第4話です。今回は内容薄いかも…?
では、本編です。
「総理!」
この一言と同時に部下が自室に入ってきた。
「どうした。そんなに慌てて」
「1時間ほど前、奈良県の森林で火事が発生したようです。近隣住民によると爆発音のようなものが聞こえたとか。」
「…なるほど。報告ご苦労。」
「失礼します。」
そう言うと部下は足早に部屋を出ていった。
そして数年間座り続け、慣れ親しんだ椅子に座り、頭を抱えた。
おそらく原因は「核炎」だろう。
火薬などの爆発物は政府が全権限をもって保持しているし、ライターなどで火事が発生することも無くはないがそこまで大規模になるには数時間必要だろう。
となると人外の力が関わっているとしか思えなかった。
「総理。失礼致します。」
きっちりとした3回のノックの後に入ってきたのは秘書だった。
「ご報告があります。1時間ほど前に大阪府の山奥で、信煙弾が発射されました。しかし、警察庁、及び自衛隊から発射の許可、報告は上がっていません。」
「…ふむ。その近辺は既に調査したのか?」
「現在、調査班を向かわせています。事後報告になり、申し訳ありません。」
この内閣府で一番の信頼を置いている人物なだけあってその行動力もかなりのものだ。
「いや、いい。的確な判断だ。」
「ありがとうございます。」
「では、また調査班が帰ってきた時に報告を頼む。」
「はっ。」
そう短く返事をすると、秘書は出ていった。
「…この二つの事件…何かあるな。」
山河は1人呟いた。
山河が報告を受ける一時間前。
奈良県の森で
「ん〜…流石にやりすぎたかな…まぁ万が一ってのもあるし大丈夫だよね!きっと!」
明るい少女の声が聞こえる。
しかしそれはその少女の目の前で燃え盛る炎の音で掻き消されていく。
「うーん…でも氷華ちゃんには危ないかな。そろそろ頃合だし移動しよう。」
そういうと当然かのように炎の中に入る。
そのまま中を突っ切り、山小屋の扉に手を掛ける少女の体には、焦げだけでなく、煤すら付いてはいなかった。
「氷華ちゃーん。そろそろ移動するよ〜」
「え、あ、はい。」
「あ、急だったね。荷物はないから今からでも行ける?」
「はい。大丈夫です。」
氷華はここに来たときよりかなり回復し、顔には赤みが戻っていた。
そして氷華を連れて小屋を出るとやはり、
「か、核炎さん!」
「あ、やっぱり気づくか。」
「やっぱりじゃないですよ!大丈夫なんですか!?これ!」
「大丈夫大丈夫。そのために移動するんだから。」
「火を消したりは…?」
「人間が勝手にやってくれるでしょ。それより飛ぶからまた背中乗ってね〜」
「え、あ…はい。」
そういうと氷華は核炎におぶさり、短い詠唱を聞く。
「『核炎翼』」
そういうと、核炎のオーバーコアが赤紫色に変色し、翼が生えた。
「んじゃ、行くよー。」
その声と同時にそれにつかまり、ぐんぐんと高度を上げる。
あっという間に空に浮かぶ点に変わり、次の瞬間には見えなくなっていた。
「滅創。あとどれぐらいだ?」
岩を飛び越えながら殲撃が問う。
「そうじゃの…今は堺の辺りかの。」
木を避けながら滅創が答える。
「え〜…まだそんなとこか…よっ!」
木の枝を飛び越えながら殲撃が文句を言う。
「仕方なかろう…お主が飛べてたら少しは早くなったかもしれんが…なっ!」
滅創は木の上に登りつつ話しかける。
「う、うるせぇ。俺にはそんな能力無いんだよ!」
と殲撃が赤くなって言う。
「…核炎に会ってから「まだ飛べないの〜?だっさ〜」とか言われても知らんからな。」
「俺のせいなの!?」
会話をしながら、2人は森を抜けていった。
「ここらでいっか。」
そういいつつ、高度を下げ、着地する。
「ん〜…どこ?ここ…」
「わ、分からないんですか!?」
「そりゃあ。砂浜ってことは分かってるよ?」
「そんなこと私にも分かります!」
「まぁとりあえず今日はここで野宿よ〜。」
「わ、分かりました…」
「…ん?今なんか声が聞こえなかったか?」
殲撃が呟く。
「ほう?なら行ってみるか。」
「海の方だな。よし。」
「この辺りの筈だ。」
「ん〜…誰も…ん?あれは…」
「お、発見。」
と、殲撃が呟いたかと思えば、
「か〜くえ〜ん!!!!」
と全力ダッシュで突っ込んで行き
「え?きゃあああああ!!」
と気づくのに遅れた核炎を吹っ飛ばして何処かへ行ってしまった。
その様子を残された滅創と氷華はぽかんと見つめていた。
「いたた…」
「ご、ごめん…」
「ごめんじゃないでしょ!?氷華に当たったらどうするつもりだったの!?」
「い、いや…その、」
「言い訳無用っ!」
帰ってきたのは、砂がたくさん服や髪にくっついた核炎と、怒られている殲撃だった。
それを宥めようと、滅創が声をかける。
━━━━瞬間。
「動くな!!」
いつの間にか湧いていた連中に囲まれていた。
手には巨大な盾と銃。拳銃ではない、もっと大型の銃が核炎と氷華に向けられている。
「茶髪だな。そのまま騒がずに両手を上げろ。ゆっくりとだぞ。」
意外にも一番先に手を上げたのは殲撃だった。それに続き、氷華、滅創。
そして核炎も手を上げるのかと思ったが
「ねぇ。」
予想に反し、上がったのは低い声。
「誰に向かってそれ、向けてんの?」
普段の彼女からは想像も出来ない威圧感。
先程がお遊び程度の物だったと確信するほどの明確な怒り。
「聞いてんだけど。」
「き、様らに説明する義理は無い!」
「答えになってないし…はぁ。」
ため息を付いたかと思えば
「もういいや。貴方達が氷華に銃を向けたという事実は変わらない。消えろ。『爆炎核』」
そう呟くと周囲に火柱が発生し、ほぼ全員が海岸の砂とさほど変わらない灰と化した。
そして
「よーし。晩御飯にしよっか!」
次の瞬間にはいつもの彼女に戻っていた。
と、いうわけで核炎さんの恐ろしい片鱗が見えましたね!
こわいこわい。
では、また次回。
(次回は少し遅れます。)