やはり俺の高校時代の友人達との旅行は間違っていない、はず   作:司咲 雪二

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2ヶ月……、いつのまにかそんなに経ってしまいました。
大変お待たせいたしました。
ちょっとアレがアレしてアレだったので……
それでは本編です


俺の彼女の不安事は

「……んっ 」

 

目を覚ますと、窓から見えていた夕焼けは無く、すっかり日が暮れ空が真っ暗になっていた。

 

「起きたか 」

 

「俺、どれくらい寝てた? 」

 

「二時間くらいだな、疲れてんだろ 」

 

意外とがっつり寝てたのか。……なんか腕痺れてんな。それに妙に抱き心地がいいものがあるんだが、

 

「すー…すー……」

 

ふむ、この俺の腕の中で眠っている者に対しての考察を始めよう。まずこのアホ毛、比企谷家特有の遺伝かなんからしく、もちろん八幡は俺の目の前で座ってるから違うとして(むしろ八幡だったらいろんな意味で怖いわ )、となると小町しかいないんだよなぁ……、もう犯人(?)解明しちゃったよ。見た目は子供、頭脳は大人な名探偵もびっくりの速さだね! 真実は、いつも一つ!

少し視線を下げると、当の本人はなんとも気持ちよさそうに寝てらっしゃることで。

こほんっ、さて。とりあえず心の中でお約束的なことでもやりますか。

 

 

アイエエエエ! コマチ!? コマチナンデ!?

 

 

……はい、これが言いたかっただけです。いやでも驚いたのは事実だし。優しく小町の頭を撫でると気持ちよさそうに顔を綻ばせる。……寝てるんだよね?

 

「……おい司咲 」

 

「ん? どしたの八幡 」

 

「小町とは上手くやれてんのか? 」

 

「小町ちゃんからあまり聞いてない? 」

 

「あいつ『お兄ちゃんの前でお兄ちゃん以外の男の人の話しない方がいいよね? あ、今の小町的にポイント高い! 』って全然教えてくれねぇんだよ 」

 

「……俺、彼氏、だよな? 」

 

ちょっと不安になってきたんだが。あれ、目から汗が……

 

「多分話すの恥ずかしいんだろ、照れ隠しだろうから心配しなくていいと思うぞ 」

 

「そ、そうか。よかったぁ〜 」

 

これで内心冷めきっていて小町ちゃんに捨てられたら軽く死んじゃって背後霊になるレベル。……うん、ストーカーだな、しかもタチ悪いやつ。

 

「まぁ、小町に何かあったら俺と親父がお前を◯◯に行くからな 」

 

「目が笑ってねぇよ……、大丈夫だよ、俺にできる事、最悪死んででも小町ちゃんは守るから。 そん時は後のことは頼むよ〜 」

 

「縁起でもねぇ事言うなよ、お前がいなくなったらマッカン同盟がただのボッチになっちまうだろうが 」

 

「おっと、そりゃまずいな 」

 

二人してくくっと笑った。やっぱ八幡はいい奴だ。

 

「そういえば戸塚たちは? 」

 

「ゲーセンあるから行ってくるだとよ。俺は卓球で疲れたから先戻ってきたんだが、そろそろ飯だし呼んでくるわ 」

 

「りょーかい、行ってら〜 」

 

八幡がドアを閉めたことを確認すると、俺の腕の中でさっきから少しだけモゾモゾしてるアホな子に声をかけた。

 

「いつから起きてたの? 小町ちゃん 」

 

「あはは、やっぱりバレちゃってましたか〜 」

 

顔を上げた彼女は眉をひそめて、少し寂しそうに笑っていた。

 

「そりゃ時々服掴む手が強くなってたしね、多分八幡も気づいてたと思うよ 」

 

それだけじゃないんだけどね、なんか妙にアホ毛がぴょこぴょこ動いてたんだよな。あれほんとどうなんってんだろ。

 

「……あの、司咲さん 」

 

「ん? どしたの? 」

 

「……居なくなったり、しませんよね? 」

 

「どこから? 」

 

「小町のそばからです! お兄ちゃんも大事ですけど、司咲さんも大好きで、大事な小町の本物なんですからね! 守ってくれるのはとても嬉しいですけど、死んでもなんて、いなくなったら、嫌ですよ…… 」

 

あの時みたいに、と呟く。

……久々に小町ちゃんが大きな声出したな。今にも目から涙が溢れそうで、どこにも行かせまいと背中に手を回し抱き着いてくる。いつもは元気いっぱいで明るい小町ちゃん。でも、ちょっと不安にさせちゃったかな。俺の事を大好きと、本物と言ってくれる、この子が本当に愛おしい。小町ちゃんを抱き返し、優しく頭を撫でる。

 

「司咲、さん? 」

 

「俺が小町ちゃんを置いてどっかに行くわけないよ、そんなことしたら八幡とおやっさんに殺されちまうし。第一こんな奴好きになってくれるのなんて小町ちゃんぐらいだよ 」

 

目つきに関しては八幡といい勝負してるんじゃないか? 遠くのもの見ようとしたら近くにいた女性が小さく悲鳴あげたからな、あれは泣きそうになった。

 

「そ、そうですね。司咲さんのその鋭すぎて見た人心臓麻痺させるんじゃないかって目をした人と付き合える人なんて小町くらいですね! 」

 

「小町ちゃん? それはちょっと酷くない? 」

 

まぁ、いつもの調子を取り戻した小町ちゃんはいつもと同じように笑っている。この笑顔が見れるのなら、多少の罵倒もしゃあなしだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、小町ちゃんなんでここにいるの? 」

 

「ほぇ? ・・・あぁ!!! 忘れてた!? 」

 

この後風呂に行き、小町ちゃんの作戦、「ナイスバディ(笑) でメロメロにしてしまおう作戦 」は今後に期待ということで、終わったとさ。

是非も無いよネ!





次の投稿も未定です。年越しだけはほぼ確定でしょう……
相変わらずぐだぐだですが、次回もよろしくお願いします。

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