忙しい人のための赤竜亭   作:おーり

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実は原作開始の一年前なこの設定
一巻数ページどころか一行目にもかすってもいなかったのが本作品ですw


アーシアといっトry

 日曜朝八時半。まさかこの時刻にプリティでキュアキュアなおんにゃのこの肉弾戦を間近で見られる日が来ようとは。ゲームに出て来る“天使”と呼べるであろう羽の生えたしかし話の通じないこいつらは生物的なポテンシャルが足りてないような気がする。特に苦もなく必要数以上の合体材料を揃えられたお陰で『審判・レナス=ヴァルキリー』を合成完了。しかしレベルが足りなくてアーシアの現状では降魔できないとか。どちらにしろサッキュバスコスで戦う現状がしばらく続きそうなことに涙目になる義妹。はうーかあいいよー。でも戦闘中はナチュラルハイな機動力がちょっとこわいよー。おめえ戦っている間は格好とか気にして無いじゃねえか。冗談はともかく。ゲームのようでゲームで無いこの現実。スライムをぺしぺし摘んで行って経験値を貯める概念が無く、強くなるには地道に愚直に自分以上の存在へと挑戦をやめないことが必要な修羅の道。アーシアや塔城ちゃんのレベルでは件の狩場では経験を貯めることができそうにない。そんなら俺のレベルではどうよ?と最上階付近へとエレベーターを動かしてみる。普通に開く最上レベルダンジョンへの扉。こ、これはなんて覇気だ……!とびびるお二人は天空闘技場最上階に初めて入ったゴンとキルアを彷彿とさせる。この先にヒソカでも潜んでいることを感知でもしているのか。今更ながらこのお二人を連れてきてしまったことが若干ながら憚れる。

 二人のレベルではやはり全然届かなかったらしい。エレベーターは何故か一方通行な仕組みになっているらしく階段を見つけて徒歩で降りてゆくしか選択肢が無い。二人を背後に控えさせながら紅蓮剣でてきとーに魔獣を切り伏せてゆく。カード封印はしている間ちょっと無防備になるので非戦闘員を二人も連れている現状では悪手でしかない。炎を纏った剣で志士雄真ごっこをしながら階段を探す。所詮この世は弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ……一の秘剣・焔霊ぁ!

 

 五階程度まで降り二人の非戦闘解除まであと少しだというころ、槍を構えた他の客と遭遇した。何気に初めてのエンカウント。あっどーもー、と山で他の登山客と鉢合わせしたようなリアクションをとって擦れ違う。その瞬間構えていた槍を振りかぶってきたので紅蓮剣ではじき返した。なにをするかー。「お前……上の階から来たのか?その二人を連れて……?」やだ……バトルマニアの香りがする……!女の子相手ならばともかく男相手とか完全に俺得ではない。のらりくらりと返事をしていると気が逸ったのか男が再び踊りかかる。それを紅蓮剣でいなすいなすいなす。槍をはじくたびに纏った炎が綺麗に翳る。「炎を纏った剣か……!聞いたことは無いがさぞかし強力な神器とみた……っ!」セイクリッドギアってなんだっけ。後ろから魔獣が来ないかを確認しながらなのでかなり話半分に剣を振るう。が、めんどくさくなってきた。背後の気配がしばらく無いことを認識、一度だけ似非ランサーを敵だと認識。力の限り斬り伏せる。ぽっきりと、槍が半分に折れた。「――………………は?」呆けている間に男の首を捕まえて持ち上げる。ペルソナ合成に余ったカードを配合して御魂合体で継承した新魔法・マイトを前方の空気に。二の秘剣・紅蓮腕(ぐれんかいな)。ボーン。似非ランサーの目の前数十センチの距離で空気が爆発した。

 

 さすがに人間(・・)を殺すほどヤクザではない。多分生きているであろう男は意識を失っていないはず。大の字に倒れているランサーもどきに近づきたくないので別の道を模索し始めると急に「は、ははは、あははははははははははははははははは!」と、声を上げて笑い出した。あれ、やっちゃった?脳を……?と回復させるべきか否か半分真剣に考える。でも回復させたらまた襲い掛かって来そうだよなぁ。

 俺のサマリカームでは完全回復させてしまうのでアーシアに怪我だけ治させる。武器がなくては戦えないらしく連れ立って狩場を脱出することに。道連れが増える。どうせなら二人の壁になれやー。道中話半分に一人語りを耳にするにどうやらこの狩場を作ったオーナーだとか。オーナーがなんで参戦してるんだよ、と聞けば、自身の強さを衰えさせないための鍛錬の場所だ、とのこと。塔城ちゃんが男の言葉に共感したらしく何度も首肯する。だからキミはどういう中学生なんだ。

 似非ランサー未満に成り下がった折れた槍の男は曹操と名乗る。嘘だ!男じゃねえか!華琳さんを真っ先に思い浮かべた俺は間違って無い。この折れた槍は黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)と言ってな、と話を続ける偽曹操。それこそちょっと待て。ロンギヌスって槍を指すんじゃなくて聖人の名前じゃなかったっけ。聖人殺しの聖人がそんな名だったはず、と中二の頃の黒歴史を掘り返しそうな追憶を髣髴とさせるイヤンな記憶。神話聖書関連にみょんに詳しくなるのは男子に良くある通過儀礼だと思ってる。で、そんな黒歴史感溢れる『さいきょうのしんめつぐ』とかいうものをへし折ったお前の名前を教えてくれ、と声をかけられる。俺に言ってるのか。応えたくない。敵を切り伏せながら前へと進む。胡乱な視線と無言の圧力が三つほど後ろから感じられる。「………………志士雄真」「そうか!その名、覚えておくぞ!」胡乱な視線が二つに減った。しょうがないだろうに。本名とか教えたくないっす。

 

 曹操もどきと別れてギャスパーちゃんの部屋で反省会兼お茶会をする。レベルの足りないアーシアをどうやって鍛えるべきか。件の狩場は偽曹操がこの先も蔓延りそうだし。なんか地脈から魔力を収集してそれを元に強力な魔獣を作る神器を使わせているとか知りたくも無いことを別れ際に教わった。なので出てくる魔獣はデータが近しい程度の作り物だとか。最終的に能力が身につけられるみたいだしどうでもいいけど。あ、でもアーシアは倒すことに若干の抵抗を覚えていたから正体がわかってホッとしていたな。それはともかくこの際ギャスパーちゃんも誘ってみようか。ちょっと生きている実感を味わえるリアルなアミューズメントだけど参加してみるかい?由美子さんは出不精だし、まずはこっちの三人娘でプリキュアを始めさせるのも悪くない考えに思えてくる。由美子さんをスイッチオーバーして銀髪キャラに変身させようぜ!




~御魂合体
 ステータスが+1か2程度追加される。知のステが低いために何とかやってみたイッセーの苦肉の策。一緒に魔法も継承できる

~マイト
 相手を爆弾に変える魔法。着火することで爆発する、キラークイーンの下位互換ですねわかります。ゲームでは相手そのものを爆弾に変えたが、本作では相手の身体の一部などのごく狭い範囲を爆弾へと変えられる


フォービトゥンバロールビューって名前、おかしくね?時止めでバロールって、バーローさんは俺の記憶だと破壊の魔眼だった希ガス。しかも単眼で魔王
時止めっつうか存在静止ならメデューサかカトブレパスさんのほうが適しているんじゃねえかな
ちょっと気になった

とりあえず第一章はこれくらいで終わりにしとこう
次回から第二章に移行するからー
こんどこそのんびり書く

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