忙しい人のための赤竜亭   作:おーり

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なんか期待されてるみたいだから急遽やってみた
内容は微妙ぉー・・・


「……私を、大人にしてください……(意味深)」

 

 お爺さんが拍手を打って地面へと手を当てます。

 見た目もそうですけどこの人やっぱりホーエンハイムなのではないでしょうか。

 それはともかく赤い光が地面を、魔法陣の上を迸り、両側に配置されたそれぞれのカードを伝って中心の私へと光が注がれま、はぁん!……こそばゆいです。

 

「完成である」

「小猫、エロい」

 

「……一言余計です、イッセーさん」

 

 

   ☆   ★   ☆   ★   ☆

 

 

 女体化すると同時に胸のサイズまで変化したギャーくんを見て、私に天啓が授かりました。悪魔合体をすれば私も巨乳に……!?と。

 あとついでに強くなりたい私が、姿が大きく変わらない程度の合体を望むのは自然の摂理でした。恥ずかしいので部長には内緒ですが。……初めから巨乳の人には、この気持ちはわからないのです。

 

「――で、これはなんでしょうか?」

「うさみみ、かなぁ。バニーガール?」

 

「太乙金仙・玉兎である。合体は成功であるな」

 

 種族をお爺さんに説明してもらえましたが、猫又の悪魔から兎へとなる日が来ようとは夢にも思ってませんでしたね。

 あとイッセーさんの連想はやっぱりえっちぃです。

 

「兎は確か年中発情期なんだよな」

「最悪ですか貴方は」

 

 何故そう余計なことばかりを。

 それはそうと胸のサイズはどうなっているのでしょうか?なんか変化がありませんが?

 

「悪魔合体は整体の場ではないのである」

 

 ちっ。使えないですね。

 

「小猫、舌打ちした……?」

 

 

   ☆   ★   ☆   ★   ☆

 

 

 ナニアレどういうこと?

 業魔殿でまさかの白音の姿を見かけたから出てくるところを眺めていたら、男性と腕を組んで出てきた。

 ……え、そういうお相手が見つかったってこと……?

 

 港に停泊している業魔殿だけど、その容貌からは一般人の方々にはそういう宿泊施設だと思われている部分があるらしい。

 『そういうところ』から妹が出てくる姿を見るのははっきり言ってかなりショックなのだけど……。まさか白音が悪魔合体とかに興味を持つとは思えないしにゃー……。

 ……やっぱりそっちの合体ですかにゃ?

 

 うわー、なんか、すごい。すごいショックを受けてる自分がいるにゃー……。

 私のことは気にせずに白音には幸せになってもらえれば嬉しいけれども、さすがにそういう姿を惜しげもなく見せ付けられるとへこむんですけど……?

 しかもなにあの格好。白音ってばウサ耳プレイとかしてあげちゃうの?

 私の妹があんなに淫乱なはずがなーい……。

 

 って、なんか混乱してわけわかんなくなってきちゃったにゃ。

 

「ど、どうしよう……」

「とりあえず声をかけるのが第一では?」

「い、いやぁ、でも、その昔置き去りにしちゃった妹だよ?やむにやまれぬ事情があるとはいえ今更声をかけられるとは到底思えないにゃ……」

「まずは一歩を踏み出すことが大事です。その一歩目が何より最強の魔法だって、エターナルロリータも言ってます」

「……その言い方だとあんまりありがたみがない、にゃ………………?」

 

 あれ?私誰としゃべってるの?

 

 今気付いて、声のしていた後ろを向くと、

 

 ――白音がいた。

 

「はろー、お姉さま」

 

 ――っ!?

 

「逃がしません」

 

 ちょぅっ!? 尻尾! しっぽつかんじゃらめぇ!?

 思わず駆け出しかけたら咄嗟に尻尾を鷲掴みにされて逃走不可に!?

 白音ってばなんか急に強くなってないかにゃ!?

 

「悪魔合体の成果ですね。種族は変わりましたがお陰で気配察知が超向上しました。お姉さまの見ていた腕を組んでいた私は幻術です」

「まさかのイザナミ!?」

 

 やっべぇ! 下手すれば見た目が醜悪にもなるかもしれない悪魔合体を敢行していただと!? この娘は絶対やらないと思っていたのに何が白音を急き立てたというの!?

 そしてその強化率がなんかおかしいよ!? 普通の合体じゃ精々が4か5レベル上がる程度のはずなのに!? 私が感知しきれない気配隠匿とか術の隠蔽とかどんだけ強くなってんのさこの娘!

 

「今の私のレベルは72です」

「ありえないにゃぁっ!?」

 

 ウチの妹が魔王過ぎるぅ……。

 

 

   ☆   ★   ☆   ★   ☆

 

 

 業魔殿の外に行っていた小猫が黒猫コスのお姉さまを引き連れて戻ってきた。うさぎさんにジョグレス進化した小猫を果たしてその名のままで呼んでいいのかはさておき、誰?と小首を傾げる。生き別れのお姉さんらしい。というか先日も覗いていましたよね、アーシアに抱きつく小猫にすげぇ視線向けていた人がいたのを俺はきっちり覚えている。『この泥棒猫……!』って感じで見ていた気がする。そう告げると胡乱な視線を小猫がお姉さんに向ける。心なしか猫耳がへにゃっていた。

 聞けば悪魔たちには追っかけられている指名手配らしきお姉さま。小猫としてもさすがに引き渡すつもりにはなれない程度の情があるらしく、なんと俺に飼え、と命令してくる。すげぇだろ?これでも後輩なんだぜ?お前のうちで面倒見ろよ、とアイアンクローでOHANASHIしているとお姉さんからとんでもねぇものを見るような視線を向けられた。さすがに妹に肉体言語は駄目ですか。

 小猫のうちではペット不可だとか。俺のうちも既にショゴスがいるのだが。しかも大型犬になって。女性として匿うとしてもお姉さんの胸部が問題である。由美子さんに見つかったら抉り取られてしまう。「帰ってきたらお前お仕置きな」やべぇ、聞こえてた。脳内に響いたえらく鮮明な声音にガクブルしつつ、結局黒猫として匿うこととなる。この歳になってベッドの下で生き物を飼うことになるとは思っても見なかった。昼間はダンボールを通じてギャスパーのところにでも送っておけばいいかなー。




~うさぎこねこ
 ぴょこんと跳ねたうさみみがきゅーと
 口は×印でむきゅーなのを妄想すれば尚好し
 可愛いよね。可愛いだろ!?

~強さは強者にしか察知できない
 二次元が三次元に干渉できないように云々
 藍染ぇ・・・
 黒歌のレベルは大体38

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