うちの姉様は過保護すぎる。   作:律乃

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【うたわれるもの 偽りの仮面】とのクロスオーバーです。

今回の話は歌兎と切ちゃんが偽りの仮面の主人公・ハクさんと出会う場面まで書きました。
文字数は少なめなので、すらすらと読めると思います。

では、本編をどうぞ!!

※このクロスオーバーは新ストーリーの設定を採用してます。


クロスオーバー:うたわれるもの
001 しょうかんせしもの


1.

 

「すっかり秋になって、寒くなりましたね……」

 

 そう言って、肩からズレている僕の黒い線が入った黄緑色のカーディガンを直しながら、大胆に肩をさらけ出している黒い✖️(ばってん)の所をさすっている姉様へと直してもらったカーディガンを脱いで渡そうとする僕の頭を"お姉ちゃんは大丈夫だから着てなさい"とポンポンと撫でてから、腰を落とすとちょんちょんと近くにあるコンビニを悪戯に笑ってから指差す。

 数分後、コンビニから出てきた姉様と僕の間には小さなコンビニ袋があり、左右の持ち手を其々握るとシラねぇとマリねぇ、セレねぇとカルねぇが待つマンションに向けて歩き出す。

 ガサガサと音を当てて、中から出した白い紙袋に入ったものを取り出した姉様は「熱いから気をつけて持つんデスよ」と注意してから僕へとその袋を手渡す。

 受け取った僕がゆっくり紙を開く中、豪快に破いた姉様は中から飛び出してきたほかほかと湯気が立つ白い円状のものに齧り付くと忽ちにっこり笑顔へと早変わりする。

 

「寒い季節になったら肉まんと相場は決まっているのデスッ! あむ……うん、おいしいっ」

「…ん、おひい」

 

 手間取りながら、紙を開いた僕は中から飛び出してきたほかほかと湯気が立っている白い円状のものこと肉まんへと「ふぅ……ふぅ……」と息を吹きかけながら、齧り付くと忽ち中からじゅわ〜ぁと肉汁が溢れ出しては舌を濡らし、粗挽き肉本来の甘みを与え、もぐもぐと食べ進めていくとコリコリと歯ごたえの良いタケノコが食感を楽しませてくれる。

 肉まんをちびちびと食べ進めていく僕の嬉しそうな顔に満足したように微笑んだ姉様がもう一口肉まんに齧りつこうとしたその瞬間、辺りが白景色へと早変わりして、僕と姉様は両目と口をまん丸にしてからその場に立ち尽くす。

 

「……へ?」

「……デ?」

 

 確かにさっきまで僕達は見慣れたビルやマンションが立ち並び、行き交う人々や広告などの音が溢れた見慣れた風景にいたはずだ。

 なのに、どうして……。

 

「ふぁぁ……」

 

 今の状況に戸惑いながら、何か情報を集めるため辺りを見渡す僕の方をジィーーと見て、まん丸だった瞳をキラキラとした好奇心に変えた姉様に"なに?"の意味を込めて、小首を傾げてから上目遣いすると姉様は何故か頬へと朱で染めると改まった感じで僕へと尋ねる。

 

「歌兎、ギュッてしていいデスか?」

「…へ? ね、姉様がしたいならどうぞ」

「なら、失礼して……」

 

 腰を落としてから僕の視線へとなった姉様はどこか興奮した様子でギュッと僕を抱き寄せてから髪の毛を撫でた後にすぅ……とお尻へと手を向かわせ、そこから生えているもの(・・・・・・・・・・・)を無邪気に手つきで撫で始める。

 そこを撫でられた瞬間、ゾクゾクと不思議な感触が背筋を走って、脳へと流れては困惑する僕を鼻息がだんだんと荒くなっていく姉様は既には年頃の乙女がするべきでない色々と緩みにゆるかった顔を僕の顔……詳しくは耳へと押し付けると僕の疑問を解いてくれた。

 

「あぁんもう〜ぉ。いきなり変なところに来たかと思ったら、宇宙一可愛いうちの妹にもふもふふわふわの耳と尻尾が生えてるなんてここは天国デスかッ。ええ、ここは間違いなく天国なんデスねッ。いい行いしてたあたしのことを神様は見守ってくれてたんデスねッ!! ありがとうございます……あたし、今すごく幸せデス。大好きな妹のこんな可憐な姿を見れて……」

 

 興奮したようにまくし立てながら、僕へと熱烈な頬ズリと抱擁(おうよう)、なでなでを心ゆくまで行った姉様は幸せそうに「ふぅ……」とやけに色っぽい吐息を漏らした後、その場に跪き、この世界の神様? へと感謝の祈りを捧げていた。

 そんな姉様と異なり、心ゆくまで色んなところを隅々までモフられた僕は大事なものを多く失った気がししながら、その場に崩れ落ちて、荒くなる息を整えていた。

 その時、自分の状況を確認すると姉様が言う通り、僕のお尻付け根からはふさふさと白銀の狐の尻尾が生えており、いつの間にか耳も普通の耳から白銀の狐の耳へと早変わりしていた。今の自分の状況を受け止めるのに時間が掛かり、僕は暫く項垂れるのだった。

 

「…むぅ」

「う、歌兎ごめんね……」

 

 数分後。

 息を整え終えた僕は必死に頭を下げる姉様から視線をプイッと晒すと頬を膨らませていた。恐らく、あの数分に僕は多くのものを失ったのだ。これくらいの反抗期許してもらえるだろうと僕の反抗期に既に半泣き状態になってる姉様を横目にその場を見渡していた僕は枯れ木を掻き分けて、現れたそれに目を見開くと姉様の手をとって、その場から逃げる。

 

「う、歌兎……?」

 

 さっきまで不機嫌状態だった妹がガッシリと自分の手首を掴んでから血相を変えて逃げているのだ。訳も分からないし、困惑もするだろう。

 

(と思ったけど、姉様は嬉しかったみたい)

 

 時間にして30秒くらいだったと思うのだが、その間だけでも冷たくされたのが堪えたらしい。自分の手首をギュッと握る小さな手を見つめた後に嬉しそうな笑顔を浮かべるとようやく背後から聞こえてくる奇妙な音に気付いたのか、後ろへと振り向いた瞬間、その幼さを残しつつも美人と評される顔立ちは恐怖と困惑へと変わる。

 

「なんなんデスか〜ぁ!! アレェエエエエエエエエエ」

 

 前を走っていた僕をいつの間にか追い越した姉様は隣を走っている僕をお姫様抱っこすると絶叫しながら、ギグザクに枯れ木をぬぐいながら、白い絨毯のように思える雪道を全力疾走する。

 

「ギヤァアア」

 

 そんな僕達を一度ロックオンしたアレは不気味な声を上げながら、追いかけてくる。

 僕達を追いかけるアレとは巨大な蠍のようなモンスター? で、全長は僕の数百倍で小さな小山くらいあると思う。色合いは気味が悪い緑のような青のような感じで……確かに前の世界でも巨大なノイズやアルカノイズと対峙したことがあるし、倒したりもしたけど、あんな如何にもヤバそうな蠍と戦ったことはないし、感でも思いつきでもない本能があの蠍とハサミを一撃食らったら終わりと告げている。

 

「ギア纏えないんデスか!?」

「…駄目だと思う。さっきから聖詠が胸に浮かばない」

「くっ。どうするデスか……このままではあたしも歌兎もアレに……でも、ここであたしも歌兎も死ぬわけにはーーあいたっ」

「痛……なんだよ……」

 

 前を見て走ってなかった姉様がぶつかったのは、緑色の病衣に身を包んだ鶯色の髪をした幸の薄そうな20代後半くらいのお兄さんでーー

 

 

 

 ーー僕と姉様はまだ、このお兄さんとの出会いが運命だとは気付かないでいた…………。

 

 




ということで、歌兎もうたわれるもので暮らすデコイと同じように耳と尻尾が生えました(笑)
普通の耳は白銀の狐耳へと変わり、お尻の付け根からはふさふさの狐耳が生え、姉様は大喜び。完全に我を忘れてましたね……(失笑) そんな姉様のせいで多くのものを失った気がする歌兎は果たしてどんな風にモフられたのでしょうか、姉様に……。
でも、私も姉様の立場なら間違いなく、歌兎をモフらまくりますねッ!! ふっさふさの狐の尻尾が目の前にあるんですよ……これがモフらずにいられますかッ(鼻息が荒くなる変態作者)

って、早速変態なコメントをすいません……(大汗)
これから先も変態なコメントが多く見受けられると思うので、苦手な方は回れ右をよろしくお願いします!!(敬礼)

話を戻しまして、解説ですがーーーーこの世界での切ちゃんの武器は後々出てきますが【薙刀】、歌兎は【小太刀の二刀流】となってます。
また、ギアは纏えませんが……切ちゃんはイガリマの【魂を両断する】能力を
歌兎はメギンギョルズの【自身・味方の能力・力を倍増させる】、ミョルニルの【投げた物が帰ってくる・どんなに叩かれても壊れない】の能力を
使えることが出来ますが、歌兎はこの世界に召喚されたばかりなので、メギンギョルズの能力しか使えません。

因みに、二人のレベルは5です(笑)




さて、ここからはXVの12話の感想を書きたいのですが……その前に前の回で書き忘れていたことを書こうと思います。

まず、10話での切ちゃんによる『翼先輩』呼びッ(大興奮)
今までのシリーズでクリスちゃんが翼さんの事を『先輩』と呼ぶことがありましたが、他の人が翼さんの事を『先輩』と呼ぶことはなかったですよね!? なので、このシーンはすごく印象に残っているんです……戸惑う翼さんの手を握る響ちゃんと後ろに並ぶみんなの微笑みがうるってきましたし……(号泣)
しかし、切ちゃんいきなり翼さんを『先輩呼び』ってどうしたんだろ……単にクリスちゃんの真似をしたと考えられるけど、ここはやはり二人で秘密裏に温泉旅行に行って、密会して色々と親密になったからではないでしょうか!?(9割冗談1割本気)
という9割がた冗談を言ったところで、続いて11話の翼さんとマリアさんがユニゾンしたところですね!
前でも言いましたが、ここでGのライブシーンの再現はヤバイっス、号泣しちゃいます。
特に『スターダスト』で横並びの二人がかざしているそれぞれの武器が不死鳥になるところとかもう……何度見返しても鳥肌が立って(ゾクゾク) 翼さんの刀? 剣? がタイミングよく炎を吐き出すのもいいですよね! あと、翼さんとマリアさんにプロレス技を決めるミラアルクさん……あんな薄手であんな風に首に絡みついたら、絶対アソコに当たってますよね……何がとはいいません、これ以上言ったら流石にヤバイと思うので。


ここからは12話の感想ですが……

まさかの翼さんとマリアさんがユニゾンしている時から……時を遡ってのストーリーとなるとは思いはしませんでした。

そして、一人……いいえ、二人でシェム・ハの野望を阻止しようとするエルフナインちゃんとキャロルちゃんに涙が……(ぽろぽろ)

しかし、大人の時と違い、万全じゃないキャロルちゃんと違い、万全なシェム・ハを止めることは二人には出来ず……地面に倒れるキャロルちゃんが『シンフォギアァァァァ』と叫ぶシーンがなんとも(涙)

あぁ、ダメだな……今回のシーンは全部通して涙が止まらんです……。

続けて、ヴァネッサさんと響ちゃん、クリスちゃんとの戦闘ですが……もう胸が痛い、張り裂けそう……。
そうですよね……三人はただただ"普通の女の子・女性に戻って、みんなと仲良くしたかった"だけなのに、シェム・ハに完全な化け物に作り変えられてしまって……完全な化け物になってしまった自分達に手を差し伸べてくれるのはもう居ないと決めつけてる。
ヴァネッサさん、冷静になって前を見てみてください……あなたは居ないと決めつけるけど、化け物だろうと何であろうと手を繋ぎたいと言ってくれる優しい子が、その子によって変えられた子達が居るんです。彼女達はあなた達を絶対見捨てない優しい人達なんです。
ほら、とどめを撃たれると思って身構えたその時、守ってもらったでしょう? クリスちゃんのセリフに感動し、納得したのならば彼女達と手を取りあってほしい。

しかし、 そうはいかないのはシンフォギア。

ヴァネッサさんにも自分の分身を潜ませていたシェム・ハ。
本当に腹ただしいけど……CVが日高のり子さんだから、素直に憎めない……。
しかし、シェム・ハが神の中で反乱を、自分が支配者はなろうとしなければこんな惨劇は起きなかったんですからね!? うん、やはり許すまじ、シェム・ハ!

そんなシェム・ハによって爆発される月の遺跡からノーブルレッドの三人によって助けられる装者のみんな。
ヴァネッサさんがいう『呪い』という言葉へと『呪いは祝福へと変えられるはず』と返答した響ちゃん……なるほど、あのラーメンのシーンはここの伏線だったのですね……。
そして、ノーブルレッドのみんなが消えてしまう前に、ヴァネッサさんが言った『ありがとう』には『大嫌い』と別の意味が込められていると思います。

最後はシェム・ハの『流れ星……落ちて、燃えて、散って……』………このセリフを未来ちゃんが言って、未来ちゃんの瞳に流れ星が映るっていうのが泣ける……。未来ちゃんと響ちゃんにとって流れ星は特別なものだと思うので。

『そして』
みんなの新しいエクスドライブが解禁されましたねッ!!
みんなゆらゆらしてる……すっごいゆらゆらしてる……かっこいいし、可愛い(照)
そんな中で一番の変化が見れたと思ったのはは切ちゃんですねッ!!
一瞬、新キャラかな? って思っちゃったもの……いやーまさか、髪の毛が伸びるなんて………ね。
ショートヘアーの切ちゃんもいいけど、ロングヘアーの切ちゃんもいいですな〜♪ 可愛いに違いはありませんが、どことなく大人びているようにも見える……いい作画ありがとうございますッ!!

違うといえば、今までのエクスドライブでの調ちゃんは黒髪をギアへと収納していましたが、今回は収納されてませんでしたね!? ストレートというよりも少しふわっとしていて、大変トキメキました。

ときめいたといえば、やはり響ちゃんはイケメンですね。最後の静止画、かっこよすぎでしょう……。
また、響ちゃんのマフラーが赤に染まっているところを見て……あぁ、なるほどと思いました。奏さんがエクスドライブで首に巻いているのは赤の三角巾ですからね。

さて、来週で最終回となりますがどうなることやら……楽しみに待ちたいと思います。

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