インフィニットストラトス ~空から降ってきた白銀と少女~   作:鉄血のブリュンヒルデ

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始まりの始まり Tenth Episode

 

クリスマスのステラの暴走から1年と数日が過ぎて、今日は1月1日。ステラ達6人に加え千冬、蓮、束、クロエの計10人は三社参りをしていた。

ちなみに束は変装している。トリガーのシステムを応用して別人の姿をコピーしている。

 

「さて、一件目はやっぱりここだろ」

 

一夏はそう言いながら、格式ある門をぐぐり後から他の9人も後について行った。

 

「篠ノ之神社か、懐かしいな」

 

「うーん!久しぶりの我が家!ここの空気はやっぱり美味しいねぇ!」

 

「あら、こんな早くから初詣ですか?」

 

そう言って神社から一人の女性が現れた。

 

「雪子さん、ご無沙汰しております」

 

「あら、千冬ちゃんに一夏君じゃない。久しぶりね」

 

女性の名前は『篠ノ之 雪子』。束のおばにあり、現在要人保護プログラムで日本各地を転々とさせられている本来の管理人の『篠ノ之 柳韻』に変わり現在管理人兼仮神主として篠ノ之神社を支えている。

 

「それに、束も久しぶりね」

 

「えっ?」Σ:(;゙゚'ω゚'):ギクッ

 

「幾ら姿を変えても分かるわよ。貴方の話し方には独特の波と癖があるもの」

 

「ふぇ〜…相変わらず雪子さん化け物だよォ…」

 

どの口が言うか。束はバレた事にブツブツと不満をこぼしながら変装を解いた。

 

「こんな所で立ち話なんてつまらないわね。さぁ上がって、そちらの皆さんもどうぞ上がって下さい」

 

雪子に声をかけられ全員が会釈をしてその後について歩きだした。

 

 

 

……………………………………

 

 

 

「それにしても、蓮ちゃんも大きくなったわね。さっきは誰か分からなかったわ」

 

「そうですか?けど雪子さんは昔と変わらずお綺麗ですよ」

 

「あら、相変わらず口がうまいのね。フフッ」

 

あれから数分経ち、先程まで緊張していたクロエを含めた初対面組は、雪子のその雰囲気のおかげで既にその場に溶け込んでいた。

 

「君達が蓮ちゃんと純君の子供なのね。うん、やっぱりそっくりだわ」

 

「この子ったら「俺はYDだ」って、そんなところまで似ちゃって困ってるんですよ」

 

「あらあら、確かやりたい事しか出来ない病だったかしら?懐かしいわね。千冬ちゃんの所は何か変わりある?」

 

「私の所にはこの子が新たに家族に加わりました。束が逃亡生活させるくらいなら預けたいと言ってきて。最初こそ戸惑いましたが、今ではもう本当の家族同然です」

 

「そう、でも束が家族とあの頃の皆以外の事を心配するなんて」

 

「まぁ色々事情があるんだよ。でも、私もスーちゃんの事は本当の家族みたいに大切だし、私の第2の家族みたいな感じかな」

 

「そうなのね、フフッ。それで、貴方達は……まだ名前聞いてなかったわね」

 

「はい!1年半前から千冬さんと一夏の家でお世話になってます、ステラ・ターナーです!」

 

「元気が良いのね。それに可愛いし、いい子そうじゃない」

 

「へへん、そうでしょう!」

 

「凰 鈴音です。両親が近くで中国料理店をやってます」

 

「あら、あそこの娘さん?あそこの料理は本当に美味しいわ。たまに行くのだけどサービスも凄く良くて、好きよ、貴方のご両親のお店」

 

「ありがとうございます!」

 

「御手洗 数馬です」

 

最後になる数馬が自己紹介を終えると雪子は驚きの表情を見せた。

 

「御手洗?まさか荘吉君の?」

 

「親父を知っているんですか?」

 

「えぇ、荘吉君は子供の頃千冬ちゃん達と一緒にここで遊んでたのよ。確か探偵をしてたわよね?それで恵美ちゃんと結婚したのよね?純君も8年程前から3人とも見ないけど」

 

「そ、それは…」

 

何も知らない雪子の素直な疑問が束と千冬、そして蓮の表情を曇らせた。

 

「じゅんくん達は………」

 

「親父はとある事件を追って、この街を離れています。母さんは自分の進めているプロジェクトを進めるために日本を離れました。母さんは行った先で純さんと会ったと手紙に書いてあったので、今旅でもしてるんじゃありませんか?」

 

「そうなの?蓮ちゃん」

 

「え?あ、はい!そ、そうです…」

 

唐突に話を振られて一瞬困惑した蓮は心で数馬に感謝しつつ、怪しまれない様になるべく自然に言葉を返した。

「そう、良かったわ。元気そうで」

 

「そ、そうだ!三社参りなんだから余り悠長にしてられないよ!早く行こ?」

 

「そうだな。雪子さん、お邪魔しました」

 

「いえいえ、それじゃあまたね」

 

「また今度来ます!」

 

「うふふ、ありがとう」

 

……………………………………

 

 

ステラ達は篠ノ之神社を出て近くの神社で二件目の参拝を済ませて、数馬と弾の提案で五反田食堂から徒歩15分程度の場所にある、御剣神社に来ていた。

 

「ねぇ、お兄ぃ。どうしてここにしたの?」

 

「あれ?蘭は知らないんだっけか?ここって10年くらい前からパワースポットって有名なんだぜ?」

 

「それに、俺と弾が初めて会ったのもここだ」

 

二人は懐かしそうな顔をして、その神社を見上げた。

 

「そういや俺達が出会ったのも10年前だったよな?」

 

「あぁ、でもあの日の記憶は断片的にしか無いんだよな」

 

「まぁ、その時4歳だったしな。覚えて無くても仕方ないだろ」

 

「その時、数馬君の家に招かれて初めて数馬君の親が荘吉と恵美って知って驚いちゃったわ」

 

二人の会話に蓮が加わり、更にその話を聞いてどんどんそれぞれの出会いの話で盛り上がっていた。

 

ステラがその話に混ざろうとした時、ステラは突然立ち止まり首から下げているギンギラの待機状態のゴーグルを少し手で持ち上げた。

 

「………ギンギラ、周囲のT-ENG(サーマルエナジー)の濃度を調べて」

 

『何故ですか?』

 

「良いからお願い」

 

『わかりました』

 

『っ?!………マスター、測定が完了しました。この神社の敷地内だけですが、T-ENG(サーマルエナジー)の濃度がEDN-3rdの濃度と変わらない程です』

 

「そっか、ありがとう」

 

ステラは険しい表情をして、御剣神社を見た。

ギンギラにもステラの考えが分かっていた。恐らくこの星にT-ENG(サーマルエナジー)が流れ着いた時、エネルギー流はここに飛来したのだと。

しかし、ギンギラには一つ疑問が浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

 

何故、ステラが測定器等を使わずにここのT-ENG(サーマルエナジー)が特別濃度が高いと分かったのか、だ。

 

「おーい!ステラこっち来てお参りしようぜ!」

 

「うん!今行く!」

 

表情を一変させて一夏達に駆け寄るステラの首元で、ギンギラはその疑問の答えに辿り着きつつあった。

 

そして、三社参りを済ませてギンギラはステラに言わないまま束に連絡をして秘密裏に二人で調査すると決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてステラの近辺で少しずつ、だが確かに異変が起こっている中でとある家庭にも、異変が起きていた。

 

「え?中国に、帰る?」

 

それは、とある恋する少女の家庭だった。

 

 




雪子さんの苗字は公式には無かったので勝手に篠ノ之にしました。原作ファンの方々すみません!
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