ソウルアクター   作:黄昏

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すいません!23日に投稿と言っておきながら、4日も遅れてしまいました!
USBメモリが帰ってこなかったんです!ホントすいません!


2話

高速を走る一台の車。

その中に一人の少女は自身の長い金髪を揺らし、

「やっと・・・やっとあの方に会える」

そこまで言って少女は、一度言葉を切り酷く(いと)おしそうに、

「待っていてください・・・アキトお兄様」

静かにそう呟いた。

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茹だるような7月後半の暑さの中、うちのクラスの担任が言った一言はクラスのメンバーを震撼させた。

「お前ら~明日から夏休みだけど・・・今日は転校生を紹介するぞ~」

「うぉぉ!どんな!どんな子ですか!?」

「かわいい子だといいな!」

「えー!カッコイイ人の方がいいよ!」

多分転校生のイベントはどこもこんな感じなんだろうな・・・。

「ねぇねぇ・・・アキトはどう思う?」

隣の席に座っていたアイリがそう話しかけてきたが、俺には聞こえなかった。

なぜならその時、俺の目線と思考は目の前の物に集中してたからだ。

[補習のお知らせ]

・・・つまるところ「お前ソウルのテスト駄目だったから補習だこの野郎」ってことだ。

もっと簡単に言うと「テメェの夏休み無しな!」ってこと・・・

「アキト~?補習食らって落ち込んでるのは分かるけど無視しないでよ~」

「あぁ・・・いいよな・・・補習ない奴は・・・」

アイリはいいよなぁ・・・今回の順位一位だし。

「あ、あのねアキト・・・実は・・」

そう言ってアイリが少し嬉しそうに出した物は、

[補習(ほしゅう)担当(たんとう)代行(だいこう)教師(きょうし)のお願い]

「は・・・は?」

補習教師の紙だった。そしてその紙を見た俺の口から間抜けな声が出た。

ちなみに補習教師ってのは補習を教師に代わって担当する生徒のことだ。

・・・もっと簡単に言うと「お前成績いいから忙しい俺たち教師の代わりに教えてやってくんね?」ってことらしい。

「これで夏休みは一緒だね!」

アイリは満面の笑みでそう言った。

「はぁ・・・おまえなぁ・・・!」

俺は溜息を吐き「そんなの受けなくてもいいだろ」と続けようとした時、

何かが飛んでくることに気がついた。

咄嗟(とっさ)に避けようとしたがソレが当たる方が早かった。

 

ドッパァァン!

「いってぇぇぇぇぇ!!!」

飛来してきたソレは俺のこめかみに直撃

破裂音を響かせて爆散した。

激痛の走るこめかみを押さえながらソレの飛んできた方を見ると、

「アカツカ~?アタシの前でいい度胸だねぇ」

撃ちの担任である鬼教師・・・もとい生徒指導担当のヘレナ・アレキサンドラ先生が何かを投擲(とうてき)した体制でイイ笑顔をこちらに向けていた。

補足しておくと、いい笑顔ではなくイイ笑顔だ。

恐らく飛んできたのはチョークだったんだろう。

その証拠にこめかみ押さえてた手が白くなってるし。

チョークが爆散するってどんな力だよ・・・

この暴力教師・・・

「アカツカ~?何か失礼なこと思っただろ?もう一発行っとくか?」

「いえ!なんでもありません!結構です!」

さすがにこれはいけない。

もう一発食らったら次は多分刺さる。

「そうかそうか・・・だが許さん!」

投擲とほぼ同時に、バチィンッ!と音が響きチョークが俺の額に直撃した。

爆散しなかったということは手加減してくれたんだろう。

だけどそれでもっ!

「痛ってぇぇぇぇ!!」

再び激痛が走り、俺は椅子から転げ落ちた。

大げさだと思うかも知れんが痛いものは痛いんだ。

「まったく・・・お前がそんなんだと転校生が入ってこれないでしょうが・・」

「転校生?」

そんな話いつしたんだ

「お前が話を聞いていないのが悪い・・・よーし入ってこ~い」

それと同時だった。

教室の前の扉が開き

一人の女子生徒が入ってきた。

そいつは入ってほんの少しあたりを見回し、

俺の方を見た瞬間にその顔に満面の笑みを浮かべ、ものすごいスピードでこちらに跳んできた。

「アキトお兄様ぁぁぁ!!」

俺を含めたクラスメイト全員が「はぁ?」と行動が止まるような言葉と共に。

無論彼女がこちらに跳びかかっている状態で止まってしまえば

ドゴスッ!

「ぬぐほぉう!?」

彼女を受け止める(悪くて回避)できるわけもなく、腹部に強烈な一撃をもらった。

しかも頭がいい具合に鳩尾に入ってッッ!

「ぐぉぉ・・・」

結論;めっちゃ痛ぇ!

「はぁ・・・一年ぶりのお兄様のにおい・・・幸せですわ・・・・・・・・・ってお兄様!?一体誰がこんなひどいことを!?」

「「「「「お前だぁぁぁ!!」」」」」

「ふにゃっ!?」

俺の腹に顔をうずめたまま軽くトリップしていた少女が驚きの声を上げ、クラス中からツッコミが入った。

「(あれ?・・・何か前にもこんなことがあった気が・・・)」

一年前の記憶が頭を過ぎった。

事故で入院してた俺の隣の病室に居て、よくこっちに遊びに来ていたショートヘアの女の子・・・そうか、こいつは

「髪が伸びてて分からなかったが・・・お前、フェリシアだな?」

俺のそんなつぶやきに少女は、満面の笑みを浮かべ、

「はい!お兄様!」

とても嬉しそうにそう言った。

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「さ~て、気を取り直して・・・転校生~、自己紹介~」

あの後一度場を収めたヘレナ先生が気だるげにそう言った。

「はい!フェリシア・コールブラウンと申します。前はエルディアータ女学院に籍を置いておりましたが、お兄様・・・コホン・・・

アキト・アカツカ様と一緒に学園生活を送りたいと思いまして、こちらのウェスタリア学園に転校させていただきました。今年16になったばかりで、本来なら皆様より1学年下ですが・・・これからお願いいたしますわ」

ヘレナ先生に言われ、先程の彼女・・・フェリシア・コールブラウンは静かに自己紹介をした。

今の自己紹介に少し補足説明をしておこう。

まずは、エルディアータ女学院

これはヴィンガルティア1のお嬢様学校だ。

生徒、教師、用務員、学園内に居るすべての人間が女性の女の園らしい。

あ、らしいってのは俺の後ろの男子・・・

「あの子・・・可愛いなぁ」

・・・訂正。茶髪のチャラ男

シュウ・スメラギから聞いたことだからだ。

こいつについてはまたあとで紹介しよう。

自己紹介にもあった通りフェリシアは俺達より1つ下の16だ。

これはこの国ヴィンガルティアの特徴である飛び級制度があるからだ。

まぁこれはあんまり関係ないな。

「よ~し、んじゃ質問タイム・・は帰りのHRにするとしておまえらー1時限目数学だから準備しとけよ~、後コールブラウンはこのまま職員室な。まだ手続き残ってんだ」

「分かりましたわ・・・それではお兄様・・・と皆様ごきげんよう」

そういってフェリシアは自身の金髪を(ひるがえ)しさっさと行きやがったヘレナ先生を小走りで追いかけて行った。

「なぁ!アキト!お前あの子とどんな関係だ!?」

フェリシアが出てすぐにシュウが声を上げながら肩を掴んできた。

さて、返答を考えつつこいつを紹介しよう。

改めて、こいつはシュウ・スメラギ

中等部からの親友だ。

現在は学園近くのマンションで一人暮らしをしている。

ちなみに実家はエルディアータのちかくにあるらしく、エルディアータ女学院に妹が通っているらしい・・・あったことはねぇけど。

ちなみにソウルは棍だ。

「どんなもこんなも・・・1年前にちょっち知り合っただけだ」

「1年前っていうと・・・アキトの入院中?」

そうかえしたのはシュウではなくアイリだった。

「あぁ・・・病室が隣でな・・・ちょくちょく遊びに来てな・・・そしたら何か懐かれた」

もっと詳しくとか言われそうだが、最初の出会いだってフェリシアが病室を間違えたからだしな。

「ふーん・・・まぁそれは帰りにあの子にも聞くとして・・・補習の内容考えないとね♪」

アイリのそんな楽しそうな声が俺の心を苦しめた。

□■□■□■□■□■□■□

「はぁ・・・お兄様の背中は暖かいですわぁ・・・」

学園からの帰り道 俺とアイリとラキア姉のいつものメンバーにフェリシアが加わっていた。

「何であっくんはその子おんぶしてんの?」

「さぁ?」

今の現状は、俺を中心に左にラキア姉

右にアイリで背中に何故かフェリシアを背負っている。

俺自身何故かはわからない。

「まぁ、明日から夏休みだ!ゆったりゆっくり過ごしてやるぜ!」

「うん!一緒に補習がんばろうね!」

・・・・・・忘れてたぁ!!

□■□■□■□■□■□■□

夏休み初日

俺とアイリそして転校してきたばかりのフェリシアは学園の体育館に居た。

「ぐぬぬ・・・ぬぅぅぅ!!ぬはぁ!」

俺は相変わらずソウルが出せず、途中で集中力が切れ床に倒れこんだ。

「アキト・・・力んでも出ないのは出ないよ?」

アイリが自身のソウルであるレイピアを肩に乗せて呆れたように言った。

「そうはいってもな・・・」

やり方が違うのか?・・・だとしたらちょっと・・・いやかなり凹むな。もう1年近くこのやり方だし。

「お兄様?ソウルは自分の心の形、もう少し力を抜いてやってみてはいかがですか?」

フェリシアは苦笑しながらそう言った。

「ん~、昔やったけど出来なかったからなぁ・・・」

昔・・・四等部の2年だったかな?

そん時にやってみたんだが先っちょどころか出る気配そのものがなかった。

出ないのは力んでも同じだけど。

「でもこの前は出せたんだよね・・・」

アイリが思案顔でそう言った。

そうなんだ・・・この前アイリと森に言った時、ヘルを倒すのに俺はソウルを使ったんだ・・・が・・・・・あれ?そう言えばあの後・・・

「あー!そうだった!もう一個あるんだった!」

「にゅう!? びっくりした!急に大声出さないでよもう!・・・で、なにがあったの?」

大声に驚いたアイリがかわいい声を上げた。

「ソウルだよ!あの時ヘルを倒したのとは別のが!」

あの後、爪のソウルが俺の中に入ってきたのを思い出したのだ。

だけど二人の反応は、

「あの・・・アキトお兄様?ソウルは心の形なので一人1つまでですが・・・」

「それに他人のソウルが宿る可能性があるって言っても確率的にはほぼ0%だし、何より前例もないんだから」

少し呆れたような反応だった。

「いやアイリは知ってるだろ!?あのヘル倒したのは白い炎みたいなやつだって!」

「いや私気絶してたから知らないし

そうだった・・・アイリはあの時ヘルの攻撃を受けて気絶してたんだった。

だったら・・・

「だったら見せて「おーい!アイリちゃーん」」

ソウルを出して見せようとしたところで、吐き気がしそうな気持ち悪い声が聞こえた。

「何の用だ・・・ヴァニット!!」

声のした体育館の上の通路に、金髪ピアスの男子生徒がいた。

「あぁ?てめぇには話しかけてねぇよおちこぼれ」

俺の言葉にそう返した男子生徒・・・ヴァイス・ヴァニットは、ここウェスタリア学園一の問題児だ。

1年目に転校してきて、それ以来選ばれた人間気取りのクソッタレだ。

一部では次問題起こしたら退学だとか噂されている。

見た目はシュウと同じチャラ男だが、こいつは性質が悪いタイプだ。

そして、

「なぁアイリちゃん?そんな落ちこぼれといるより俺様といた方が楽しいぜ?」

「何度も言わせないで、私は貴方にこれっぽちの興味もないの」

このようにアイリが明確な嫌悪を示すただ一人の人物だ。

「このように、アイリはテメェと話す気はねぇってよ問題児!」

「あぁ?俺様に話しかけるなよ おちこぼれがぁ!」

俺の言葉、いやこの場合は話しかけられたことが気に入らなかったようで自身のソウルである弓系統「クロスボウガン」を具現化しこちらに向かって撃ち出した。

アイリがいるのに撃ったことに驚きつつも咄嗟に防御の姿勢をとり目をつぶった。

 

しかし、いつまでたっても衝撃が来ない。

恐る恐る目を開けてみると、

「まったく意中の女性がいるというのに撃つとは・・・貴方の頭はスポンジかなにかですの?・・・おっと失礼、空っぽでしたわね」

自分の体より巨大な盾系統ソウル「タワーシールド」を具現化したフェリシアが俺たちを守っていた。

「落ちこぼれの仲間ごときが俺様の攻撃をふせいでんじゃねぇよ!」

ヴァニットはフェリシアに防がれたのが気に入らなかったらしく、ソウルでできた矢を再装填しクロスボウをフェリシアに向けた。

その時、

「まぁまぁ、そんな事は置いといて・・・といあえずさぁ」

ヴァニットの後ろからそんなかわいらしくも頼もしい声が聞こえた。

「あぁ?」

ヴァニットが後ろを向いた次の瞬間

「私の妹に言いよるな」

ドガギィン!といった感じの重低音と高音の混ざったソウル薬莢の特徴的な金属音が響くと同時にヴァニットが吹き飛ばされ、体育館の床にたたきつけられた。

学園全体に張られているソウルガードのおかげでソウルによる攻撃ではけがをしないがそれ以外では普通にあるからあれは青血になるな・・・骨折れてればいいのに。

俺はそんな事を考えながら上を見ると、

自身の長い髪と同じオレンジ色で装飾された槍系統レアソウル「パイルバンカー」を具現化したラキア姉がそこに居た。

「やっほ~アイリ~あっくん~リシアちゃ~ん」

ラキア姉は先程のゴミ(ヴァニット)を見ていた冷え切った目

とは打って変わって笑顔でこちらに手を振っていた。

「お姉ちゃん!?なんでここに?」

「ぐえぁ!?」

あ、ラキア姉の方に近づいて行ったアイリにゴミ(ヴァニット)が踏まれた。

「ん~?いや~あっくんの補習の様子見に来たんだよ~。そしたらなんかゴミごときがアイリに言いよってるじゃん?ついふっ飛ばしちゃった」

ここに居る理由はともかく、聞いてもいないのにゴミ(ヴァニット)を吹き飛ばした理由も教えてくれた。

「にしてもラキア姉のソウル・・・相変わらずすげぇ威力だな」

「あの威力だと私のソウルでも太刀打ちできませんわね」

俺のつぶやきにタワーシールドを左手に持ったフェリシアが苦笑しながらそう言った。

「にゃはは!破壊力だけなら一等部最強だからね!リナル先輩の「城壁(キャッスル)」には歯が立たなかったけどね」

ラキア姉は少し懐かしそうに笑いながらそう言った。

リナル先輩ってのは去年ウェスタリア学園一等部を卒業した人だ。

ラキア姉と仲が良かったらしく、いろいろアドバイスをもらってたらしい。

ソウルは「不落城」と言われたほどの巨大な盾系統レアソウル「城壁」だ。

去年の学校行事「WSBT(ウェスタリアソウルバトルトーナメント)」の決勝でラキア姉の攻撃を完全に防ぎきった存在だ。

ちなみに俺の目標の一つにWSBTで優勝するってのがある。

だから、

「ラキア姉!」

「ん?なにかなあっくん」

「今年のWSBT・・・決勝で待ってろ!必ず戦ってやる!」

今のうちに宣戦布告をしておこう。

「!・・・そっか・・・楽しみにしてるよ!」

「私だって!お姉ちゃんに勝って見せる!」

「私も!その一撃を止めて見せますわ!」

俺のラキア姉への宣戦布告に、アイリとフェリシアも乗ってきた。

「ふむふむ・・・今年のWSBTは楽しめそうだね!」

ラキア姉は俺達3人の宣戦布告に対して、とても楽しそうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その前にあっくんはソウル出せるようにならないとね♪」

「うぐッ!」

WSBTの開催は2月

あと7カ月の間にあの白い炎のソウルを出せるようにして見せる!後、最終的にヴァニットは退学 どっか別の学校に転校したらしい。

その話をアレクセリア姉妹とフェリシア、シュウに伝えたら、うちのクラス以外にも伝わって(多分ラキア姉とシュウの仕業)うちのクラス含め一部のクラスではお祭り騒ぎ、っつーかパーティみたいなものが開かれた。

そんなに嫌われてたのかあいつ・・・

ちなみにこの事を聞いたアイリがものすごく嬉しそうにしてたのはまた別の話だ。

 

 

 




以上、ソウルアクター2話でした。
ちなみに、部活用に書いた時は、
「夏だ!休みだ!・・・え?補修?」なる副題が付いていましたw
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