ハイスクールD×D 〜運命に抗い続ける男たち〜 作:レッドスノー
原作を読んだのは何年も前のため、細かい部分の補完は他のSSやアニメとなってしまうため、中には正確ではない描写があるかもしれません。あらかじめご了承ください。
完結目指して頑張ります。
「皇火、お前の年は幾つだったかね?」
こちらに目線を合わせることなく、机に向かいペンを走らせ続ける男がそう問いかけてきた。
「今年で18ですけど、それがどうかしました?」
男に問いかけられた青年は、まるで分からないと言いたげな表情で男を見る。
「これから日本へ向かい駒王学園と言う高校に編入してもらう」
そう言った瞬間、青年の顔は驚愕の表情に染められた。
「ちょ、ちょっと待ってください。確かに日本では高校生ですけど、ここは英国です」
それに、と青年は続ける。その顔に驚愕の表情はなく僅かな憤りが感じられる。
「俺はオックスフォード大学を修士課程で卒業しています。今さら極東の島国の三流高校に通う必要性が感じられません」
確かに世界で一、ニを争う大学を卒業したのならば、高校に行く必要も全く無いだろう。
だが、男は決定事項だと言わんばかりに青年の言葉に聞く耳を持たない。この場を静寂が支配し、次第に青年の頭も冷えてきたのか冷静に男に問いかける。
「俺を日本の高校へ行かせてどうするんですか」
「我らが主からの命令だ。駒王学園を中心に事が起こると仰られた。ただちに我らが主は眷属と共に駒王へ向かうとのことだ。もう一度言う、これは主からの命令であり拒否権はない」
最後の一言で、皇火の目に強い力が宿る。そして先ほどまで青年の表情を支配していた感情は瞬く間に消え失せた。
「了解しました、女王よ」
「それでよい」
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「なあ、イッセー。聞いたか?今日から新しい先生が来るらしいぜ」
「それに三年に転校生も来るみたいだ。まあ男だって聞いたから興味ないけどな。とりあえずイケメン死すべし!」
メガネをかけた男、元浜と坊主の松田が親友の一誠にそう教える。
同じタイミングでイギリスから教師と生徒が揃って来るということで、学校中で話題となっている。無論、この三人とて例外では無い。
「同じタイミングってのも中々珍しいよな。まあ何か事情があったんだろう」
一誠はあまり興味が無いようで、早々にこの話題を切り上げる。それに対し二人も意義が無いようで、いつものエロネタへと話題は移行した。
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生徒会室にて、生徒会会長と副会長が机を挟み三枚の資料を片手に話をしていた。その資料には本日より転校して来た
「
「こちらの方はケンブリッジ大学の医学部を中退と書かれています。しかし、同様に中退後の経歴は何もありません。何故彼らはこの学園に来たのでしょうか」
「現時点ではまだ何も分かりません。椿姫、念のため彼らには目を光らせておいてもいいでしょう」
「承知しました。それでは全校集会の準備をしてまいります」
椿姫と呼ばれた副会長は一礼をし、生徒会室を後にする。
「はぁ、週の初めだというのに気が重いですね。兵藤皇火に西園寺楓。それにどこかで聞いたことのある名前の彼。一体何者なのでしょうか」
そう呟く会長の片手にある最後の一枚の資料、そこにはこう書かれていた。
『オックスフォード大学教授 アドミラル・ロイヤルオーク』と。
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全校生徒が集まった体育館では、生徒達がそれぞれ談笑に花を咲かせていた。もちろん話題はこれから紹介される新しい教師についてだ。教師が揃うと次第に話し声は小さくなっていったが、校長が壇上に上がっても完全に収まることはなかった。
「これより、臨時の全校集会を始めます。臨時で来て頂いた講師を紹介します。どうぞお上りください」
壇上へ一人の男が上がる。途端に女子生徒が声には出さないものの、色めき立つ。
稀少な金髪と碧眼の持ち主で、どこか幻想の世界から迷い込んだ王族と言われても納得してしまう。むしろそちらの方が相応しいとさえ思ってしまうほどの人物。その男の顔は完璧と言っても良いほどに整っており、加えて一挙一動全てが品格を感じられる。女子生徒ならず、男子生徒や他の教師陣までもが目を奪われていた。
「どうも皆さん、初めまして。イギリスのオックスフォード大学より臨時で当校に来ました。アドミラル・ロイヤルオークです。イギリスから来たということもあり、英語の講師ということですが、国語と日本史以外であれば全ての教科を教えることが出来るので、何かあれば聞きに来てください。それではこれからよろしくお願いします」
「ありがとうございました、ロイヤルオーク先生。新しい講師の紹介も終わったので、これで臨時の全校集会を終わろうと思います。それでは皆さん、教室へ戻ってください」
校長の言葉が無ければまだ彼らはこの場を動けなかっただろう。それほどまでに彼らはアドミラル一人に目を奪われていた。
入り口付近に立っている二人を除いて。
「相変わらずだったね。みんなあの人しか見えていなかった」
腰まで届きそうな青色の長髪をなびかせる一人の少女が、隣にいる青年へ話しかけた。
「いつものことだろ。多分女王はそういう運命に生まれたんだ。主だって言ってたろ、あれ程の運命を背負った者を見たことがないってな。まあ、俺たちも女王ほどじゃないにしても他とは一線を画す運命を背負っている。気をつけないと呑み込まれるぞ」
「分かってるよ。運命に呑み込まれたら私たちは存在出来ない。常に抗い続け無ければならないってことはね」
「これからここで生活が始まるんだ。ヘマは起こすなよ、楓」
「皇火こそ。それじゃ、また後で」
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駒王学園三年のとある教室にて
「リアス、新しい転校生のことだけど」
「分かっているわ朱乃。ソーナによると既に大学は卒業しているそうよ。それもオックスフォード大学をね。一体何しにここへ来たのかしら。まあいずれ分かることよ、今は静観しましょう」
「あなたがそう言うなら」
だが彼女達の表情から完全には不安を拭い切れていなかった。
「おし、お前ら転校生を紹介するから席に着け」
教師が入ってきたことで生徒達は各々の席へと戻って行く。先ほどリアス・グレモリーと会話をしていた姫島朱乃は別のクラスのため自分のクラスへと戻る。
よし、入れという掛け声のもと、一人の男子が教室へ入ってきた。
「イギリスから来ました、兵藤皇火です。生まれは日本ですが、ほとんどがイギリスで生活していたため日本文化には疎いところがありますが、まあ一年間よろしくお願いします」
男子にしては長めの黒髪に赤い瞳。先ほどのアドミラルに比べれば若干見劣りするものの、到底同じ日本人とは思えないほどに整った顔立ち。190cm近くあるだろう長身に衣服の上からでも分かる均一の取れた肉体。
もちろん、これほどまでの男を見て生徒達が反応しないはずもない。
「イケメンだわ」
「ええ、文句の付けようのないイケメンね」
「まさかこれほどのイケメンを同じ日に二人も見れるなんて」
「またイケメンかよ!」
「今日はイケメンのバーゲンセールでもやってるのか!」
「既に俺はイギリスのオックスフォード大学を卒業しているので、勉学に関しては皆さんの助けになれると思います。何か分からないことがあれば聞いてください」
「加えてまごうことなき天才」
「もう何も言うまい」
「まあ紹介も終わったところで授業を始めるか。兵藤は奥のリアス・グレモリーの隣に座ってくれ。それじゃ、授業を始める」
教師は窓際の空いている席を指差し、着席するよう促す。皇炎が自分の席へ向かって歩いて行くのを目で追う生徒達。授業の際の号令をするよう教師が言うまで、誰も彼もが目を奪われていた。
授業が終わり昼休み、皇炎は自分の席で昼食を取ろうとしたところ隣に座るリアス・グレモリーに話しかけられる。
この時まで彼は休み時間でさえ誰からも話しかけられなかったために、クラスの皆から避けられていると思っていた。実際にはそんなこともないのだが。
「兵藤君、一緒に昼食を取らない?」
「リアス・グレモリーか。いいよ、まあ隣同士だしこれも何かの縁ということか」
こうして兵藤皇火、リアス・グレモリーの二人で昼食を取ることとなった。
「ところで兵藤君、どうしてこの学園に来たの?大学も卒業してるみたいだし、正直不思議でならないのだけど」
「俺の保護者が最低限の日本文化を学ぶために、一年だけでも行ってこいって。この学園に来たのは日本人の知人がこの町に住んでるからだな。それと俺のことは皇火って呼んでくれてかまわない」
「だったら私もリアスでいいわ。日本はどうかしら、まだ慣れないところもあるでしょうから、何かあったら相談に乗るわ」
「助かる。それと、一つ聞いてもいいか?」
「なにかし、えっ!?」
途端に皇火は身を乗り出し、リアスの首筋の匂いを嗅いだ。その行為に当然ながらリアスは赤面し、その光景を見たクラスメートも顔を赤らめ目をそらす。
「ちょ、ちょっといきなりされると困るのだけど」
「いきなりじゃなかったら良いのか?」
「そ、そういう問題じゃなくて」
「君は周りの人間とは違う感じがする。その美貌もさることながら、他の人には感じられない気品やオーラのようなものがある。君ほどの人物に俺は中々出会ったことがない」
容姿を褒められることに慣れているリアスでさえ、彼ほどの人に褒められれば照れもするだろう。その証拠に先ほどのこともあってか、更に顔に熱がこもっている。
だが、次の皇火の一言でリアスの思考は現実へと引き戻された。
「まるで自分を見ているようだ」
「あら、間接的に自分を褒めてるのかしら」
「なに、客観的事実を述べたまでだ。さて、この話は終わりだ。そろそろ昼食を食べてしまわないと授業に間に合わない」
「ええ、そうね。いただきましょう」
リアスは皇火の言葉に軽口を返しながら先ほどの言葉の意味を考えていた。
自分を見ているようとはどういうことなのか。本当にただそれだけなのか。それとも......。
ーーーーー
「私たちと同じ悪魔かもしれないと」
「ええ、だけど彼からは人間の気配しか感じ取れなかったわ」
「僕も彼と一度通りすがりましたが、何も反応はありませんでした。もし部長が悪魔だと気付いたなら、同様に僕への接触もあると思いますが」
「祐斗には何の反応も示さずってことね。やっぱり私の考えすぎかしら」
「今回ばかりは様子見とするしかありませんわ」
「小猫は何か気になったことはある?」
「いえ、私の方からはなにも」
「そう」
放課後、壁に魔法陣が描かれているあまり趣味が良いとは言えない一室で、リアスと朱乃、そして二年の木場祐斗と一年の塔城小猫が皇炎について話していた。そこは彼女達が所属しているオカルト研究部と呼ばれる部活動の部室だった。
そしてリアス含めこの四人は人ではない。俗に悪魔と呼ばれる存在であり、朱乃、木場、小猫はリアスの眷属だ。そしてリアスは駒王町を管理する立場にあり、仮に皇火が人ならざる者であった場合、管理者であるリアスは彼が何者で、何の目的で来たのかを知る必要があった。
「それにしても部長。彼、中々のプレイボーイみたいですわね。学年で噂になっていましたよ。兵藤皇炎がリアス・グレモリーに迫ったって」
その言葉によりリアスの脳内では昼間の光景がフラッシュバックする。それと同時に再び顔を恥ずかしさで赤らめ、顔を背ける。
「その様子ですと満更でもなかったようですね」
「あ、あれは当然のことで驚いただけよ!そう、それだけ!」
「あらあら、そんなに強く否定しなくてもいいんですのよ。私には分かってますから」
「全然分かってないんだけど」
そんな二人の光景に祐斗は苦笑し、小猫は無言で和菓子を口にするだけだった。
彼女たちはまだ知らない。今この瞬間に兵藤一誠が天野夕麻に告白を受けていることを。
彼女たちはまだ知らない。運命の歯車が動き始めたことを。
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学園から少し離れたところにある一際大きな家。いや、それは家と呼ぶより屋敷と呼ぶ方が近いだろう。その屋敷のある一室に二人の男女がいた。
「主よ、これから始まるのですか?」
「ええ、そうよ。運命に従った弟と運命に抗った兄。運命の歯車に狂わされた二人の兄弟なんて数奇な物ね、アドミラル」
「あまり戯れが過ぎると、私たちまで呑み込まれてしまいます。それよりも主、仕事をしてください」
「嫌よ、仕事なんて貴方達がすればいいじゃない。私じゃなくても出来るものは私以外にやらせればいいのよ」
はぁ、と溜め息を吐き仕方ないと呟くアドミラル。
「では主、この家のゲームは全て廃棄させて頂きます。よろしいですね?」
「えっ!?嫌よ!そんな事は絶対に嫌!」
「でしたら働いてください」
そして主と呼ばれた女性はアドミラルから発せられる無言の圧力に屈したのか、不承不承ながらアドミラルの言葉に従い仕事部屋へと後にした。
「怠惰な主を持つと苦労するな」
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「ただいま」
皇火が学校から帰宅した。当初は楓と二人で帰る予定だったようだが、彼女が部活動を見ていきたいと言ったため、一人で帰る事となった。
「帰ったか、皇火」
「女王、ただいま戻りました」
皇火に女王と呼ばれているアドミラル。彼が男であるにも関わらず、何故女王と呼ばれているかはまたいつか。
「それにしてもお早い帰宅ですね」
「今日は顔合わせに過ぎんからな。私が授業をするのは明日からだ。それと帰って早々悪いが主のところへ行ってくれ。3階の仕事部屋だ」
「また脅したんですね」
そう苦笑をするものの、まあ仕方ないかと皇火は考える。
「主のところへ行くときは、くれぐれもその様な格好で行くなよ」
「日本の学生は冠婚葬祭の際は制服を着用するとお聞きしましたが」
「日本文化が許しても私が許さん。すぐに身支度をし、主の元へと向かえ」
「かしこまりました」
皇火は心の中で軽く悪態をつきながらも、自分の衣服類が仕舞われている部屋へと向かい、そこで身支度を整えて主の部屋へと向かった。
「今帰ったぞ、エレオノーラ」
先ほどの学園の制服とは打って変わって、誰が見ても高価だと分かるスーツに身を包む皇火。その姿は制服姿の頃には無かった気高さの様なものを醸し出していた。
「おかえり〜皇火。なんか皆んないつもスーツね。家なのにスーツなんか着て息苦しくないのかな」
気だるげに椅子にもたれかかり、仕事をしているかのようにペンだけを動かしている手入れのされていない緑色の長髪を持つ女性。彼女がアドミラルから主と呼ばれ、皇火からエレオノーラと呼ばれている女性だ。
「女王の性格を考えれば当然だろうな。それで用事ってなんなんだ?」
そういえば、とまるで今まで忘れていたかのような反応を見せる。
「第一の歯車が動き出したわ。第二の歯車が動き出すのは今週末よ。それまでは気を楽にしてていいわ」
「遂にか。エレオノーラには見えているんだろう、この世界が終わるまでの全てが」
エレオノーラは千里眼と呼ばれる力を持っている。だが、通常の千里眼が遠くの出来事を感知するだけに対し、エレオノーラの千里眼は過去現在未来に起こる全ての出来事を見通すことが出来る。彼女はこの力を天元の眼と呼んでいる。
「私に見える光景は私しか知らない。貴方達に伝えるのはそのごく一部だけ。運命が変わってしまえば私も困るからね」
その時ドアが開く音がした。入ってきたのは皇火に楓と呼ばれていた少女だった。彼女もアドミラルに言われたのだろうか皇火のスーツ同様、高価なドレスを着用していた。
「おかえり、楓」
「うん、ただいまエレオノーラ」
「ところで二人とも、学校はどうだった?」
「俺の方は特にこれと言ってだな。まあこの容姿だから注目はされたさ」
「私の方はなんか男子が騒いでいたね。それと兵藤と松田、元浜の三人は変態だから注意しろってクラスメートに言われたよ」
「まあ何はともあれ問題なしってことね。さっき皇火に言ったけど、週末までは何もないから好きなように過ごしなさい」
「了解」
「わかったよ」
第一話でした。
書いてて思ったのが、朱乃の口調が書き辛いのと小猫を扱い辛いところですね。それとオリキャラも初めはなんだか扱い辛いです。
原作キャラもオリキャラも上手く扱えるよう頑張ります。
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