忙しい人のための赤竜亭   作:おーり

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イベント回収章、スタート


停止世界のヴァンパイア
アーシアと悪魔稼業


 「ゼノヴィアという、よろしく頼む」コカなんとかさんを親父狩りしたときに後ろのほうにいた気がする青い髪の苛烈系美女がどうやら悪魔に転向したらしい。その後の打ち上げ兼鍋会には参加していなかったみたいだけどなんで?イリナもどきはしっかりと参加していたのに。ちなみに幼なじみを騙るその女朗は奪い返したとか言う聖剣を片手に既に教会へ帰ったとか。幼なじみを名乗るほうではなくてもう一方が仲間になるとか昨今のラノベでも見たこと無い展開だわー。これは見抜けなかったわー。幼なじみフラグは犠牲になったのだわー。それはそうと彼女あの時はスク水みたいなぴっちりタイツ姿だったのだがチラ見していたその格好が色物っぽくてイメージが抜けない。制服を着ていてもプレイにしか見えない。戦うときはあの格好になるわけ?なんという素朴系恥女。あざいといアーシアと同類か……。胸が熱くなるな……!

 聞くところによると元教会の人間で神は死んだ!とかって科学者らしいおっさんに言われて絶望していたところをリアス先輩に拾われたとか。そうやって弱った心に付け入るんですね。怖いわー、マジで悪魔怖いわー。ところで科学者って誰?俺そんな人見てないんだけど。まあそれは良いとして、更には同じクラスに編入だとか言う青髪ちゃん。同年代とな。マジで?とアーシアを思わずチラ見してしまう。いや、アーシアはアーシアで良さはあるよ。うん。だからその悲しそうな目をするのはやめてください……。で、そっちはともかくいつの間にか編入していたとか言う天野が俺的には一番の疑問なのだけど。俺が登校していなかった間に同クラスかつ隣の席に居座っていたアイツが彼女面していてうざいんですけど。どうなってんだようちのクラス。駄天使と悪魔と聖母とドラゴンがいるんだぜ?実は水棲の魚類とか人修羅とかがこっそり紛れていても可笑しくない。妖怪とか天使とかを見かけたらクラスに勧誘してしまいそうである。

 さてそんなゼノヴィアたんの悪魔稼業に何故かついてゆくことになった俺とアーシア。正確に言うなら俺が着いてゆく羽目になった。この三日俺のいなかった間にアーシアには悪魔稼業とやらの手伝いをさせていたらしいオカルト部。お前らなにしてんの。エッチなお願いとかは無かったらしいので良かったが、アーシアが人の役に立つことに喜びを感じるプチどMだったお陰で稼業を続行することになった。のはいいのだが、初めてのお使いならぬ初めてのお仕事をやろうというゼノビーの手伝いをやるようにとリアス先輩がアーシアに頼んだのが事の発端。それに至る前の二人のやり取り見てないのか……?「なんで悪魔に転生する必要があったんですか?」「グフッ!?い、いや、私もそれは自分でも思っているけれど……あ、アルジェントは中々に辛らつなことを聞くな……、堕ちた聖母とか出会い頭に言ったことを根に持っているのかい……?」などと、ゼノヴィアのメンタルポイントを的確に抉るアーシアが居たのだけど。二人の出会いに何があったし。そんな二人だけで行かせようとかサスペンスの予感がマッハ。丁度今火曜だし。9時03分だし。

 

 「悪魔たん!ミルたんを魔法少女にして欲しいみょぉぉぉ!!!」いや、俺悪魔と違うし。日曜朝八時にやっているようなオルタナティブとかいう魔法少女番組のコスプレをしている巨漢の乙女と遭遇。やめてwww腹筋が捻じ切れるwww。俺の領分ではないとはいえ悪魔稼業は接客業、邪魔をするわけにはいかないので正座で脛を捻じって必死で笑いを堪える俺が居た。ゼノヴィアは対処に困っている模様。さすがに魔法少女化などという願いは想定外だったらしい。悪魔は白い外宇宙の使者とは別物であることがわかって一安心している俺も居た。僕と契約して魔法少女になってよ!などと木場が言い出さないようで安心したわー。しかしゼノヴィアもさすがにトロールを魔法少女にする方法はわからないらしい。悪魔といってもなんでもできるわけじゃないようだ。あれ、本当になんでこの娘は悪魔になろうとしたんだ?ともかくこのままでは初めてのお使いは不発に終わる。そんな場面に遭遇するのも悲しいので俺が渋々手を貸すことに。アーシアー、確か持ってたよね、魔法少女になれるペルソナ。

 「マジカルトランスにょぉぉぉぉ!!!」きらきらとした演出効果に彩られる巨漢の服が弾け飛ぶ。モザイクのようなそれは巨漢の股間や乳首のみを隠し、全裸にしか見えない格好の巨漢を、新たな衣服が光の粒子によって構築され包み込んでゆく。純白の下着、黒いインナー、それらをラッピングするのは何処か私立の小学校の女児用にしか見えないセーラータイプの制服。最後に頭の先のほうの髪の毛に小さな鐘が生まれリボンで結ばれ、リィンと鳴った。「魔法少女プリティ☆ベル!推!参!だにょぉぉぉ!!!」止めてwww俺の腹筋はとっくに限界ですwww。

 念願の魔法少女に変身できた巨漢の漢女・ミルたんは両の手を握るようにしながら自らの力を確かめている動作を繰り返す。それを呆然と見ることしかできないゼノヴィア。人の役に立てたことで嬉しそうなアーシアは笑顔で拍手。俺は笑いを堪えるのに必死。「むっ、あっちの方向から邪悪な何かを感じるみょ……」「何より邪悪なものは今私の目の前にいるが……」意味深に何かを感じ取ったらしいミルたんの呟きにゼノヴィアが呟き返す。俺は思わず吹き出す寸前で思い留まる。てめぇら笑わせるんじゃねえよwww。そんなことを思っていたら窓から飛び出してゆくミルたん。ゼノヴィアの呟きは聞こえてなかったらしい「このマチの平和はミルたんが守るにょぉぉぉ!」そんなことを叫びつつぱっつんぱっつんの衣装姿のままに駆け出していった。ここ、マンションの五階だったのか……。

 

 ようやく見つけたのはどうも一般人宅らしき平屋、だが何故か部長たちが家の前に居たりする。大公からの依頼ではぐれ悪魔の討伐に来たのだとか。そしてそのはぐれ悪魔相手に無双しているあの巨漢にどう対処していいのかわからなかったとか。無理も無い。『ダブルバイセップス!アドリミナルアンドサイ!ミルたんがこの町を守るんだみょぉぉぉ!!!』ポージングを決めながらそんなことを絶叫してるお人にどう突っ込んで良いか判る奴のほうが希少だと思う。あらやだミルたんってば強くしすぎちゃった……!?簡単に人の願いをかなえてはいけないのだなぁ、と悪魔の領分を侵してしまった俺は深く反省するのであった。てへぺろ。




長らくお待たせして申し訳ない
でも次ももうちょっとかかりそうなんだー・・・

まずはゼノヴィアとミルたんから

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