ハイスクールD×D 〜運命に抗い続ける男たち〜 作:レッドスノー
オリ主を持ち上げすぎてくどいと思う方もいるかと思われますが、最初のうちに持ち上げきっておくだけですので後からそのようなことは少なくなると思います。
日は流れ金曜日の放課後。初日こそリアス以外のクラスメートから話しかけられなかった皇火だったが、今ではクラスメートの多くが彼と話す仲となった。だがやはり隣同士とあってか、自然と皇火はリアスとの会話は多くなり、それに伴い仲も深まっていた。
「なあ、リアス。明日空いてるならどこか出かけないか?」
その一言でクラス中の動きが止まった。放課後とはいえまだホームルームは終わったばかり。そのためクラスの殆どの生徒はまだ教室に残っていた。そして皆の視線は自然とリアスへと向けられる。だが彼らは知っていた。リアス・グレモリーはこの手の誘いは受けないということを。女子は漁夫の利を得ようと、男子は振られるイケメンをからかおうと心の中で思っていた。しかし事態は予想だにしない展開となった。
「え?え、えぇ。構わないわ」
「あのリアス・グレモリーが了承したぞ」
「私たちの兵藤君が」
「おのれ、兵藤某め。我らがリアス・グレモリーを」
クラスメートの反応は様々だったが、皇火はそんなことは意に介さず時間や待ち合わせ場所を指定し帰宅していった。
残されたリアスは、クラスメートの様子を見て反応に困ってしまい足早に教室を後にし部室へと向かった。
「不味いわ、みんな。非常に不味いわ」
部室の椅子に座るリアスから発せられるただならぬ雰囲気を部員達は感じ取り、何事かと表情を硬くする。
「どうかしましたの、部長?」
「皇火に誘われたのよ、明日出かけようって」
「ハハハ、部長を誘う人は多いですしね。いつも通り断ったんですか?」
「いえ、それが......」
リアスは歯切れが悪そうに言葉を濁す。その様子を見て、あまり表情に変化がない小猫までもが驚いていた。
「え、まさか了承したんですの?」
「えっと、彼なら良いかなって」
この時、三人は思った。なんていうチョロさだ、と。
「それで聞きたいのだけど、服は何を着ていくべきかしら。都内のホテルのディナーに誘われたのだけど」
うーん、と三人が唸る中祐斗が一つの案を出す。
「ホテルのディナーだったらワンピースとかはどうでしょう。それに、あまり高価な物だと彼を萎縮させてしまうかもしれません」
「彼は育ちが良さそうだし、落ち着いた服装の方がいいかもしれないわね」
「遂に部長にも気になる殿方が出来まして、副部長としても嬉しいですわ」
「ただクラスメートと夕食を取るだけよ」
「そういうことにしておきましょう」
朱乃の言葉に納得していない様な表情を浮かべるリアスだったが、問題は解決したためこの話を切り上げ仕事に取り掛かる。
この日もまた小猫はお菓子を食べているだけであった。
そしてリアス同様、皇火もアドミラルにリアスと出かける旨を伝えていた。
「ということで、女王。明日の夜、リアスをディナーに連れて行こうと思っています」
「悪いがその予定は変更してもらう。パーティーの予定が急遽入った。無論、お前に出席してもらう。何、グレモリーの娘も同伴させてもかまわん」
「それはいいのですが、おそらく彼女の服装はパーティーに適さないのでは?ただのディナーだと伝えてありますし」
「会場に入る前に買ってしまえば問題ない。今回は運転手がいないため運転は私がしよう。今のうちに明日のコーディネートを考えておけ」
「分かりました」
ーーーーー
翌日。土曜日ということもあり、部活動に励む生徒がちらほらと見える。オカルト研究部の部員達も窓のから顔を覗かせ、リアスを見守っていた。リアスは言われた通り白いワンピースを着ており、服装を清楚な雰囲気に纏めていた。
約束の5分前、リアスの前に一台の白塗りの車が停まる。そしてその車、ロールスロイスファントムの後部座席から降りたタキシードに身を包む皇火を見てオカルト研究部の部員は一様にこう思った。
((((やってしまった))))
だが、これは格式の高いパーティーだと言うことを伝えず、ホテルでのディナーとしか伝えなかった皇火に落ち度がある。
「待たせてしまって悪い」
「いえ、私も来たばかりだし構わないわ。それより、こんな服で大丈夫かしら」
「まだ時間もあることだし、問題はない」
「そう、良かったわ。なら行きましょ」
二人は車に乗り込み、ホテル会場へと向かって行った。
リアスを乗せた車が走り去るのを見てソファに腰掛ける三人。だが、その顔には不安が残っていた。
「大丈夫かしら、リアス」
「部長は貴族ですし、立ち振る舞いとかに関しては大丈夫でしょう。それにしても」
「ええ、彼は何者なんでしょうか」
「「小猫ちゃんが喋った!?」」
「バカにしないでください」
「すまないリアス、ディナーの予定は変更だ。急遽パーティーの予定が入った。君にはパートナーとして出席してもらいたい」
リアスは焦る。彼女はパーティーに出席さる際の服装を知っているからだ。今着ている服ではパーティーには適さない。それゆえ彼女は焦った。
「それだと尚更この服装では問題があると思うのだけど」
「言っただろ、大丈夫だって。まだ時間はあるから今からドレスを買いに行く」
ーーーーー
都内のホテルのパーティー会場で、一組の男女が他の出席者から注目を集めていた。タキシードを着る黒髪の青年と、胸の空いた赤いドレスを着る赤髪の美女。兵藤皇火とリアス・グレモリーだ。
リアスは皇火の元に挨拶に来る人達を共に対処していた。パーティーでの挨拶回りに慣れているリアスは、これを苦もなく対処するかに思われた。だが、挨拶回りを繰り返す内にここに集まる人物がどのような者たちかに気づき、緊張感を覚える。
人間社会には疎いリアスでさえ何度も耳にするような世界的大企業のトップや、総理大臣、イギリスの女王、アメリカの大統領など名だたる著名人が数多く集まっていた。
そんな人達がまず初めに皇火の元へと集まる。皇火もそれに尻込みすることなく、まるで友人と会話をするように彼らと話をしていた。
彼らの皇火への挨拶が落ち着いたところでリアスは彼に疑問を投げかけた。
「皇火、あなた一体何者なの?」
「大したことはない、一企業の社長でしかないよ」
「またまたご冗談を」
白髪の初老の男性が皇火達の元へ歩いてきた。老人ながらその眼光は鋭く、佇まいも非常に整っていた。
「あぁ、アドルフか。紹介しようこちらクラスメートのリアス・グレモリーだ」
「初めまして、グレモリー嬢。私はアドルフ・クロスフォード。皆私のことをアドルフと呼びます。どうぞ、グレモリー嬢もアドルフとお呼びください」
「こちらこそ初めまして、Mr.アドルフ。私のこともリアスで構いませんわ」
「皇火様も隅に置けないですね。このような美しいレディと恋人でしたか」
「恋人!?」
「言っただろう、クラスメートだと。彼女は今宵のパートナーなだけだ」
その言葉にリアスは顔に影を落とす。それに気付かない二人ではなかったが、皇火は気付かないフリをする。だが、アドルフはそれを見逃さなかった。
「皇火様、英国紳士たるものあまり女性をいじめてはいけませんぞ」
「ふっ、ドイツの老兵に言われてしまっては英国紳士の名折れだな。まあいい、今宵のパーティー、アドルフも楽しんでいってくれ」
ーーーーー
パーティーもお開きになり皇火とリアスは車へと乗り込む。疲れからか、重圧からの解放ゆえかリアスは車に乗り込むなり眠ってしまった。
「随分とグレモリーの娘を気に入っているようだな」
「否定はしません。俺は彼女から感じ取れましたし、何より彼女は持たざる者ではなく持つ者です」
「あまり深く入り込んで己を見失うなよ」
「女王の言葉、肝に銘じておきます」
リアスからあらかじめ聞いておいたリアスの家の前に車を停め、皇火は眠るリアスを起こし別れを告げる。
「遅くまで付き合わせてすまなかったな」
「いえ、久しぶりのパーティー。楽しかったわ、ありがとう。それじゃ、おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
家に帰るリアスを見届ける。そして彼はリアスの背後に迫る深淵を見た。
「リアス......」
翌日の兵藤一誠の死、そして眷属化を皮切りに運命の歯車は動き出す。
「第二の歯車が動き出したわね。さて彼らは運命に呑まれるのかしら、それとも抗うのかしら」
第二話でした。
作者はリアスがあまり好きでは無いため、ただの原作キャラとして終わらせるつもりでしたが、なんだか書いてて愛着が湧いたので当初より出番は増えます。リアスファンの人、おめでとう!アンチリアスの人、残念!
現実的にありえない等々思われる描写もあるかと思います。
ですが安心してください、ファンタジー世界てすから。
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