凍てつく華は可憐に消える   作:乃依

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前回サブタイトル入れるの忘れてました。どうも乃依です。
もうこれからは無しにしようと思ってます(主な原因に思いつかないってのがありまして)
ではではどぞ。



第7話

東西に連絡し、彼が戻ってくるまでの間、こいつにはどういう実験をさせようかと考えていた。

元より自己強化に繋がる実験をしようとは思っていたが、特に思いつかない。

そもそもこいつの謎極まりない能力の調査からだろう。

「…なんで熱くなってたのやら。」

2つの意味を込めてそう呟いた時、海堂が部屋に入ってくる姿が見えた。

 

 

「…ここかぁ?」

「そうじゃなぁ」

疲れた。

1日の大半を移動に費やすと流石に疲労も貯まるもんだ。

そしてその1日を代価に手に入った情報が、ここである。

フロスト社の(既に機能は停止したと聞いたが)本社だ。

夜が明け、少し経った頃に人影が入っていく姿と、またまたその2時間程後に人影が入っていく姿を見たという人が居た為だ。

「とっとと核炎拾って帰るぞー」

帰る場所があるのかは知らないが。

そう心の中で吐き捨てながら、ドアを開けて(正しくは壊して)2人は中に入っていった。

 

 

核炎の能力で熱が発生することを東西に報告すると、すぐに東西は警察に報告しに行った。

耐熱装備が無意味ではないことが判明したためだろう。

(だがこいつの熱に耐えられるのか)

そう考えながら、核炎の身体調査を始める。

時間は限られている。やるべき事を慎重に手早く進めなくてはならない。

 

とりあえず解剖は後回しにして、時間が豊富な時にするとした。

まずは「コア」の調査だろう。

これが能力の行使に関わっているのは明確で、現に熱を発した時もこれが黒く変色していた。

触ってみたが、特に異様な感触や見た目をしているわけでもなく、熱くもなく、冷たくもない。

人肌のような温度で、大して不思議な点は見当たらなかった。

重さも普通。

核炎が思い入れのあるただの球体かと思ったが、それにしては変色したり常に片手に持っていたりは変だろう。

それにそこまで大事なものならどこか別の場所に保管するという事もあるだろうし。

「…なんなんだこいつ。」

人に言えた台詞ではないが、ため息を付きながらそう呟いた。

次に体を調べた。

特に何も不明な点は無かった。

身長体重も見た目相応。体温も平熱レベル。頭髪普通の感触で、服にも何も細工はされていなかった。

下腹部の辺りにも何も変なところはない。

自分がほぼ人間と同じ体をしているのと同じなのだろうか。

超越者と人間の違いは能力とコアの有無だけなのだろうか。

謎は1つも解決されることなくまた新たな謎を生むだけ。

本人に聞くのが1番早いのだろうがその為に起こすと何をするかわからないし。

「…期待外れかなぁ。」

能力が違うだけで自分とほぼ変わらないのかもしれない。

その時、

「あ。居た。」

「は?」

見知らぬ男二人がドアを蹴破って入ってきた。

 

 

「誰じゃ、お主?」

核炎の寝床(?)の横に立っている女を見て、問いかける。

「いいじゃねぇか、んなことは。核炎拾ってさっさと帰るぞ。」

「ほいほい。」

 

 

超越者…だろうか?

黒と青が混じっているが、ほのかに茶色に見えないこともない髪色。

常人離れした脚力。

ここのセキュリティには詳しく無いのでどれ程の強度か分からないので判断材料としては欠陥品だ。

 

近づいてくる。

 

「まぁ待ちなって。」

腰から銃を引き抜き、核炎の頭に当てる。

「それ以上近づいたら、撃つよ。」

…心底面倒くさそうな顔をされたのは見間違いだろうか。

「…お前、バカなの?」

普通に近づいてくる。

仕方が無いので彼に向けて一発撃った。

だが

「だから、バカなの?お前。」

いつの間にか手に持っていた小刀で弾き落とされる。

 

『超越者』確定。

 

即座に飛び退き、生き残る術を考える。

銃は効かない。こちらの能力も恐らく効果が薄いだろう。

こういう時に『戦闘型』はやっかいだ。

そして今自分はそれに喧嘩を売った。

戦闘狂の様な同族に、喧嘩を。

 

「何だ?殺らねぇよ。一応紳士なもんでな。」

「…行動と言動が一致しておらんぞ。」

「うっせ。」

核炎を担ぎ上げ、耳元で何事か囁いた。

すると気がついた様で、薄く目を開いた。

「……せ、…?」

声が出ていないが、質問の意図は分かったので肯定の頷きを返しておく。

 

 

「さて、じゃあ帰るわ。」

そのまま返すのは不味い。

まだ足りない。

 

「『毒霧塊』」

サティラの能力は『調合』

本来であれば薬にしか適応されない、使い勝手の悪い能力であるが

本人の意志と努力により、『この世の全て』にその能力は適応される。

本来相反する炎と水。太陽光と月光。毒と薬。

それを変換することも可能な創造系能力である。

 

「ちょっとは寛いで行ってくれてもいいんだよ?」

自身の右手に紫色の塊を作り出し、地面に叩きつける。

その瞬間、部屋中を毒霧が包む。

 

「は?ちょ、お前」

女が何か呟くと同時に視界が白く染まる。

そして消えそうになる思考の中で、分かったことがひとつ。

 

こいつは超越者だ。ということ。

 

 

「…手間のかかる女じゃの。」

平然としている老人。

なぜ自分の毒が効いていない。

核炎ともう1人の男には効果があるように見える。

特に身体的に損傷が激しかったであろう核炎は血を吐いている。

なぜこいつには効いていない。

 

 

「もう儂も年なのでな。あんまり手間を掛けさせてくれるな?」

 

何が年だ。

明らかに全盛期だろ。と愚痴を吐きたくなるほどだった。

目は確実に老人を捉えていたのだが、いつの間にか背後に回られていた。

そして頭には銃口が突きつけられている。

しかし、焦ることではなかった。

 

 

滅創は戦えない訳では無い。

ただ戦闘になった場合自分の武器を作り出したとしても、それを行使できないだけであって。

そしてそれを自分以上に使いこなす男が居たからで。

例え見た目が老人だろうが、身体能力は常人より上である。

 

 

「…ふふ」

しかし、サティラは笑った。

もう「時間稼ぎ」は必要無い。

「何が可笑しい?」

「全て自分達が優勢だと思わない事ね。」

破壊音。

天井の一角が崩壊し、落下する。

それを引き金にあちこちが崩壊し始めた。

「氷華は既に我々のモノ。じゃあね、お爺さん?」

『別転移』で移動する。

氷華は既に東西が運び出した後だ。

あの3人を始末出来ればいい。

 

 

 

「…チッ。あのくそ女!!」

「1番先に倒れとった奴が何言っとるんじゃ。」

「仕方ねぇだろ!?毒かなんか、あの女が」

「はて?」

瓦礫の中から体を起こしつつ、叫ぶ。

しかし滅創は呆けるので逆に苛立ちが増える。

「次会ったら絶対ボコる!!」

「…紳士とは」

何か滅創が呟いたようだが無視だ無視。

まともに聞く分無駄だ。

そして核炎を引っ張り出そうと思った時、自力で脱出してくる彼女が見えた。

 

 

「お。大丈夫か?」

「いっつ。全身筋肉痛だわ…」

口から血を吐き捨てながらそう呟く。

…筋肉痛?

「…お主…」

滅創が顔色を変える。

「まさか『裏』を使ったんじゃないだろうな?」

 

 

 




次回は回想及び説明が多くなると思います。
そろそろ文字数自重したいですね。
ではではまた。
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