世界を騙す記憶の雨。   作:傘差し兎

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灰色の世界始まり。

 

記憶を、壊す。

記憶の中の私を。あの日を。

それに付随する全てを、壊す。

いつまで続ければ良いのだろうか?

こんな事に本当に意味はあるのか?

何度もそんな疑問が頭をよぎった。

それでも続けるしかないのだ。

私は守りたい。失いたくない。

だから私は続けるしかないのだ。

その結果私が、世界に忘れられる事に

なってしまったとしても。

 

時刻は7時30分。

ピピピピッという単純でいて耳障りな機械音が響く。

目を覚ます少年。

朝、窓の外、空が見えないほど厚い雲に覆われた灰色の景色を見つめて呟く。

「そろそろ梅雨か…憂鬱だな…。」

彼の無個性さを如実に表したモノクロの部屋に差し込む灰色の光。

その味気のなさに顔を顰めた彼はのそのそと着替えを始める。

ありふれたブレザータイプの制服。

高校3年。彼は学生である。

 

学校までは自転車で20分ほど。

念のため傘を持っていったが、

登校中、雨に降られる事は無かった。

「進学希望の生徒は放課後3-6の教室で…」

先生の話を聞き流しつつ朝のHRを済ませ、

1時限目、2時限目と授業を受ける。

ちなみに彼に友達らしい友達はいない。

まあ、彼が作ろうとしていないのだから

仕方の無いことかもしれないが。

昼休みにやることと言えばスマホゲームか

他の生徒の話しを盗み聞きする事くらいだ。

「新しいガチャの排出率クソすぎ…」

「あの子が家出したらしい。」

「彼の母親が怖すぎて…。」

そんなこんなで3時限目と4時限目も終わり、

帰りのHRである。

(3年生は午前で授業が終わるのだ。)

「それじゃあ帰りましょう。号令お願いします。」

「きりーつ。れー。」

適当な号令と共に生徒達は帰路につく。

 

放課後の教室、スマホを弄りつつ適当に時間を潰す。

人混みがあまり好きでない彼は毎回教室に残り、

人が減った頃に帰っているのだ。

(さて、そろそろ自転車置き場も空いてるだろ、帰ろ。)

いつも通りである。

そして退屈だ。あまりにも退屈。

悲劇のヒロインが思い描く

『尊い日常』のようというか…

どこか妄想めいている。

なんというか、『普通』過ぎるのである。

(まあ…こんな灰色の日々も思春期が終わる頃には受け入れているんだろう…って厨二病かよ…。)

そんな事を考えながら自転車を漕いでいると、雨が。

(最悪だ…やべっ!)

自転車にさした傘を取ろうとしたところ、バランスを崩し転倒してしまった。

 

「ってて…つっ…肘が…あれ…?」

おかしい、なんだ?この既視感は…?

昨日…雨で…血が…それで…俺は…。

そこまで考えたところで横から少女の声が。

「あの…大丈夫ですか…?」

「え、ああ、大丈夫です…あれ…?」

まただ、既視感…この女の子…誰かに…

「あの…傘…差さなくていいんですか?」

雨は勢いを増している。

 




勢いでグリグリ書いているので
見にくかったらごめんなさい。汗
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