もしも織斑一夏が現実的だったら 作:舞波@現在進行形ゴールデン
ピットを出た私を待っていたのは(当然といえば当然だけど)同じ空気すら吸いたくない屑蟲だった。視認するだけで軽くイラついているが取り敢えず抑える。
「随分遅かったなぁ?お前なんかが俺を待たせていいとでも思ってるのか?」
「は?」
「まあいいさ、ここで前の事を謝れば手加減してやるよ」
「謝るって?アンタが屑でゴミで蟲で七光りで
『まるでダメな弟(笑)』略してマダオだって暴露した事?」
「なっ…」
脚色しすぎ?寧ろ前回言ってなかっただけ。こいつを罵倒する為のボキャブラリーはまだまだ尽きない。理由は色々あるけど強いて言うならこいつに散々な目に遭わされてきたから。
【試合開始】ビーーッ!
「ふざけるなこのチビが!」
叫びながら突っ込んでくる屑蟲。…こいつ、一度ならず二度までも…!
「潰す」
機体の特性については一夏に『脳筋仕様』とだけ言われて大体察していたので新装備のエリコンライフルとチェーンガンを展開する。
ピーーーー
独特の発射音を出すチェーンガン。所謂豆鉄砲だけど当たると面白いくらいSEを削る。…ヘッドギアみたいになってるからちょっと変な感じがするのは別の話。
(アクセル!解ってるわね?)
【当然さ、マスター!】
(OK!龍砲の制御は任せるわ)
【アイアイマム!乱れ打ちだー!】
アクセル。この甲龍に搭載されているAIで、現在本国で進行中の『First・Ribeikuプロジェクト』の一環として作られた試作AI。製作者側からは
『マルチロックオン作るぐらいならこっちの方が圧倒的に早い』
との事。要するに操縦者とAI二人(?)がかりでやれば沢山狙えるというシンプルなシステムだ。でもそこはAI、柔軟にもっと沢山の仕事をしてくれるが今は割愛。
「ぐおっ⁉︎正々堂々戦がっ⁉︎」
「鏡見てきなさい!」
【仁義なき戦いって知ってるかオラー!】
遠距離武器を持っていないらしい屑蟲は成されるがままだった。
【…あんまり面白く無いなぁ】
アクセルが言う通りあまり面白く無い。正直もっと痛めつけたいし、不完全燃焼も良いところ。そう思った私は龍砲以外の装備を全て解除した。そのかわりに展開したのは連結させた双天牙月。
そしてそれをーー
「ふんっ!」
思いっきり投げた。が、それは掠るか掠らないかのギリギリで屑の横を通過した。
「ふ、ハハハハハ‼︎なんだ、今までのはまぐれか。死ね!」
ただあれが当たらなかっただけでまだ重火器の類は残っているのに、勝ちを確信したのか突っ込んでくる。
「はぁ…私が言うのもなんだけど」
【HEAT】‼︎マキシマムドライブ‼︎
「ラアアアアアッ‼︎」
ザシュ!
「獲物を前に舌舐めずり…三流が丸出しよ」
ボンッ…ドカアアァァァッッ‼︎
【し…勝者、凰鈴音!】
【ある意味僕等も舌舐めずりしてなかった?】
「どこを部位破壊するか考えてただけよ」
パロ多かったすね…今回。甲龍魔改造しすぎ?