忙しい人のための赤竜亭   作:おーり

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俺、帰省します!

 驚きの新事実発覚!業魔殿って無料で利用できる施設と違ったんだってさ!使用料を払いたくとも手持ちどころか戸籍も無い出来ることなど何もなかった現状の少年がここにいた。ていうか俺だった。やってくるサマナーの皆様の回復や悪魔合体の手伝いをするにしても生活費には程遠い。回復のほうはアーシアがいるから益々仕事がなくなる。男に回復してもらうより美少女にシテもらうほうがみんな嬉しいもんね!シカタナイヨネ!ともあれこのままでは紐男一直線。さすがに見た目小学生の美少女が働いている横で何にもしない俺が居るというのは間違っていると俺でもわかる。現状回復の伝手を求めて、一旦生まれの町へと里帰りすることを選択する。気分は出戻りするポケモンマスター。せめてスタッフロールくらいは見ておきたかった……っ!

 

 一度蘇った感触からして火葬の目に遇っているわけだから葬式も済ませてしまっていると思われる。でも一応はまだ四十九日も過ぎてないのだし、早々に死亡届を出されていないことを願って駅前なう。警察に呼び止められる。え!何!俺まだ悪いことばれてねーよ!?

 違った。なんか捜索願が出されていることが発覚。今から実家に戻るところです、お騒がせしました。と仕事熱心な交番のお巡りさんに礼儀正しく挨拶をして現状を考える。どういうことなの。『言い忘れていたが、相棒の死体を焼いたのは今相棒の一部となっている炎の精霊だ。俺はその際に取り込まれて結果として今この通りなわけだが』そういうことは早くに言おうぜ。ドライグの言葉を分析するに、俺呪われて死亡→死んだ身体自体がいくえふめい→呪ったやつが持ってった?→燃えて再構成←今ココ!ということか。呪った奴はいったいダレナンダ。由美子さんに聞けばわかるのかも知れないが呪殺無効のステの所為か届かない俺のテレパシー。美少女の連絡先を喪失したというかつてない無力感に苛まれる。

 ポジティブに考えよう。死亡届が出されていないのならば戸籍の問題は何とかなるし、この際アーシアを我が家に迎えるということも可能になる。犯罪に手を出したと親からは疑われそうだが、其処は俺のネゴシエーションの腕の見せ所。義妹というポジションをアーシアにプレゼントだ。やったねアーシアちゃん!家族が増えるよ!

 

 家族が増えて(意味深)しばらく経ったある日のこと。夜歯を磨こうと洗面台の鏡を覗き込む。少し目を離し再度目を向ければ黒髪の美少女が映っていたことに息を呑む。ホラー映画の構成である。息と同時に歯磨き粉も飲み込んだ俺は悪くない。というかよく見れば由美子さんだった。久しぶり。

 なんだかんだあってアーシアの転入が受け入れられたのがその日のこと。俺が再登校した驚き以上に我がクラスがどっと沸いたのは言うまでも無い。言葉の壁は厚くとも俺が根性で何とかなったようにクラスメイトもそのうち何とかなるとわたし信じてる!今のところは通訳係ということで、クラスからは若干距離を置かれていた俺も違和感無く溶け込めている。な、泣いてないもんね!ボッチちゃうわ!孤高なだけだわ!

 それはともかく、なんか由美子さんが言うには俺がもう一度呪われたから来てみたけど呪殺無効の謎効果の所為で殺せないとのこと。なんで俺そんなに呪われてんの?ねえこれイジメ?イジメなの?涙がほろりと頬を伝う。涙を拭けよ、と無駄に漢らしい由美子さんにほれてまうやろー!あ、でもその胸を借りるつもりは無いのでご安心ください。所詮はちっぱい、俺を受け止めるには絶壁過ぎる。そうやんわりと断ったらアルゼンチンバックブリーカーで瀕死にされる。おお、痛い痛い。

 暴力系ヒロインとか将来的にアンチ由美子というタグつきの二次創作を作られちゃうかもしれないでしょやめてよー。粗暴系ツンデレなんぞ島田さんだけで充分である。痛む躰を宥めつつ、由美子さんに謝罪の体制を緩めはしない。うちのヒロインは凶暴です。それもこれも再登場を希望されるから!あ、なんか電波混じったカットカット。

 話を戻すと、呪いをかけた人はその体に痕が残るとか。将来的に死んだら地獄行きの予約権みたいな痕跡らしい。それを探れば自分に呪いをかけた相手がわかるのでは?という提案に、この場で直接誰がかけたのかをばらすわけにはいかないのでせうか……?と疑問の声を投げかければ、おお、と手を打つ由美子さん。その考えはなかった。というリアクションが可愛いぜ。

 相手の力が自分より上だから名前だけは明かせない、と神龍みたいなことを言う。え、由美子さんよりTUEEEの?しかしその相手は、美少女で、年のころは俺と同じくらいで、呪いの痣は右乳房上乳にある、胸がCかDくらいのたゆゆんなスレンダー系、だとか。今からちょっとわら人形に釘打ってくる。と思い出したかのように険しい表情で身を起こす由美子さん。それ完全に私怨で私用じゃないですかやだー。というかやっちゃっていいものなの?「普段も真紅とかに打ってるから平気」言い残して去ってゆく。真紅って誰だし。

 

 結局詳しい相手がわからないままに登校の時刻。しかし俺を排斥しようというのなら受けて立つ。汝人狼也きや?ライアーゲームの始まりだ。それはそうと、由美子さんの連絡先を聞くのを忘れていたことに今ようやく思い至った俺が居た。




~やったねアーシアちゃん!家族がry
 おい、やめろ

~鏡に由美子さん
 鏡台を開いて、閉じて、次の瞬間に誰かが立っている。という件のあれ。わかっていても身の毛が弥立つ

~島田さん
 本当は乙女なのよー。本当よー。でも作者の方の執筆力云々のせいでツンデレがなんだか検討はずれな方向にry

~「真紅とか」
 ライバルを減らすよ!やったね由美子さん!


由美子さん再登場
これで満足か野郎ども

短い話だと文句を言われそうだけど、実際よく言われるけど、タイトルやタグを改めるつもりは一切無い
今後も一ページか二ページ程度の文章量を一話ずつ投稿する所存

イッセーを殺した奴って、ダ、ダレナンダー

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