今回は前に比べると少し短くなりました。
では本編どうぞ。
「…さぁて…お前さんが最後か…?」
「ひぃっ!ち、違う!み、、見逃してくれぇっ!」
「ん〜?何を甘えたこと言ってんのかな?」
「うっ…!」
彼は大阪府警特別精鋭部隊━━通称閃機隊━━隊長。講堂 遙。
ここまで着実に評価を稼ぎ、昇進してきた。
来年の春には更なる昇格も決定していた。
だが…
「お前さんたちが襲ってきたのに…それはないじゃろう?」
と目の前の「茶髪」は言う。
そしておもむろに
「『銃創機』」
と言ったかと思えば…
「おい、「干渉系」。あとは任す。わしゃ先に行っとるからの。」
と言い、手から銃を「作り出し」、手渡す。
「ほいほい。「創造系」。面倒だけど仕方ないか…」
そしてもう1人が受け取った銃をこちらに向け
「無線を繋げろ。」
「ひっ…!」
「聞いていなかったのか?「無線を繋げろ」。」
「ひっ、ひぃい!」
講堂は慌てて無線の電源を入れる
「おーい。警察とやら。聞いてるか?俺の名前は「殲撃」の焔。まぁ名前で分かる奴も居るだろうが超越者だ。俺がお前らに要求する事は一つ。「核炎」の居場所を教えろ。」
と殲撃が言う。しかし返ってきた答えは
「………貴様ら超越者に渡す情報などない…!」
というものであった。
「ふーん。まぁいいや。じゃあこの人とはバイバイだね。」
「や、やめてくれぇ!い、命だけはっ…!い、命だけはぁ!」
と講堂は必死に懇願するが…
「ん?だめー。」
山の中に無慈悲な銃声が鳴り響く。
そして物言わぬ死体となった講堂を横目に、
「あ〜疲れた…雑魚ばっかりで面白くもない。」
と言うと、第三の超越者は山奥に消えていった。
「…65名からの通信。完全に途切れました。」
その部下からの報告を聞き、「対超越者調査部隊本部」部長の海堂 光は苛立ちを隠せなかった。
「くそっ…!!」
「やはり、調査部隊を送り込んだ方がよいのでは…」
と提案した部下を睨み
「ならお前が行くか?」
と問うと、やはり部下も死にたくは無いようで、俯いて黙ってしまった。そして海堂は
「…俺は1度総理に報告に行く。」
と言い、迷彩のコートを羽織ると部屋を出ていった。
「お、やーっと追いついた。」
「遅かったのぉ。」
「いやここ岩多くね?めっちゃ滑るんだけど。」
「そんな靴履いとるからじゃろうに…」
と言う。この男の服装は青の和服に草履、そして水色の襟巻きというこの時代では余りにも古めかしい格好。
そして、青に近い茶髪は伸ばしており、後ろで束ねている。
それに対して、先程追いついて来た男━━殲撃━━の服装は黒いスーツに革靴と、一般的なサラリーマンの服装と同じである。
髪は黒に近い茶髪であり、短く刈り揃えられている。
茶髪で無ければ一般人とそうそう見分けはつかないだろう。
「ん〜だってこれが1番動きやすいし…「滅創」も和服脱いでこれ着たらいいのに〜」
「滅創」と呼ばれた和服の男。
「…儂はこれでいい。体に馴染んでおる。」
「それもそれですごいな…」
と他愛のない会話をしながら森の中を進む。
すると
「ん…?霧か。視界が悪くなるな…」
「………先程までは無かったと言うのに…おかしいのぉ…」
霧はどんどん濃くなり、2人の体を包んでいった。
「…では東西社長、貴方の部下の方々を見せて頂いてもよろしいですか?」
山河の元を去った東西と海堂は、調査隊の補完と編成のため、フロスト社で東西の部下を8人呼び寄せた後、本部に向かっていた。
「ええ。構いません。」
「こちらの方で模擬試験のようなものをさせて頂きたいのですが…」
「それも構いませんよ。私の部下がどれほど通用するのかを私も知っておきたいですし。」
と、東西は言う。
「では、こちらの部屋でお1人ずつ模擬戦闘をさせて頂きます。相手はこちらで行った戦闘試験での評価上位8名です。」
と言い、全員別々の部屋に入る。
その中にはもちろんソウカも入っている。
しかし、昨日の戦闘で自分の戦闘能力に自信を無くしたのか、少し不安そうな面持ちだった。
それを見た東西はソウカへ近づき、
「落ち着け。今回戦うのは人間だ。超越者ではない。」
と声をかけると、
「…ありがとうございます。東西様。」
少しは落ち着いたようだ。これなら戦闘は可能であろう。
「では…総員!入室!」
という海堂の掛け声と共に8人の男が部屋に入ったようだ。
「全員。戦闘…開始っ!!」
結果から言えば…
警察側の惨敗だった。
全員が東西の部下に負けた。
それを海堂は信じられないようなものを見るような目で見ていた。
「この者たちよりも「超越者」は強い」という現実。
そして彼の元に。
「部長。65名全員の死体の回収が完了致しました。」
という報告が入る。
「分かった。解剖を進めて、また詳しく報告してくれ。」
「了解致しました。」
と言い、去っていく部下の背中を見ながら、今後の事を考える海堂の顔は自然と強ばっていた。
「やっとか…」
「そうじゃの。これぐらいで音を上げるとはまだまだお主も弱いのぉ…」
と、涼しい顔をしている滅創とは対象的に、殲撃の顔は真っ赤になっていた。
「アンタが化け物過ぎるんだろ…!」
「そんなことはどうでもいいわい。ほれ。とっとと呼べ。何か策はあるんじゃろう?」
ここは森の中をずっと進み、山を登った先。
つまり山の頂上である。
「へいへい…」
と言い、
「すぅ…」
息を吸ったかと思えば
「かぁあああああああくええええええええん!!!!!」
叫んだ。
隣に居る滅創が体を震わせる程に大きな声で。
「……これが策か?本当に聞こえるんじゃろうな?」
「大丈夫だって!………多分。」
「おい最後なんてった?」
「な、何も無いぜ。と、とりあえず信号弾だけでも上げとくか。」
そう言うと、
「『人変幻』」
と呟く。すると殲撃の髪が黒に近い茶色から、赤に近い茶色に変化する。
「『熱煙筒』」
詠唱を素早く行い、信号弾を自らの上に打ち出す。茶色の煙を引きながら飛んでいった弾は何時しか消えていた。
「『人変幻』」
もう一度詠唱を繰り返すと、元の黒に近い茶色に戻っていた。
「ふむ…これで核炎が気づくといいがの…」
「心配性だな〜…いつかは会えるで」
しょ、と言おうとした殲撃を遮るかのように、南東の方角で爆発が起きた。
煙はここから見ても充分目視出来る程度の大きさだった。
「……気づいたな。」
「ほらな?言っただろ?」
あれは核炎の爆発だと殲撃は確信していた。
「よし、南東か…行くぞ!「滅創」……いや、青龍!」
「…名前を呼ぶなと言っておるのに…まぁいいわい。」
と言い、2人は山を降りていった。
はい。「殲撃」の焔さんと「滅創」の青龍さんの登場です。
2人は「干渉系」と「創造系」の能力者なのです。
読みは、焔(ほむら)さんと青龍(せいりゅう)さんです。
あ、最初に出てきた講堂さんは1回きりのモブです。
今後出てくることはありません!
ではまた次回お会いしましょう。