忙しい人のための赤竜亭   作:おーり

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 前回起こった三つの出来事!
 一つ!美少女戦士セーラー小猫!月に代わってお仕置きよ!?
 二つ!やせいのディオドラが勝負をしかけてきた!グーパン一発で返り討ち!
 三つ!アーシア教会追放の衝撃の真実!代償としてディオドラは犠牲になったのだ・・・!
 四つ!ヴァンパイアセイバーリリスのコスプレアーシアたんきたぁぁぁぁ!!!

 四つになっているのはご愛嬌w


アーシアがあざとry

 「ひゃあああああああん!!?」と、叫び声を上げてぴっちりつるぺたレオタードのサッキュバスコスプレアーシアたんがその場に蹲る。けしからん。なんという児童ポルノか。いいぞもっとやれ。聞くところによるとペルソナというのは己を媒介に存在の力を上乗せするものらしい。なるほどなー。詳しく聞けばより現実的な召喚魔術。要するに憑依合体である。霊を呼び出すわけではないからむしろ限定展開とかそっちのほうが適切やもしれんけど。鏡面界にジャンプしてカードを巡ってバトロワだ!というかスタンドみたいなのを呼び出すわけじゃないのか。ゲームとは違うんだなー。と、言いたいがゲームの主人公を呼び出す時点で色々おかしい。どういうことだ。「ペルソナは使い手の最も適切な存在を呼び出す。それがその少女にもっとも近しい“星”なのだろう」なるほどなー?

 気を取り直して適度に動かしてみて不具合を確認する。褒めちぎって宥め賺してなんとか動き回ってもらうように要求して見れば、面白いように跳ね回るアーシアがそこにいた。「身体が軽い……!こんなの初めてです……!」その台詞ちょっと待った。一歩間違えば死亡フラグである。もう少し色々教え込んだほうがいいのだろうか。それはともかく、『星・リリス』は機動力の向上が主体らしい。魔法も使おうと思えば使えるようだがこの場で使うと業魔殿がどうなることやら。もう一方の魔術師は何?と思って余っていたカードを確認する。………………。目が点になった。

 これは駄目だ。備えさせておいても構わないが本気で切り札のペルソナである。使うと辺り一体が荒野に変えられる恐れもある。ともあれリリスのみでは使い勝手が心もとない。今日中にもう一枚ペルソナが欲しいところ、何処か良い狩場はないものだろうか。考えながらロビーへ向かっていると途中で人とぶつかってしまう。「あっ、ごめんなさいにゃん」いえいえこちらこそ。………………。にゃん?振り返ってぶつかってしまった人を見てみれば猫耳と尻尾が目に入る。さすが業魔殿。あざとい人が普通にいるよ。

 よーそろーのおっさんに詳しい場所を聞いて出発。合体料&情報料込みで一万円。俺の財布が軽くなる。そういえばロビーに戻ったとき何故か一緒に来ていた塔城ちゃんに抱きつかれて匂いを嗅がれた。「懐かしい匂いがした気がしました……」どういう理由だ。塔城ちゃんって匂いフェチ?抱きつかれたときやーらかかったから気にしないけど。そしてこのまま狩場へ向かうのだが、由美子さんは興味が無いらしくお家で留守番、そもそもここまで来ていない。塔城ちゃんはどうする?完全に私用なので帰ってもかまわないのだけど。

 

 一緒に来るらしい。アーシアのレベルアップも兼ねているから、正直女子供に見学を進められるものではないのだが。しかし本人は結構乗り気。実戦に備えるくらいの気概はあるとのこと。どういう中学生だ。最近の中学生はシューティングアーツでストリートファイトでもやっているのか。戦うときは大人モードに変身したりするのだろうか。ウホッ、いい覇王!

 それでは前衛としてキュアゴールドにキュアシルバーのお二人が。後衛兼支援としてキュアドラゴンことこの俺が。俺が三人目のプリキュアになるとは……。ん?ネーミングがあんまり良くないとな?シルバーが嫌かね。じゃあストレートにキュアホワイトとキュアブラックな。「あの、何故私がブラックなんですか?」納得できていないのかアーシアたんが挙手。オノレのペルソナに聞いてみろ。こんなあざとい娘そうそう見ないわ。俺の義妹がこんなにあざといはずがない、と信じたい。とりあえず援護は任せろー。サマリカームで延々回復をかけてやるから無尽蔵に戦い続けられるぜー。日曜三時。ハンターミッションの開始である。

 

 『此処は随分と魔力濃度が濃いな……。この分なら確かに、ある程度の魔獣も自然発生するかも知れん』久方ぶりにドライグが話しかけてきたが答えてやる余裕は無い。つえーわ塔城ちゃん。思わず惚れ惚れするね。アーシアも意外と動き回るので、俺は索敵と観察くらいしかやることが無い。今更だがアーシアのステータスはかなり低い。LV:3・破魔無効・力:2・魔:7・体:3・速:3・運:−8。運がすこぶる悪いのはいっそさすがだと思ったくらいではある。珍妙且つ数奇な運命に翻弄されているのがステータスにありありと浮かぶとは思ってもみなかった。それが『星・リリス』を降魔すればこの通り。魔法半減・精神耐性中・力:4・魔:17・体:8・速:13・運:12。普段から装備させておいたほうがいいんじゃなかろうかってくらいの運気の上昇っぷりが涙を誘う。動き回れるのが愉しいのもあるのかもしれない。サッキュバスコスで縦横無尽に跳び回るアーシアたんに、俺は動画撮影することしかできなかった……。

 

 妖獣とか妖鳥とか、幽鬼とか妖樹とか。たまにビフロンスとかって強いのが出てきたが、塔城ちゃんとアーシアの元祖プリキュアコンビには適わなかった。というか俺の出番がカード封印くらいしかなかった。ともあれ適当な種類が集まったので再度業魔殿へ。時刻は午後七時。どちらにしろ今日はそろそろお開きの時間である。厳選してスクエアでペルソナ合成。出てきたのは節制。アーシアにはガチで適したカードだと思われる。中身は『節制・タカマチナノハ』おい、ちょっと待て。

 やはり俺の義妹があざといのは変えようの無い事実らしい。くそっ、ナンテコッタイ!

 




そろそろ平均評価を知りたいと思う俺は強欲だろうか?

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