凍てつく華は可憐に消える   作:乃依

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どうもお久しぶりです。乃依です。
こっちを完全に忘れてました。
というわけでまた不定期で再開します。
あと厨二は心が痛くなってきたので(多少)自重します。
ではでは第6話、どうぞ。


第6話

全く、待遇が悪い。まさか徒歩で行くハメになるとは…

招集兵だとはいえ、やはりただの一般人として潜入したのが不味かったのだろうか。

日が昇る前に帰還しなければ。

 

 

起きたら核炎が自分の上で寝ていた。

正直重い。邪魔。

いつ自分の服に涎が垂れるかが心配だった。

…眠い。

氷華は憂鬱な気持ちになった。

「はぁ……あの、核炎さん。重いです…」

「ん…なぁに……」

 

意外とすんなり返事が返ってきた。

「重いので、降りてもらえませんか?」

「ん〜〜…やぁだ…」

子供か。

 

「私が寝られなくなっちゃいます…」

「えぇ〜…じゃあこっち来なよ…」

「うぇ」

核炎が降りたと思ったら抱きつかれていた。というか抱き枕にされていた、の方が正しいだろうか。

彼女の方が身長が高いので顔が胸に埋まる。

女性特有の柔らかさも感じた。

が、今は眠気の方が強く、必死に抜け出そうとする。

「んーーー」

しかし強く抑え付けられているので呻くことしか出来なかった。

…二度寝は無理そうだ。

 

…呑気か、こいつらは。

氷華を攫いに来たと言うのに呑気に2人で寝てやがる。

最大限気をつけたとはいえ超越者がこれか…

少し、というかかなり心配したが、自分の任務に変わりはない。

「さて…貰っていきますよ…っ」

氷華の体の下に手を入れ抱き上げようとし、腰に力を入れた瞬間

核炎が消えていた。

 

「あなた。誰?」

「コア」を掲げ、完全に戦闘態勢に入っていた。

寝たふりだったのか、即座に覚醒したのか。

自分の髪は今黒色なので、敵対感を持たれても不思議は無いだろう。

 

「まぁまぁ…落ち着きなって」

「質問に答えて。誰?」

 

背後に回られていた。

『戦闘型』に特化しているだけある。

全く目で追えなかった。

背中に熱い球体の感触。

「…答えられないの?なら殺すわ。」

「そう…簡単に殺せると油断しない方がいい、と忠告しておくわ。」

「何?」

「『別転移』」

能力を発動させ、近くの森まで転移する。

戦闘では役に立たないが、自分の能力に感謝する時は多い。

さて、あとは帰還するだけだ。

 

 

「…ふざけるな。」

 

 

やはり間に合わなかった。

少し恥ずかしいが、任務は達成出来たので良しとする。

「既に睡眠薬は投与していますが、長時間眠らせると死亡する可能性もあるかと思われます。即座に拘束した方が良いかと。」

「そうだな。」

上司に報告し、会議室を辞する。

自分は只の一般兵。流石に会議に同席するほどの権限は持っていない。まだ信用を得るには早いだろう。

と思っていたのだが。

「サティラ…と言ったか。お前も会議に参加しろ。お前の頭脳を最大限生かせ。」

棚から牡丹餅。古いことわざだが、正に今はそれだった。

 

会議は無駄な部分が多く、議論と言う名の子供遊びに過ぎなかった。

正直つまらなかった。

だが自分の信用を得るためには必要だと判断し、我慢した。

「だから私の作戦の方が。」

「いや、それはリスクが高すぎる!」

「多少のリスクは生じるものだ!」

「こちらの方が効率がいいのだと言っている!」

数時間経過したが、最初から何も進んではいない。

流石にイライラしてきたので無礼を承知で口を挟む。

「あの…」

視線が一斉にこちらに集まる。

「私の考えを話させて頂いても?」

 

 

帰ったら、テントが無くなっていた。

「…またアイツ…」

核炎は酔って寝ると、能力で周りを爆破させてしまうという非常に迷惑極まりない特性を持っていた。

それは500年経っても変わらないようだ。

「で、本人はどこに行ったんじゃ?」

滅創が問いかけてくるが、もちろん知る由もなく。

「…探すか……」

非常に眠いのだが、仕方あるまい。

殲撃は重い足を引きずり、少し頭痛のする頭を叩きながら核炎を探し始めた。

 

 

目が覚めたら、知らないところに居た。

ここはどこ?

さっきまで自分は核炎と眠っていたはず。

なのになぜ、手足が固定されているのだろう。

服は着ているが、寝ていた時とは違う服だ。

「あ、あの…」

自分が固定されているのは謎の機械のようだが。

意図は全く分からない。

問いかけても返事は返ってこない。

完全な暗闇だった。

 

また、あんな日々が始まるのだろうか。

痛みに耐え、苦痛を凌ぎ、孤独に耐え、激情を抑え、

また冷たい機械に囲まれながら、家畜と同じように扱われる日々を過ごすのだろうか。

核炎と過ごしたのは1日も経っていないはずなのに。

なのに何故、こんなに寂しいのだろう。

 

「…目覚めたようですね。」

「あぁ。出来れば眠ったままの方が扱いやすいのだがな。」

「『実験』を行うのでしょう?それであれば意識がある方がいいのでは?」

「それは第2の目的だ。第1の目的は『凍花』による金稼ぎ。眠っていた方が採取は容易だ。」

「…なるほど。」

正直金の話はいいのだが。

まぁ元々ここはそういう企業だ。仕方ないのかもしれない。

「では、私は一旦失礼します。またお呼び頂ければ有難い限りです。」

「分かった。」

横柄に頷いた上司を横目に、ドアを開けようと近づく。

すると自動ドアが開いたので、先を譲ろうと身を引いた。

 

そこに居たのは「彼女」だった。

「東西社長!出口の封鎖とロックを!早く!」

核炎を蹴り飛ばし、数m吹っ飛んだのを確認してから上司に声を掛ける。

出口を封鎖した東西が近づいてくる

「なんだ、唐突に。」

「『核炎』です。彼女が今、あのドアの向こう側に」

爆発音。

「…今のでお分かりでしょう。」

「あぁ。理解した。が、どうする?氷華を連れて逃げるか?」

それぐらい自分で考えろと叫びたかったが、相手はただの一般企業の社長だ。そんな考えが回るとは思えない。

「そうですね。出来る限り手練の者に彼女を至急、運ばせてください。私が『核炎』を食い止めます。」

2度目の爆発音。3度目は流石に耐えきれないだろう。

「早く、行ってください。」

「あぁ。」

東西が走り去るのを見届け、ドアに向き直った瞬間。

爆発音とドアが砕け散る音が鳴り響いた。

 

「彼女」の姿は別人のように変化していた。

茶色だった髪は赤く染まり、

服は土で汚れ、

「コア」は最早黒に近い色に変色していた。

そして目からは涙が溢れていた。

見た目相応に幼く、少女の声だった。

 

「なんで…奪うの…?」

自分への問いかけだろうか。

「こちら側に利益があるからだな。」

「それは、私の子よ…」

私の子……?

「渡さないんだから………」

来る。

「『爆炎核』」

この技は水で防げることは実証済みだ。

なら多少の余裕が

「『裏豪核』」

…何?

 

今まで赤い球体だったコアがどんどん黒く染まってゆく。

「全部、溶かす。」

唐突に部屋の温度が上がる。

 

前に感じた時に温度は感じなかったはずだ。

これは、

「『別転移』!!」

 

慌てて能力を発動させるが、術式すらも「溶かされて」しまった。

「言ったでしょ。全部溶かすって。私を怒らせたんだから、それぐらいは覚悟しなさい。」

だがむざむざ死ぬ気は無い。

助かる方法としてはただ一つ。

氷華が居たところまで走る。

そして地面に落ちてあった「凍花」を掴み、核炎に投げる。

「あ、っぐ…!!?」

コアに突き刺さった鋭い氷は、瞬く間にコアを侵食し、ある一定の部分で溶けて消滅した。

「は、ぁあ…!!?」

 

やはり弱点だったようだ。些か無理があったが、当たったので上々だろう。

「お前も、捕縛する。実験台としてな。」

呻き、動きが止まった核炎を担ぎ上げる。

 

少しヒヤッとしたが、まぁ大丈夫だろう。こいつはどのような結果を見せてくれるのだろうか。




クソ長くなりましたね。申し訳ありません。
あと数ヶ月空いて書いているので、ちょくちょくおかしい所があるかもしれません。
何がおかしければ誤字報告でもしてやって下さいませ。
ではまた次回。
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