ドラゴンボールR【本編完結】   作:SHV(元MHV)

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前回は誤字しまくりですいませんでした( ̄▽ ̄;)
書き直しまくったせいもあります(言い訳)
報告していただいた歌舞伎rocksさん、hisaoさん、ふまるさん、さんたつさん、ありがとうございます。
また以前の話を報告してくれた人類に逃げ場なしさんもありがとうございます。

さて、今回はタイトル通りいつぞやのクリムゾンの台詞が光ります(´・ω・`)
でも前半はヤジロベー無双(笑)
フリーザのときもそうですが、コイツいなかったら詰んでます。たぶんこの作品で一番のジョーカーです。


第46話【服毒】

……セルとの戦いが激化する中、南の都のある大陸にて。

 

そこのジャングルで、ヤジロベーは人知れずセルジュニアらと戦っていた。

 

「ぐぎょっ!?」

 

気の量で言えば、それこそ恐竜と蟻ほどの差があるだろう。

 

だがしかし。

 

セルジュニアらを一方的に追い詰めているのは、ヤジロベーの方であった。

 

「おみゃーらで最後だで。ちゃっと逝ね」

 

一見無造作に振るわれた刀がセルジュニアを脳天から真っ二つに切り裂く。

 

残るセルジュニアらは6体。彼らは焦っていた。すでに20体以上のセルジュニアが目の前の男によって葬られているからだ。

 

何を隠そうこの男ヤジロベーは、世界各地に隠されたセルジュニアを全ていぶりだし退治していた。その数約400体。

 

「ググ……! こうなったら、()()をやるしか……!!」

 

「だがそれをすれば我々は!?」

 

「このままこの男に殺されても同じことだ!」

 

セルジュニアらが何やら相談を始めるが、ヤジロベーにそれを待つ必要はない。斬り込まれ、またひとりセルジュニアが真っ二つになる。

 

「くっ……! 致し方ない、“同化”するぞ!!」

 

残る五体のセルジュニアらが組合わさり、溶け合っていく。

 

ナメック星人の切り札である“同化”。しかしそれをセルのような多細胞生命体が行った場合どうなるか。

 

──正解は、()()である。

 

「ゲエ……!!! ゲエエエエエエエ!!!!!!」

 

単純なパワーのみならピッコロにも匹敵するであろうセルジュニアの集合体。

 

さながらその姿は人と蜘蛛の混ざった異形であった。

 

下半身は芋虫さながらに肥大化し、足が左右に六本ずつ生えている。上半身も同じく巨大化したが、その瞳に理性の光はなく、だらしなく涎を口から垂らしていた。

 

「……ぶせゃーく(ぶさいく)(つら)しとるな」

 

ヤジロベーは刀を八相に構える。

 

「ゲエエエエエエエ!!!」

 

異形と化したセルは口腔にエネルギーを溜め始める。その威力は少なく見積もっても地球が崩壊しかねないほどのエネルギーであり、事実その大きさに離れた場所でセルジュニアと戦っている戦士らは気づいていた。

 

だがこのヤジロベーという男は、そんなものを悠長に待つような男ではない。

 

──ゾンッ──

 

一刀。その行為はまるで変わらない。

 

ただ淡々と振るわれたヤジロベーの刃は、無造作に異形のセル体内に存在する5つの核全てを切り裂いていた。

 

「エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!!!!」

 

醜く濁った声をあげて溶け崩れていく異形のセル。

 

ヤジロベーは最後にそれを見て呟いた。

 

「……食えんな」

 

こうして、地球を危機に陥れかねないセルの隠し札もまた、人知れず消え去った。

 

__________________________________

 

 

場面は再びクリムゾンとセルとの戦いに戻る。

 

桃白々は空中で戦うクリムゾンを見て思った。

 

初めて目の当たりにした彼の怒り。その凄まじさを。

 

セルに取り込まれたところで、幾重にも備えたクリムゾンのことである。ただでやられるとは思っていなかった。恐らく、何かしらの仕掛けがあるはず。となれば自分にできることは、それが整うまで悟空やベジータ、クリリンといった殺しきれる手段を持った者を守りつつ時間を稼ぐこと。

 

それが自分の役割だろうと桃白々は思っていたが、いざ本番となればきっかけがあったとはいえクリムゾンは自力で脱出して見せた。相変わらず仕事をさせない男である。

 

そんな桃白々の後ろからセルジュニアが迫った。

 

パワーで言えば遥かに上であるはずのセルジュニアであったが、桃白々は振り向きもせずに後ろ蹴りで体勢を崩すと、頭部へ向けて零距離でどどん波を発射する。

 

核を移動することも叶わなかったセルジュニアはその一撃で死亡し、全身をひくひくと痙攣させて倒れた。

 

「……やれやれ、やはり敵に回さなくて正解だったな」

 

思わずクリムゾンと初めて会った頃のことを思いだし、桃白々は苦笑した。

 

すでに粗方のセルジュニアは倒されつつあった。この場にいないヤジロベーが少々気にかかったが、先程感じた巨大な気が即座に消えたことを考えれば辻褄が合う。彼のことだから恐らくココ以外にいるナニカと戦いに赴いてるのだろうと。

 

クリムゾンとセルの戦いは徐々にセルが優勢を取り戻しつつあったが、桃白々はセルの敗北を疑ってはいなかった。

 

 

__________________________________

 

 

 

空中で幾度目かのクリムゾンの瞬間移動に似たナニカに対処したセルは、ようやくその正体に気づくことができた。

 

「そうか……! 貴様、()()()()()()()な……!!」

 

「気づいたか。ということは、やはり貴様も使えるということだな」

 

クリムゾンの変身したクリムゾンセルの元になったプロトセルには、桃白々によって殺されたギニュー特戦隊のグルドの細胞も使われている。

 

これによって彼の超能力を使うことができるクリムゾンであったが、クリムゾンの超能力使用にはもうひとつ秘密があった。

 

「ぐくっ……! 今度は金縛りか……!」

 

「そうとも! 気円斬!!」

 

クリムゾンは金色の瞳を輝かせ、()()()()()セルへと向かって気円斬を発射する。

 

ギリギリのタイミングでそれを躱したセルは、お返しとばかりに自らも無数の気円斬を発射する。

 

クリムゾンは直撃の瞬間時間停止を行い、さらに念動力でセルの気円斬を僅かに逸らしそれらを回避する。

 

「……ふむ、なるほどな。なかなか興味深い戦い方だ。恐らくだが貴様、超能力を何らかの方法で別の何かに制御させているな? そうでなければ、初めて使う時間停止や金縛りなどまともに扱えまい」

 

セルもまた、吸収の影響もあって同じ技が使える。しかしそのデメリットはセルをして想定外であった。どれもコントロールするのに、かなりの集中力を要するのだ。普通ならとてもではないが戦いの最中に併用できるものではない。これまではクリムゾンを警戒し、どちらも使用は控えていたのだ。

 

「正解だ。意外だな、超能力に興味があったか?」

 

「もちろんだとも。私は私が強くなれる手段をあまねく欲する。貴様が持つ制御方法も、いずれ必ず手に入れて見せようとも」

 

「やれるものなら、やってみろ!」

 

クリムゾンは再び超能力を併用した戦闘を開始する。しかし、種明かしが済んでしまった不意打ちはセルにはもはや通用しなかった。

 

「がはっ!」

 

先程とは逆に、クリムゾンが地面へと叩きつけられる。

 

時間停止による不意打ちは同じことをやり返されることによって防がれ、金縛りはセルがさらにパワーをあげることで通用しなくなってしまった。

 

ここに来て、地力の違いが浮き彫りになりクリムゾンは追い詰められていく。

 

──しかし。

 

「太陽拳!」

 

「……! 小癪な真似を!」

 

クリムゾンはとどめを刺そうとするセルの視界を封じて距離を取ると、無数の気弾を空中へばらまきセルを包囲する。

 

「魔空包囲弾!!」

 

「今度はピッコロの技か!」

 

次々と命中する無数の気弾を、セルはバリアーを用いて防御する。

 

さらに爆煙を貫き、魔貫光殺砲がバリアーを貫通してセルの脇腹を抉る。

 

「厄介な! 消えて無くなれぃ!」

 

「くたばれ……!!!」

 

不調な復元能力から再生能力へと切り替え傷を回復したセルはクリムゾンへとギャリック砲を発射する。

 

負けじとクリムゾンも胸の前で向かい合わせに構えた鉤状の掌の間に気を凝縮し、激烈光弾で迎え撃つ。

 

凄まじいまでのエネルギーとエネルギーのぶつかり合い。余波が下で戦う戦士や達人らを襲うが、それをピッコロが防ぐ。

 

「親父……!!」

 

ピッコロは感動していた。これまで人間として尊敬していた自らの義理の父親が、自らの技を用いて互角にセルと戦うその姿に。

 

叶うならば加勢したい気持ちを抑え、ピッコロは上空での戦いを見守っていた。

 

__________________________________

 

 

げに恐ろしきは人の執念。

 

セルは、そう思わずにはいられなかった。

 

自身にとって、パワーアップするための栄養程度にしか考えていなかった存在による反逆。

 

それは確実にセルから冷静さを奪った。

 

──だが、そんなクリムゾンの執念をもってしてもセルには敵わなかった。

 

「……認めよう。貴様という、クリムゾンという男の強さを。だがこれまでだ。最早油断も慢心もせん。私の全能力を持って貴様を消滅させよう」

 

クリムゾンは、満身創痍といった状態で膝を屈していた。

 

「……あれだけの手段を用いても正攻法では敵わないとはな。つくづく、地力の違いを感じさせる」

 

息は荒く、頭は冷静になりながらも、クリムゾンの瞳には未だ紅蓮の憤怒が燃え盛っている。

 

セルは片手に超能力を応用した、デスボールに似たエネルギーの球体を作り出す。

 

「これは先程のクウラとの戦いで学習した技だ。プラズマデスボールとでも名付けようか。この技は発動されれば最後、貴様のエネルギー吸収能力をもってしてもどうにもならん特殊な力場を発生させる。終わりだ、クリムゾン」

 

「……そのようだな。()()()()終わりか」

 

意外なほどに焦ることも立つこともしないクリムゾンの様子をセルは訝しむ。

 

目の前の男が、ただ座して諦めることなどするはずがないことを、セルはこれまでの戦いで学習していた。

 

「やはり貴様は危険だ。だが存外に得るものはあったぞ。未知数の相手は即時殲滅に限る、とな」

 

「……くくっ……ふっくっく……」

 

セルの言葉を聞いて、クリムゾンは不意に笑い出す。まるでその言葉が今さらだとでも言うように。

 

「何が、可笑しい……?」

 

()()()()か。残念だったなセル、それは10日前に気づいておくべきことだ」

 

クリムゾンの口角が笑みの形に歪んだ。

 

「ぬがっ……!!」

 

途端、セルの全身を激痛が苛む。単なる痛みではない。よりによってセルにとって最も重要である“核”の部分から走る痛みである。

 

「ごああっ……!!! あああうぐっ……!! ぎいやああああああああ……!!」

 

「痛かろう、苦しかろう。だがな、俺の娘が味わってきた痛みは……こんなものではないぞ!!」

 

クリムゾンは再びセルの腹部を殴る。すると、これまでと違い殴られた時のセルの表情が痛み以上に深刻なものとなる。

 

「か、かかっ……!!」

 

セルは“なぜ”とでも言いたげに顔をあげるが、クリムゾンは容赦せずその顔面に膝を叩き込む。

 

「少々時間はかかったが、外から核を固定させてもらった。これで貴様はもう“ヴェノム”から逃れることはできん」

 

「ば、馬鹿な……! この私の細胞に、毒などが……!」

 

「お前は自慢の体内に、一体()()を取り込んだ? 未知の敵を相手に、この俺がなんの備えもしていないとでも? セルを開発している段階で、自分がその犠牲になる可能性を考えないとでも? 俺の体内には、()()()()()()()()()()()()()()()()()。言っただろう、貴様は俺を取り込んだことを後悔すると……!」

 

「ち、ちくしょうがっーーーー!!!」

 

セルは無理矢理体を動かしクリムゾンを叩き潰そうとするも、それはあっさり躱される。

 

「動けなくなるまで待ちはしない。確実に貴様を殺す」

 

再びクリムゾンの金色の瞳が輝き、その手に先程セルが作ったプラズマデスボールを生み出す。

 

もはや喋ることすらできないセルはそのことに驚愕するが、クリムゾンはそれを空中に掲げさらに大きさを増幅させる。

 

死の雷球(プラズマデスボール)か。ではさしずめこれは、災厄の雨(ディザスターレイン)といったところだな」

 

クリムゾンは空中に浮かべたプラズマデスボールを円盤上に広げると、そこから同じ性質の細いレーザーを無数に発射し始める。

 

「悪いが細胞の一片とて残さん。気の性質を持ったプラズマで、文字通り消滅させてやろう」

 

「い、いやだ……! よせ、やめろぉぉぉぉぉぉぉっーーーーーー!!!!」

 

激痛に喘ぎながらセルが叫ぶ。しかしその返答は決まっていた。

 

「嫌だね」

 

無表情で怪しく金色の瞳を輝かせながら、死刑執行の手が振り下ろされる。

 

災厄の雨は降り注いだ後も繰り返し繰り返しセルを焼き尽くし、最微塵以下の存在として完全消滅させた。

 

ここに、次元を越えて現れた災厄は消えてなくなった。

 

 

 




実は最初ヤジロベーの方が最後に来ていて、全部持っていかれそうで慌てて前半にしました。なんていうかこの作品において彼の存在が地味に運命を破壊している存在だったりします。
どうしてこうなった(´・ω・`)
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