突然だが俺の装填数はそれほど多くない。持久力こそあるのだとは思うが、一発分に波動砲並みの溜めが必要な己のスペックは果たして平均なのだろうかとちょとだけ疑問に思わなくも無い。抜かず三発とか出来れば自信は強固なものになるのだと思うけど。なんの話しかって?言わせんなよ。猥談だよ。恥ずかしい。
そんな俺には今回の一件でちょっとした疑心暗鬼も患っているのだと自負できる。そう、例の変態である。なんで好きなはずなのに殺すのよ。しかも俺が行方不明になったってことは殺したあいつが死体を何処かに持っていったってことだろうが。持っていって何をしたんだよ。やだよ怖いよ。とまあこんな感じで、女性に対して一定の距離感が生まれつつある昨今、俺ににじり寄ってきたのはボンテージ姿の露出狂。そんな人がハーレムとかに勧誘したところで興味持てるはず無いじゃないですかやだー。というか要するに自分のハーレムに入れということなのだろうか、この先輩の言いたいことは。
くっ、変態一号のように胸を押し付けたりはしないが摺り寄せてくる絶妙な距離感が悩ましい……!どう贔屓目に見ても俺が知る中で一番のスペックである夢の塊。おっぱいには夢が詰まっている、とはよく言ったものである。男の夢ですね、わかります。しかしよく考えろ俺!この手練手管の巧そうな先輩はハーレムを作っている→相手は俺一人ではない→いろんな男をとっかえひっかえですね→それを見過ごせるのか……?無理だ。俺は女性とは一対一の健全なお付き合いをしたい。身体だけとか、浮気とか、そういうのはちょっと許容できない。スペックこそ高水準だけどもこの先輩とはそりが合わない、と今この瞬間に思い至った。なので拒否。すいません、俺んち仏教徒なんで……。「そう……残念ね。でも、今のままじゃあなたどうしたって狙われるわよ?」変態一号にですね、わかりたくないです。意外とあっさり引いてくれたグレモリー先輩。家まで送るとのこと。普通逆では無いでしょうか。しかもそのまま送り狼に会いそうなのが俺のほうだという現実が涙を誘う。俺はいつの間に誘い受けに……。
あっ、ひょっとして俺の童貞とかもう奪われてるんじゃね?と、自分の死体が誘拐されたとき果たして己の身体はどの程度まで無事だったのかと要らない妄想が無常に膨れた帰りの道中。そして別れ際、「明日使いを寄越すわ、あなたが知りたいかもしれない裏の事情を、詳しく教えてあげるわね」と甘い声で囁かれ、頬に優しくキスをされる。まだ狙われてるんですね、俺。そしてそんな爛れた裏情事なんか知りたくないよう。部屋に戻れば何故かアーシアが待っていたので、思わず抱きしめてベッドへ押し倒す。アーシアぁ、汚れちゃったぁ、汚れちまったよ俺ぇ……。泣きながらエッチな意味合い無しにぎゅうぎゅう抱きしめ、すっごいあわあわと初心な反応を返してくれるアーシアたんにえらく癒された。
翌朝。一緒のベッドに寝たわけではないので朝チュンとか無いですけれど、夕べのあれで少なくとも精神力の五割は回復できた。すっごいよ聖母の微笑み。むしろアーシアが聖母。トワイライトぉぉぉ!んぉぉぉ!教会から追い出した宗教連中の考えが本当に理解できない。
小首を捻りながらリビングへ行けば、何故か朝食を一緒にとっている由美子さんの姿があった。なにしてんのあんた。納豆の小鉢をかき混ぜる地獄の門番系黒髪美少女に疑念の視線を向ける。どうやらまた呪われたらしい。一々来るのも面倒だからしばらく此処で生活するとか。億劫にも程がある。それでいいのか地獄の門番。我が家のちっぱい率が跳ね上がる。同時に美少女率も跳ね上がったので俺としては断る理由も無い。でもハーレムだけは簡便な。
ドッキリイベントの遭遇率も一緒に跳ね上がったことに多少の喜びを感じていた一日の放課後、クラスがにわかに騒がしくなる。「兵藤君はいるかな?」松田&元浜の怨敵、イケメン王子との二つ名がある木場が俺をご指名である。あ?下の名前?知らね。それはともかく指名されたことで教室内の黄色い悲鳴が野太くなる。やめてよー。木場×兵藤とか誰得ー?女子得ですね、わかりませんけど。蘇生した現在の俺は彼について特に思うところなどなかったのだがこの一件で嫌いになりそう。そして誰が受けだ。嘗めんなドSじゃ。「それは嘘だろ」「Mだよな」「バリバリにドMだよねー」クラスの悪友からの評価がわからない……!
グレモリー先輩の使いできたとか言う木場。コイツもハーレム要員ですか、そうですか。なんとお断りの返事をしようかと唸っていたところ、アーシアが俺の前に聳え立つ。むしろ木場の前に立ち塞がる。「い、イッセーさんはつれていかせません……!」おお、守られているという情けない状況だけどアーシアたんが俺の味方だというのが素直にうれしい。アーシアたんマジ天使。本当にいい子で「イッセーさんはゲイじゃないです!」おい。誰だうちの天使に変なこと吹き込んだの。未だに通訳必要なはずの意思疎通&理解度の低さの癖に余計なところにばかり手が届く。うちのクラスが魔窟です……!
気づけば木場はアーシアから距離を取っていた。あれ?なんで?美少女と距離を取るとか本気で奴がわからない。しかも何故か表情が強張っているような。……女性恐怖症とか?いや、そうなるとグレモリーハーレムに入っているのが解せなくなる。普段は回りに女子が集まっているのなんて日常茶飯事だとも聞くし。試しにアーシアの脇に手をやり抱きかかえぐいっと近づけてみる。距離を取る。近づける。距離を取る。ほーれほーれこんなに可愛いのに何が不満だぁ?「ちょ、ちょっとやめてよ!金属アレルギーなんだよ僕!」金属?そういえばアーシアは胸元に十字架を下げていた希ガス。しかしアレルギーってそういうもんだっけ?疑問の声をあげる前に木場は撤退。アーシアたんがイケメンを撃退した歴史的瞬間である。アーシアは申し訳なさそうにしていたが、余計なことを言わずに事が済んで俺としては万々歳だった。
翌日の休日。早朝より。我が家にお客様が現れる。セーラー服の銀髪中学生。しかも美少女である。見た目は今までの誰よりも幼いが美少女である。いっそ美幼女と言っても過言ではない。しかしこんな美幼女に我が家を訪問される覚えも無い。何の御用かね?「リアス先輩の使いで来ました。塔城小猫です」ん?ほほう、リアス先輩のね……。リアス、グレモリー……?両、刀……だと……っ!?
しかし処女である