忙しい人のための赤竜亭   作:おーり

22 / 31
出来てしまったので更新
これが休日の力か・・・!

あといつもよりちょっと長くなったけど、キリのいいところまで書いてみた


イッセー卍解使うってよ

 「知ってるか、ドラゴンは神聖な生き物。体も強く頑強で、小手先の業も効かない。そんなドラゴンを神器として扱っている俺は、すなわち最強の生物の一端に引っかかっているわけだ。さあそろそろ始めようか兵藤一誠、それとも今から尻尾を巻いて逃げるかい赤竜帝!?」白龍皇のヴァーリが勝負を仕掛けてきた! でも正直相手したくないのだが。逃げていいというならば逃げたいっすよ。でもコイツいつかの曹操と同じ匂いがするんですけど。で、赤竜帝ってなんだっけ。「思えば長かった……、最初の出会いはバトルタワーだったな。白髪化するほどの恐怖を味わったのは初めてのことだったよ……、まさか一撃だけであんな目にあうなんてな……」白龍皇と名乗った彼は滔々と語る。しかし、バトルタワー……?いたっけ?「負けて以降、俺は力を欲した。もっと強くなるために修行も重ねた。あんなに渇望したのは子どもの頃以来だ……。――覚えてないか?この鎧を!」『Balancebreak!!』ドラゴンを模したような白い鎧姿へと変わるヴァーリ。……覚えが無いなぁ……。「あ、あれ?ほら、いただろ、無様に逃げたこの姿の鎧がさ」………………覚えが無いなぁ……。「そ、そうか……」しょんぼりしてしまう白龍皇。なんかごめんね?で、白龍皇ってなに?

 赤いドラゴンと白いドラゴンが喧嘩したことで天使と悪魔と堕天使との戦争を妨害したとか、その一角を封印した神器を俺たちがそれぞれ所持しているとか。まあ色々聞いたが、正直俺が喧嘩に乗る謂れなど無いのではあるまいか。丁重に白い奴の挑発を拒否る俺。「そ、それなら教えてやる、俺は停戦なんて真っ平ごめんだ。俺の目的は強い奴と戦うことだ、このまま実力を飼い殺しにされるのなんて我慢ならないのさ。だから!こいつら旧魔王派を今日の会談にぶつけるつもりで煽った!俺もまたこいつらの仲間ということだ!」で?「……い、いや、で?って……。お、俺を倒さないといけないんじゃないかなーって……、ほら、体面的に、さ……」いや、正直俺としてはどうでもいいことだし。黙っておけば問題ないんじゃないか?「そんなわけがあるか……!」俺の言い分に切れるヴァーリ。お前が挑発返されてどうする。俺の言えたことでは無いけど。「そ、それならば!お前の陣営にいる時を止める神器使いを使うように提案したのも俺だ!どうだ!これで理由ができただろう!」必死すぎだろうお前。大体時を止めるとか、DIO様なんぞ俺の知り合いには居らぬわ。「……あれ、ひょっとして知らなかったのか?」何が。

 

 いつまでもグジグジと小うるさいヴァーリを鎮めるために仕方なく相手することに。すげぇいい笑顔で喧嘩のための準備運動をするこの白髪頭を今すぐぶちのめしてやりたい。しかし彼は今のところ無害である。俺にとっては。なんか色々因縁を作ろうとしていたみたいだがどれもこれも空振りに終わっているような気配すら感じるし。そんなとんだピエロなヴァーリを相手にコブシを構える。「神器を使わないのか?」素手相手に剣で対抗させるとかって俺どういう鬼畜よ。斯く言うコイツは鎧を着込んでいるけど、まあぶん殴れば問題ないだろ。俺の膂力は規格外だって自分で良く知ってるし。では、そい。「グゥッ!?」軽く振りかぶっててきとーに右フック。左腕で受け止められるがメシリと鈍い音がした。「ぐ、な、い、一撃でこのデイバインスケイルメイルに皹を入れた……!?」長い名前だな。というか中二病の匂いがぷんぷんしてくる。もう一撃で終わるかなー、すごいぱーんち。「ぐふぁっ!?」左手でがら空きのあご下へとアッパーを打ち噛ます。とは言っても軽く振り上げる程度だが。威力は充分だったらしく、高く飛ばされるヴァーリ。が、入りは今度は浅かったらしい。一瞬よろけたものの、なんとか着地。あご下には右腕が添えられていた。「はは……、やはり強い……。だが、ただでは終わらん!」『Divide!』お?なんか力が抜ける感じが。「そしてぇ!くらえ!」一瞬で距離をつめ、握り直した右コブシで鋭く打ち込んでくる。これはなんとなくやばいと感じた。ので、左腕を突き出すことで逸らして回避。逸らしただけで衝撃が腕に伝わった。……強くなった?「疑問に思うか?教えてやる。白龍皇の能力は半減と吸収。相手の力を半減し、半減した分の力を吸収することが出来る。――お前の力は戴いたぞ……っ!」なるほど。……これは生身のままではさすがに無理か。よし。出て来い紅蓮剣。『うむ、やっと出番か。久しいなアルビオン』『ドライグか……。以前も気になったが、何故そんな姿に……?』『まあ、色々あってな……』出現した紅蓮剣が勝手にしゃべりだす。それに応えるのはヴァーリの着ている鎧らしい。お前ら結構仲いいの?何はともあれ、おしゃべりしている暇など無い。俺はアレを使うぞJOJOーーー!『!?な、なに!?もうか!?』『ど、どうしたドライグ?そんなに慌てて……』『くそっ、忠告しておくぞアルビオン。――死ぬな』「『――は?』」ヴァーリと鎧の声が疑問符で重なる。俺は出現させた紅蓮剣を正面へ向ける。いくぜ、相棒。「『卍!解!』」その瞬間俺たちは光に包まれた。

 差し詰め『装纏衣紅蓮竜』と言ったところか。赤いドラゴンの鎧を纏った俺の手には紅蓮剣は無かった。その姿を見てヴァーリは言う。「禁手化か。……何かと思えば」『Divide!』再び俺の身体から力が抜ける感覚が。そのままさっきのお返しだと云わんばかりに殴りかかってくるヴァーリ。だが、この状態の俺ならばそうそう負けはしない。『Extraboost!』俺の鎧が叫ぶ。そうして攻撃を受けて、すぐに殴り返した。吹っ飛ばされるヴァーリ。「――は!?」当てやすい身体を狙ったので、起き上がったヴァーリの鎧は胸当ての部分が崩壊していた。「な、何が起こった……!?ただの倍化じゃないのか……!?くそっ!」『Divide!』もう一度力が抜ける。が、甘い。「――ぐふっ!?」『ヴァ、ヴァーリ!?』鎧が心配そうに叫んだ。無理も無い。ヴァーリは血を吐いて膝を着き、片手で自らを支える体勢へと変わったからだ。『な、なんだこれは……!?』「ぐ、あ……!か、からだが、あつい……!おもい……!やけるように……!」立ち上がれない。そう判断して、ファイティングポーズを解き近づく。『――無理も無い』俺の鎧が勝手に語りだした。まあ説明めんどくさいしどうぞ。『教えてやる。この状態の俺たちは自身の力を二乗させることが出来る』「『な、なん……だと……っ!?』」ブリーチ乙。『こいつの力が0か1で無い限り、最低でも2でも無い限り、お前らは勝つことは出来ない。ついでに言うと、吸収した力が余分すぎるのだろう?今すぐ鎧を解いて降参しろ』「は、はは……、この吐血はそういう意味か……。俺の制御力じゃ、この力を扱えないという……!……舐めるなっ!」お。まだやる気か。立ち上がるヴァーリ。だが正直言って生まれたての小鹿のほうがまだしっかりした足取りをするんじゃないかってくらいよろめいてる。『い、いかん!ヴァーリ止めろ!このままでは死ぬぞ!』「強くなれるなら……!死ぬことなんて恐れない……!制御してやる……!アルビオンは余分な力を逃がせ……!」『さっきからやっている!だが、言うことを聞かない……!』高田厚志は言っていた。魔力を通じて相手の動きを支配できる、と。お前らは誰の力を吸収した?俺の二乗化は使い道の無い膨大な魔力で構成している術式でもある。――『力を抜く』というシステムが組み込まれていることなんて、初めからお見通しだ。『Extraboost!』懇切丁寧に教えてやった直後、再び二乗化される。絶望的な表情を見せていたヴァーリは、それでも諦めるということをしなかった。「――っ!――う、うおおおおおおおおおおお!!!」『Divide!』――絶叫した瞬間、ヴァーリの四肢と鎧は盛大に弾け飛んだ。

 

 『Extraboost!』最後の二乗化を終えて、芋虫のようになって倒れ伏しているヴァーリに近づく。「……っ……っ……っ」息も絶え絶えな彼の傍へしゃがみ込み、見下ろしていると声が届いた。「と、どめ、を……さす、か……」必要ない。そもそもお前は俺と喧嘩するには弱すぎる。コブシを交わす価値も無い。「く、そ……くそ……、くそぉ……っ」だから、助けてやる。「――……?」ライバルを自称するくらいなのだし、この大本の能力も多分知っているだろう。説明は不要とばかりに倒れているヴァーリの肩へと手を乗せる。「ま、まて……なにを、する……気だ……?」力が欲しい、とお前は言った。そんなに力が欲しいというならば「やめ、やめろ……!やめ……!」 「くれてやる」 「やめろぉぉぉぉ!!!」 『Transfer!』 「ぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




ワタルとジャバウォック混じったw

只でさえ制御できない力(半減半減二乗半減二乗半減二乗=?)を譲渡とか・・・
こんな優しいイッセーくん初めて見たー(白目)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。