天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。


東空座町編第八話 破面現世に行く

 十二番隊に組み込まれた破面(アランカル)、通称(くろつち)(むくろ)部隊(ぶたい)は現状に飽き飽きしていた。

 十二番隊に組み込まれたとはいえ、彼らは死神とは敵対関係である破面。行動は制限され自由に動けるのも十二番隊が管理する敷地内。

 中でも一番ストレスが貯まっていたのは。

「なんであのチビがいる場所が分かっているのに殺しにいけないのさ!」

 現世で日番谷(ひつがや)冬獅郎(とうしろう)千年(せんねん)氷牢(ひょうろう)に閉じ込められズタボロにされたルピ・アンテノールだった。

 同じ骸部隊であるドルドーニとチルッチが執心する一護と雨竜は現世。現世に行く術がない彼らには諦めることが出来る。しかしルピが『次に会ったらゼッタイキミのその小っこいアタマ ネジり切って潰してやるからさ!』言った相手は尸魂界(ソウルソサエティ)。二人と違って手に届く距離にいる。

 何度脱出を試みたがそのすべてが涅マユリや彼らと接触する機会が多い粕人によって阻止され続けた。ちなみにクールボーンは自分を殺した相手は忘れたらしいので執心する相手と戦えないストレスはない(らしい)。

 そんな彼らのストレスを感じとり、かつ東空座町に赴任することとなった粕人は上司のマユリに「現世ならどうでしょう?」とダメ元で聞いた。

 意外にも答えは是だった。

 その際設けられた条件は二つ。

 一つ目は彼らが人間とほぼ変わらないマユリが作った特別義骸に入ること。

 二つ目は、葛原粕人が彼らを管理すること。

 こうして現世で行動する際の必要最低限の知識を教えられたドルドーニ達は当たり障りのない服装に着替え、葛原粕人のいる東空座町に降り立った。

 

 

 

「じゃあこれに乗って下さい」

 五人が乗っても余裕のある大型の車に、粕人は四人を招待した。

「で、小さいぼうや(ニーニョ)。我々をどこに連れて行ってくれるのだね?」

 助手席に座るドルドーニが運転席の粕人に声をかける。

「そうやぁ、ボクも聞いてないけど」

「まあ、ゴミが連れて行くところなんて大したことないだろうけど」

「美しくて余裕のあるあたしは逆にどんな所に連れて行ってくれるのか楽しみだけど」

 後ろのルピ、チルッチ、クールホーンが好き勝手なことを言う。

「まあ、それは行ってからのお楽しみですって」

 そう言って粕人はエンジンを入れて発進する。

 車は快調に道を進んでいく。

「ねぇ、おっさん。さっきから何読んでるの?」

「ん?現世の運転マニュアルというやつだ」

 後ろから覗き込みながら尋ねるルピにドルドーニが答える。

「ところで小さいぼうや(ニーニョ)。現世では『自動車』というものを運転するには『運転免許証』というものが必要らしく、それを取得するには『教習所』というところで運転と勉強をしないといけないようだが。よく駐在任務をしながら運転免許証とやらを持てたな」

「やだなぁ、ドルドーニさん」

 感心するドルドーニに、粕人は運転に集中しつつ満面の笑みで答える。

「駐在任務で忙しい僕が運転免許証(・・・・・)なんて(・・・)持っている(・・・・・)わけがない(・・・・・)じゃないですか(・・・・・・・)

「「「「……………………」」」」

 その言葉に車に長い沈黙が流れる。

「……小さいぼうや(ニーニョ)。とりあえずそこの路肩(ろかた)に車を止めよう」

 赤信号で止まるや否や、ドルドーニは車が止められる場所を指さしながら提案する。

「え、路肩(・・)って何ですか?」

「「「「……………………ッ!!」」」」

 ガチャガチャガチャ!!バンバンバンッ!!ダンダンダンッ!!

「嫌だ!こんな所にいては命がいくつあっても足りん!吾輩はここで降ろさせてもらう!!」

「ルピ!クールホーン!何やってんのよ!!さっさとドアを開けなさいよ!!」

「さ、さっきから開けようとしてるんだけど!!」

「ドアが開かないのよ!!」

 ドアが手元にある三人はドアを開けようとするがうんともすんとも言わない。これが本来の身体ならば力づくでドアを破壊して外に出ることも出来ただろうが、今の彼らは人間並みの力しか出せない。

「あ、この車は見た目は普通の車ですが防弾ガラスなどを使って並の兵器では壊すことが出来ない頑丈な造りになってます。あと運転中はロックがかかってますからエンジンを切らないと外に出られませんよ。それから」

 そう言ってどこから取り出したのか粕人はガスマスクをつける。

 何故ガスマスクを?

 その疑問はすぐに解けた。なぜならば天井から怪しい突起が出現すると禍々しいまでに緑色のガスが噴出した。

 窓が開いていない車内という密閉した空間に、緑色のガスはあっという間に充満する。

 そして。

「「「「……………………ッ!!」」」」

 ガスを吸い込んでしまった四人は口をパクパクさせながら動けなくなっていた。

「このガスは痺れ薬です。安心してください。一時間くらいしたら元に戻りますから」

 そういう問題じゃない!!

 そう言いたい四人だったが痺れ薬で舌も動かせない彼らにその言葉は粕人には届かない。

 その後車は高速道路に入りビュンビュンスピードを出す粕人を見て、恐怖に震えることも出来ない四人は思った。

 

 頼むから、無事に帰らせて。

 

 と。

 その後温泉に連れて行ってもらった四人は存分に温泉を楽しんだのだが、その楽しさは帰りの車で一気に吹っ飛んだのは言うまでもない。

 

 

 

 こうして破面の現世での息抜きは無事終了し、四人は尸魂界に帰って行った。

 彼らにトラウマを残して。

 




この小説はフィクションです。良い大人も悪い大人も自動車を運転する際は免許証を取得してから運転して下さい。
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