N2さん、ふまるさんも誤字報告ありがとうございます。
似たようなパターンで誤字脱字をしていて本当に申し訳ないです( ̄▽ ̄;)
さて、お待たせしましたべジータ襲来。
たかがべジータだろ? なーんて思う方はいないと思いますがそんな方に朗報です。
彼、すんごいパワーアップしとるんじゃよ(´・ω・`)
理由は本編でご確認を。詳細はまだしばらく先ですけどねー。
それにしても前回はすいませんでした。言われてみればこれ完璧にオリ主ですよね(笑)
タグ付けるのメンドイからか、大体そのことで運営さんから注意されるパターン多い気がします( ̄▽ ̄;)キヲツケネバ
ここはレッドリボン軍クリムゾン総帥の執務室。大量の書類に紛れて置かれた新聞には『レッドリボン軍、国王軍と電撃和解』の文字が踊っている。
現在、地球最大トーナメントを大好評の内に終えることができたクリムゾンだが、残った後始末に頭を抱えていた。
具体的には消滅した人工島の再建である。
あの島には今後も大会を開催する予定で色々な設備を建設中であったし、一般参加枠として宿泊施設も建設していた。
それがまさかのオジャンである。人工島を再建しても余りあるほどの大黒字だったとはいえ、再び建設に伴う諸々の苦労を抱えるのかと思うとクリムゾンは思わず目頭を揉みほぐすのであった。
「パパ、大丈夫?」
「ん? スカーレットか。学校はもう終わりかい?」
執務室に入ってきた人影を見てクリムゾンは思わず微笑む。ノックをしたようだが気がつかなかったらしい。
思った以上に集中している自分の疲労を感じ、クリムゾンはコーヒーをいれようと立ち上がる。
「コーヒーは飲むか?」
「飲むわ♪ うーんと甘くして!」
「太るぞ」
「ダイエットしてるから平気ですよーだ!」
舌を出しクリムゾンに反論するスカーレット。まだ幼いがゆえに実質スカーレットに出すのは甘いカフェオレだが、このやり取りが楽しいらしく毎回恒例となっている。
今年から小学校に通う娘だが、なかなかにませている。ついこの間まではピッコロに肩車されながら触覚を引っ張っていたなどと考えられないほどに成長した。
これがつかの間の幸せだとしても、それを逃したくないとクリムゾンは強く思う。
「……どうかしたの、パパ?」
「いや、なんでもないさ。それよりラディッツはどうしてる? お前のボディーガードをちゃんとこなしてるか?」
べジータ襲来までの間、クリムゾンは自身の護衛をピッコロに専念させラディッツをスカーレットのボディーガード兼運転手としていた。さりげなくエアカーの運転を一日でマスターする辺り、ラディッツの器用さが窺える。免許はもちろん身分も偽造したものだが。
「う、うん! ラディッツさんすごく真面目だし、かっこいいし、えっとえっとそれにね……!」
「……うん、よくわかった。ちょっとパパ、ラディッツに話があるから行ってくるね」
娘に早めの思春期が来たことを認めたくない親心だろうか。
クリムゾンは人造人間の技術を利用して開発したスーツケース型パワードスーツを手に部屋から出ていった。
その後ラディッツは『サイヤバスター』と呼ばれる追加装備を身に付けたクリムゾンに三時間ほど追いかけられたそうな。
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北の荒野で戦士達が集っていた。
ユンザビット高地。地球を戦場とする場合、他にも適当な場所はあったが最も人里離れた場所でこの場所が選ばれていた。
「いよいよか……」
場所はピッコロにとっても感慨深い。かつて宇宙船を取りに来た際わずかばかりに引き出された過去の記憶が、寂寥感を伴って朧気にピッコロの脳裏を過る。
「べジータ達の誘導は問題ないのか?」
ラディッツは後ろに控えるクリムゾンに訪ねる。
「ああ、アタックボールとかいうあの丸形ポッドの誘導装置に関しては、フリーザ軍が使っていたものよりよほど高性能のものを以前ブルマが開発してくれたからな。お前の時同様、問題なく設置した誘導ポイントに着陸するはずだ」
クリムゾンは何度かメンテナンスを加えたアタックボール誘導装置を指差し、自身もまた準備を整える。
待機させていた円柱状のマシンに入ると、彼の全身に分解されていたパワードスーツが驚異的な早さで組み上げられ装着されていく。
レッドリボン軍試作パワードスーツRR-04。現在兵士らが使っている最新型のRR-03のひとつ先を行くスーツである。
クリムゾンの義眼と連動し脳波と直結して動くためほぼラグなしで動くことができる。クリムゾンの戦闘力を最大3000まで強化するこのスーツだが、これは別に彼が戦うために着ているのではない。
そもそも戦うつもりなら試作品のサイヤバスターを持ってきている。これはあくまで戦闘に巻き込まれても即座に距離を置くための措置であった。
「さて、おいでなすったぞ」
クリムゾンは義眼に入った情報から上空を見上げる。するとそこには確かにたった今大気圏を抜けて地上へと落下してくる
距離約200メートルの地点に着陸するべジータ達。悟空を含めた八人はそれらを警戒しつつまだ気を解放はしない。
やがてアタックボールが開くと、そこから三人のサイヤ人らしき男達が現れた。
「べジータ様の言うとおりだったな。やはり奴等、アタックボールの軌道を誘導できるらしい」
最初に降りてきた男を見て一同が驚く。肌の色こそ浅黒く、着ているものは肩当ての大きなバトルジャケットだが、その姿はあまりに似すぎていた──孫悟空と。
「だがよターレス、こんな辺境にそんな科学力があるとは思えねえけどなあ? でもあるとしたらフリーザ様へのいい土産ができたんじゃ……おっと、もうそんなくだらねえことは考えなくてもいいんだったな!」
笑いながらアタックボールから降りてきたのは
「ターレス! ナッパ! おしゃべりはそこまでにしておけ。……ほう、ラディッツ。貴様随分と強くなったな。スカウターで測らずとも感覚でよくわかる」
最後に降りてきたターレスよりも頭ひとつ小さい男。彼こそがべジータ。かつてラディッツによって挑発された男である。
悟空とラディッツは驚く。彼から感じるパワーが、
「そっちこそ、随分と鍛えたらしいな。俺に馬鹿にされたのが堪えて、必死こいて修行でもしたか?」
ラディッツは冷や汗を流しつつ挑発する。べジータが秘める底知れなさを警戒しつつ、少しでも情報を引き出そうとしていた。
「くっくっく、哀れだなラディッツ。隣にいるのがカカロットか? 悪いが修行などという効率の悪い手段を俺は使っていなくてね。この星へ来たのも、そっちが目的なんだよ」
べジータは懐からひとつの
「今すぐこいつを蒔いてもいいんだが、せっかくだからお前達には見せてやろう。サイヤ人の王であるこのべジータ様の超パワーをな……!!!」
言うなり気を解放するべジータ。その隠された実力に、悟空、ラディッツ、ピッコロも同じように気を解放するが、誰もが驚愕を隠せなかった。
「な、なんてこった……! こんなの、次元が違いすぎる……!!」
クリリンは自分の認識が甘かったのを自覚した。クリムゾンから聞いていた時点でのべジータの強さを上回っていたというのもある。
だが現実として、目の前のべジータは怖気を震うほどの強さを見せつけていた。
「お前らは俺が遊んでやるよ!」
驚愕するクリリン達の前に、禿頭の大男が立ちはだかる。
「クリリン避けろっ!」
「えっ……」
咄嗟に天津飯が叫ぶが、クリリンは自分の目では捉えることもできず、ただナッパに蹴られるままに首を折られる。
「ク、クリリン!」
慌ててヤムチャが駆け寄り回復しようとするが、それを許すナッパではない。
「はっはっは! 羽虫共がぁ!」
「させるかぁっ!」
ナッパが振るった裏拳でヤムチャの援護に回った天津飯の腕がもがれる。
「うあああっー!」
かすっただけで受けた致命の一撃が天津飯に激痛を与え、思わず失った腕を庇うようにして天津飯はその場にうずくまる。
「潰れなっ!」
ナッパの足がうずくまる天津飯の頭上に迫る。
しかし、それはどこからともなく撃ち込まれたどどん波と、ナッパに体当たりを仕掛けた巨漢ボラによって防がれた。
「天津飯、無事か?」
「あまり頭に乗るなよ、でくの坊が」
桃白々はさらに追加のどどん波によってナッパを撃つが、さすがに今度は防がれてしまう。
その間にボラは目配せをして、ヤムチャに天津飯とクリリンを運ばせる。
隙さえ見出せればこの中でもっとも早いヤムチャである。彼は天津飯とクリリンを救出すると、自身の能力では回復しきれないと判断し各々がひとつずつ持つように渡された仙豆を与える。
「……か、かはっ! 助かったぞ、ヤムチャ!」
「……うう、死ぬかと思ったぜ」
天津飯とクリリンは今の一瞬の邂逅でナッパの実力が自分達より数段上にあることを見抜いていた。
「いや、構わない。俺はそのために鍛えてきたんだからな。……だが、なんだってあいつらこんな異常に強くなっているんだ。クリムゾンさんが何か間違えたのか……?」
「……どうやらそのようだ」
「ク、クリムゾンさん! こんな近くに出てきたら危ないっすよ!」
パワードスーツの顔部分だけを開けて話しかけるクリムゾン。そのあまりの無防備さにクリリンは慌てて逃げるように促すが、クリムゾンはまるで話を聞いていないかのようにそれを聞き流してしまう。
彼はナッパやターレス、ベジータの着けているスカウターから違和感を感じとる。
「……なるほど。そのスカウターは単なる飾りか。さきほどの会話からもそうだが、お前達どうやらフリーザ軍ではないようだな?」
「ご明察。あんたがこいつらの黒幕かい? 随分と達人を集めたみたいだが、俺たちには敵わない。大人しく従えば奴隷として飼ってやってもいいぜ」
クリムゾンの問いかけに答えたのはターレスだった。
突然クリムゾンはパワードスーツを解除する。
いつもの軍服姿に戻ったクリムゾンは自信満々にターレスへ近づいて辛辣に宣言した。
「断る。貴様らこそ大人しく俺に忠誠を誓え。せいぜい便利に使ってやる」
身長はクリムゾンの方が大きいが、戦闘力は圧倒的にターレスの方が上である。
冷や汗ひとつかかずに自分を挑発するクリムゾンをターレスは警戒し──横合いからの斬撃を察知して咄嗟に後ろへ跳んで避ける。
「ちっ、外したか」
ターレスは避けたつもりだったが、肩口のアーマーが切り落とされているのに気づく。
(今のがこいつの自信の源か……? いや、違う。なんだ、何を狙ってやがる)
未だ見たことのない未知の態度を取るクリムゾンを警戒するターレス。
一方、べジータと対峙する悟空、ピッコロ、ラディッツの三人は後ろで起きている出来事に気づいてはいたがまるで援護できずにいた。
「ふん、そこのナメック星人は知らんが、ラディッツにカカロット。王としての慈悲だ。お前達もサイヤ人ならばこのべジータ王に従うがいい。これまでの非礼を詫びて平身低頭すれば、奴隷として生かしてやらないでもないぞ!」
「嫌なこった。それに貴様は俺達を下級戦士と侮っているようだが、努力が才能を上回る現実を教えてやるぜ!!」
ラディッツは自身の気を解放し、今のべジータに匹敵するだけの力を引き出す。余談ではあるが、今回ラディッツの着ている服装は亀仙流の道着である。これは戦いに赴くことを聞いた武天老師が気を使いラディッツに用意してくれたものであった。
短い間の師弟関係ではあったが、ラディッツはまたひとつ負けない理由ができたと覚悟を決めていた。
「素晴らしい戦闘力だ。俺たちのような手段を用いず努力でそれを成し遂げたというなら、俺も鍛えればそれ以上になれるということか……くっくっく最高じゃないか。では見せてみるといい。努力では絶対に上回ることのできない壁というものを教えてやろう……!!」
ラディッツは気づいていた。べジータがまだ
最後にべジータに会ったのが数年前とはいえ、同じ仕事を請け負うはずだったのだ。
だがラディッツと同じように
先程べジータは
ここまでの思考時間は一秒。
自分と同じようにべジータが隠す何かに気づいているらしきカカロットとピッコロが、最初から全開でべジータを打ち倒そうとしている気配を感じ取ったラディッツは、ならば自分の役割はその不意打ちを成功させることだと割りきる。
決戦の幕が、今切って落とされる……!!!
ロリっ娘キラーラディッツ爆誕(´・ω・`)!
どうしてこうなった( ^ω^ )♪
フル装備で来るくらいならどうしてクリムゾンさんいるん?
↓
自分の目でサイヤ人を見極める為というのがひとつと、状況次第ではスカウトしようと企んでいたので。スーツを脱いだのは「あ、これ着てても意味ねーわ」と気づいた。
ということで今回はいよいよべジータ襲来。ドラゴンボールCの際はここから物語の運びかたに失敗したと思っています。ので、あちらのように襲撃→想定外の事態みたいなパターンには陥らないよう気を付けたいですはい。