そう。いつもバイト以外では星雲荘に引きこもりがちなボクだけど、何もせずここでリクを応援してるんじゃないんだ。いつもリクたちが戦った怪獣をレポートにまとめたり、資料を更新したりしてるんだよ。
「へぇ~」
「そうだったんですか」
あ、あれ?思ったよりリアクションが薄い。
「まぁいつも怪獣の記録とにらめっこしてたのは知ってるしな。頭使うのは得意っては分かってたよ」
「霞さんのまとめてくれた資料、読みやすくていつも助かってます」
「良かった。みんなの助けになってるんだね」
ボクの資料が役に立ってるに越したことはないよ。
「それじゃ若葉達が帰ってくるまで適当に暇潰しを・・・ん?」
球子ちゃんが何かで暇つぶしをしようと中央指令室を出ていこうとした途端、球子ちゃんの胸がまた点滅し始めた。
「大変!タマっち先輩がまた爆発しちゃう!?」
「れ、レム!」
『了解。強制退出させます』
「えっ?ちょ・・・」
レムはエレベーターで強制的に球子ちゃんを星雲荘の外に追い出すと・・・球子ちゃんが地上に出ると同時にまた爆発してしまった。
~~リク~
「霞とレムったら酷いんだぞ~、いくらまた爆発しそうだからっていきなり星雲荘からタマを追い出してさ~!ホントおっタマげたんだからな!」
夜、正式に星雲荘メンバー入りになった千景とタマの退院祝いのパーティーをしてたら僕と霞の間に割り込むように座って来たタマはいきなり追い出されたことを愚痴ってきた。
「星雲荘の中で爆発しちゃったら危なかったんだよ。ごめんね」
「確かにここで爆発したらアレだからそうするしかないってのはタマでも分かる。でもなんか一声ぐらい事前連絡があってもいいだろ」
「・・・それはそうとさ。このままいきなりタマっち先輩が爆発しちゃうってのは良くないよね」
杏の言う通りだ。いきなり爆発されるのは結構日常生活でも敵との戦いの時にも支障が出る。・・・というよりいきなり爆発されるのは怖い。
「てっとり早く園崎さんにリトルスターを渡してしまえばいいんじゃないの?」
「それが出来ればいいんですけど・・・」
そう言えば杏と園子はリトルスターを宿してるのに、まだそれを出せてはいないんだよな。杏とは何ていうか・・・ちょっと今だに少し距離感みたいなのがあって渡せてないんだと思う。まぁ出会って1月も経ってない年上に心開けっていうのも難しいよな。杏はそんな感じだけどもっと難しいのは園子の方だ。園子の場合は僕にリトルスターを渡そうとしてくれても、あまりにも強すぎる力を宿してるそのリトルスターが体に突っかかってしまっているのか出てこなくなってしまってるんだ。
「園子の事もある。私達はまだリトルスターという力を完全に理解してるわけではないのだから、簡単に渡すのは難しいかもしれないな」
「・・・すみません。せっかくお2人のお祝い中なのですが・・信託です」
パーティーからリトルスター談義に逸れてきた時、ひなたは信託を受け取ったことを告げてきた。
「近いうちにバーテックスとともに強力な闇が攻めてくるそうです」
「強力な闇ってのは?」
「・・・おそらく友奈。・・・友奈に憑りついているというダークザギということだろう。ギャラクトロンの時のようにリクや結城が怪獣と戦ってて手いっぱいなところを狙ってくると考えて、ほぼ間違いないだろう」
やっぱりダークザギか。
「若葉・・・」
「分かっている。そちらの方は任せておけ。・・・友奈を頼んだぞ」
任せるって言われても・・・正直なところ不安は多い。僕とゼロがいれば完全な状態ではないっていうダークザギを倒すことはできるはずだっていうのがレムの見解だ。だけどあくまでできるのは『倒せる』であってもう1人の友奈。高嶋友奈を『助ける』じゃないんだ。どうすれば助けられるか・・・僕はレムと高嶋の方の友奈を助けられるシミレーションをしてみた。だけど癒しと浄化の力を持つコスモスカプセルでフュージョンライズするアクロスマッシャーでも、マイティトレッカーでも助ける手段はないという結論に至った。
「もう1人の友奈。高嶋友奈を助けられるかもしれない方法は3つ。1つは自力で正気を取り戻してもらうこと。でもダークザギは資料によるとかなり強力な闇の巨人でね。その魂の束縛はいくら勇者でも逃れるのは難しいと思うよ」
霞は高嶋友奈自身が自力でどうにかできる可能性はほぼないという回答を僕らに伝えてくる。
「そうか・・。できればそれで何とかなってほしかったが・・・」
「もしそれで何とかなっていれば私がここまで苦労してないわよ」
そうだよね。何とか出来てれば千景は僕らを頼ろうとはしてないっぽかったし。
「2つ目は前に歌野を助けた時のようにダークザギの中にいるはずの高嶋さんの意識に若葉達の意識を送って救い出すこと。たぶんこれが一番堅実な作戦だね」
確かにそれなら歌野を助けた実績があるから信頼のおける作戦だ。だけどそれは1つ目の案の延長線でしかなくて・・・失敗する可能性もある。
「それで・・・3つ目は何なんだ?」
「3つ目は一番確実に高嶋さんを助けられる方法だけど・・・そもそもその作戦を実行する段階が難しいんだ」
「どういうことなの?」
「・・・三つ目の作戦はゼロのもう1つの最強形態、シャイニングウルトラマンゼロの力で高嶋さんをダークザギに憑りつかれる前の時間まで戻すっていう手段なんだ」
前に聞いたことがある。ゼロにはシャイニングウルトラマンゼロっていう金色の姿もあって、それの力を使えば時間を巻き戻したり、時間の流れを遅くしたりもできるって。
「・・・確かに実行までが難しいな」
ゼロがその力を使うにはウルティメイトブレスレットを使うのが大前提だ。だけどブレスレットは壊れたままの状態。時々僕らの諦めない心に反応して1分ぐらいだけ復活してくれるのはいいけど・・・そんな中途半端な復活じゃウルティメイトゼロになるのが限界だってゼロ本人が言っていた。つまり何らかの奇跡でブレスレットが復活したところで完全復活しないかぎりシャイニングの力に頼ることはできないってことだ。
「いずれにしても奇跡を信じるしかない。そういうことですね」
「奇跡でもなんでもいい。タマ達の手で友奈を・・・ん?」
自分達で高嶋友奈を助ける。タマがそう言おうとしていたらまたタマのリトルスターが点滅をしていた。
「球子ちゃん・・」
「・・・分かってる。やれよレム・・」
「・・・・・」
僕が無言で敬礼をすると、タマはエレベーターで強制的に星雲荘の外へと追い出されて3度目の爆発をしてしまった。
「友奈さんの事もあるけど、タマっち先輩の方も解決しないといけないですね」
「そうね。いちいち爆発されるとうっとおしいわ」
「とは言えリクに祈れって言われても案外難しいんだよなぁ。戦闘中じゃないからか?」
お早いお戻りのタマは爆発のせいで頭がアフロになって顔も煤けていた。
「・・・っ」
駄目だ。笑っちゃいけない。耐えろ、耐えるんだ僕。
「・・・土居さん」
「ん?なんだ千景?」
「その髪、中々面白いわよ」
「ぶふぅ!?」
意外な人物からの不意打ちにより・・・僕は笑いを耐えられなくなり吹いてしまう。その数秒後、僕はタマのアッパーを受けてノックダウンさせられた。
~~高嶋友奈?~
「へ~。タマちゃんにもリトルスターが宿ってるんだ~」
タマちゃんがリトルスターの光を灯しながら爆発しちゃうのを見かけた。あの爆発、間違いない。ウルトラマンタロウのウルトラダイナマイトだ。
「タロウはどうでもいいけど人が光を宿しているのは気に入らないなぁ」
伏井出ケイの計画だってことは知ってるけど、そもそもあの計画は『ベリアルの肉体を復活させる』っていう大前提から間違っている計画だったし・・。
「もう・・・リトルスターの宿主なんか消しちゃってもいいよね」
もう伏井出ケイは生きてるか死んでるか分かんないし、生きていたとしてもその計画の大前提から間違いだったことには気づいてるはず。だったら伏井出ケイはこれ以上ジードを強くしないためにリトルスターを宿してる生命体の処分にかかろうとするはず。
「そう。これはお手伝い。私を呼び出してくれた伏井出ケイに感謝を込めてのお手伝いなんだよ」
そう言えばアンちゃんにもリトルスターが宿ったままだったね。さて、それじゃ・・。明日辺りにでもタマちゃんとアンちゃんのリトルスターを消しちゃおうか!
~~千景~
土居さんが爆発するようになったり私が星雲荘で下宿することになった翌日の夕方、私達はバーテックスが出現して樹海へと引きずり込まれていた。
「まさかまた信託を受けた翌日だとはな」
「こんなとこまでギャラクトロンに似なくていいっての」
乃木さんと犬吠埼さんは信託を受けてすぐのバーテックス襲来に悪態をつきながらもそれぞれ剣を構えると土居さんが率先して前に出た。
「よ~し!あのまとまりはタマに任せたまえ!段々爆発になれてきてタイミングを何とかできるようになったんだぞ!」
あの後も数回爆発した土居さんはそのおかげで感覚を掴んだらしくて、一応爆発してしまうタイミングはコントロールできるようになったと言っていた。コントロールできるようになったなら爆発しないように抑え込めるようにならないなんて・・・まだまだね。
「あっ!ぐんちゃんはっけ~ん!」
高嶋さんの声・・・アイツが来たのね。
「ぐんちゃ~ん!こっち!こっち~!」
手を大きく振りながら近づいてくる高嶋さん・・・の体を支配しているダークザギ。その手にはライザーが握られている。
「風さん。すまないが・・・」
「分かってるわ。手はず通りに行くわよ」
風さん達は結城にそれぞれカプセルを預けるとバーテックスの群れへと向かって行く。作戦というのは沢中さんが提案してくれた2つ目、ゼロビヨンドの力で高嶋さんの意識の中も私達の意識を送るという手段だ。今私達にできて、成功する可能性があるものといえば現段階じゃこれしかない。
「おい友奈!とっととそんなヤツ追い出して目を覚ませ!」
「友奈さん!」
土居さんと伊予島さんは高嶋さんへと呼びかけてみたけれど、やっぱり高嶋さんは反応してくれなかった。悔しいけどたぶん私が呼びかけても高嶋さんは反応してくれないわね。
「さてと、それで5人がかりでどうする気なのかな」
「5人?違うな」
「6人よ!」
三ノ輪さんのテレポートで参戦してきたのは白鳥さん。たぶん私達の中では乃木園子さんの次には強い勇者。彼女ならダークザギを少しは抑え込めるはず。
「そんじゃ歌野さん!そっちはお任せします!あたしは須美たちの方に行くんで!」
風さん達の方に加勢しにいく三ノ輪さんとその反対側、私達の方へと走ってくる白鳥さん。彼女が鞭を振るおうとした途端、ダークザギの持っているライザーから黒い闇が溢れて、白鳥さんの鞭を弾いた。
「ちっ、シャドウね・・。面倒なボディーガードをキープしてるじゃない」
私達勇者の攻撃じゃシャドウは倒せない。それを利用した盾ってわけね。・・・まったく我ながら面倒なものを解放してしまったわ。
「へぇ、これが話に聞いてたシャドウってのね。でもそれには私達でも対処できるのを忘れてないかしら?」
「そらぁっ!」
白鳥さんが飛び下がると同時に土居さんが前に出ると・・・土居さんが爆発する。リトルスターの力による攻撃ならシャドウにも攻撃が通る。つまりダークザギがシャドウをまた出して来ようともあくまで所見殺し程度でしかなかったわけ。
「さぁ、お覚悟はよろしくて?」
「う~ん・・。どちらかと言えば覚悟してもらうのはそっちの方かな」
そう言ったダークザギはポケットから怪獣カプセルを取り出す。それも私が覚えのあるものをだ。
「エタルガー」
私が倒した高嶋さんの護衛、エタルガーの力が入ってるエタルガーカプセルを起動したダークザギはそれをナックルにセットして2本目のカプセルも取り出す。
「レイバトス」
次にレイバトスカプセルも起動して・・・それもナックルにセットする。この流れは間違いない。フュージョンライズの流れだ。
『フュージョンライズ!』
ライザーでナックルがスキャンされると・・・予想通りそれはフュージョンライズだった。
「2人の闇、借りちゃうね」
『エタルガー!』
『レイバトス!』
『ウルトラマンベリアル!エタルレクイエム!』
カプセルから解放された闇に包まれたダークザギは金色の鎧を纏ったような亡霊へと姿を変えた。
「チッ、こうなりやがったか。行くぞリク!」
「あぁ!ジーッとしててもドーにもならねぇ!」
『ウルトラマンジード!プリミティブ!』
園崎さんとゼロの意識が前に出てる結城さんはそれぞれウルトラマンへと変身すると金色の亡霊と向かい合うように対時する。
「ダークザギとか言ったか?そのもう1人の友奈、返してもらうぜ」
「それはできない相談だ。生憎今の俺は体を持たない魂だけの身なんでね。相性がいいこの体ではなくては魂を維持することも敵わないんだ」
「なるほどな。・・・やっぱりとっととてめぇを追い出さねぇとな」
ジード&ゼロのタッグと高嶋さんに憑りつくダークザギがフュージョンライズしたエタルレクイエム。2対1の戦いが今始まった。
ウルトラナビアプリ
エタルレクイエム
身長 58メートル
体重 4万8千トン
得意技 エターナルレクイエム
エタルガーとレイバトスの力でフュージョンライズしたベリアル融合獣。それがエタルレクイエムです。厳密には怪獣ではなく魔神と魔導士ですがデータ上のカテゴリは融合獣に該当されます。エタルガーの堅牢な鎧とレイバトスの不死性を併せ持つエタルレクイエムは相手の記憶を覗きこみ、その相手が倒してきた怪獣の魂を呼び戻して復活させるエターナルレクイエムという奥の手があるようです。
ガイガン
身長 65メートル
体重 2万5千トン
得意技 ギガリューム・クラスター
サイボーグ怪獣ガイガンはM宇宙ハンター星雲人が宇宙怪獣をベースにサイボーグ化することで誕生した怪獣です。鳥のような頭部と両腕の鎌が特徴的で腹部には回転ノコギリが仕込まれてるようです。
次回「止まらない悪意」