天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

作中の用語。
霊王護神大戦。見えざる帝国との一連の戦いの総称。


新章第十一話 阿散井苺花は自分の目で葛原粕人を判断したいようです

 技術開発局。

「クズ。隊舎の屋根瓦がはがれてしまっている所があるから直してこい。あと点検も」

「あ、あの……(くろつち)隊長。僕、就業時間が――」

「何か言ったかネ?」

 粕人の首にはいつの間に抜かれたのか、マユリの斬魄刀・疋殺(あしそぎ)地蔵(じぞう)が当てられていた。

「あッ!!僕、思い出しました!!隊舎の屋根瓦がはがれているのが気になっていたんだ!!わぁ、思い出したらすぐに修理したくなってきた!!あと他に危ない所がないか点検したくなってきました!!というわけで今すぐ修理に向かわせて下さい、涅隊長!!」

「いいだろう」

 そう言ってマユリが疋殺地蔵を鞘に戻すと、粕人は大急ぎで修理道具を持って隊舎に向かって行った。

 

 

 

 カチャカチャ。パンッ!

「よし。これでいいな」

 落ちた瓦を回収した後、粕人は無事に瓦を張り直した。ちゃんと瓦が固定されたことを確認した粕人は汗を(ぬぐ)って立ち上がる。

「さてと。今度は他に危ないところを点検することにしよう」

 

 

 

 十二番隊舎(ねむり)八號(はちごう)専用浴室。

 ヒノキがふんだんに使われた浴室ではお互いの身体を洗った眠八號と親友の阿散井(あばらい)苺花(いちか)が湯につかっていた。

「ねえ、眠ちゃん。私、前々から聞きたかったことがあるんだけど?」

「何ですか、苺花ちゃん?」

 元気な声で答える眠八號に苺花は続ける。

「眠ちゃんにとって、葛原二十席ってどんな人なの?」

「お母さんみたいな人です!苺花ちゃんは前に言ってましたよね?『お母様と一緒にいると安心する』って!クズさんと一緒に居たり声を聞いたりすると安心します!だからクズさんはお母さんみたいな人です!」

(やっぱり聞いていたのと違うな)

「ふ~ん、そうなんだ」と相槌を打ちながら、苺花は自分が得た葛原粕人という男の情報を思い出す。

(十数年前は四番隊にいたけど仕事が出来なさ過ぎて十二番隊に異動。技術開発局では主に掃除や書類整理、書類作成などの雑用を押しつけられる。10年前の霊王護神大戦で行方不明になっていたが後に復帰。多くの隊員が死亡・依願除隊・引退したことで二十席に昇進しただけの、ゴキブリのようにしぶとく生き残った実力のない男。あとエロい)

 それが葛原粕人に対する阿散井苺花の評価だった。

 それが眠八號と二人きりで遊びに行こうとした時以上に、同行した粕人を邪険にした理由だった。

 実力と成果、人間性で隊長・副隊長にのし上がった両親を持つ彼女にとって、運だけで出世した粕人は侮蔑する対象に過ぎなかった。

 そんな男に助けられたことは自分にとって恥であったことと同時に、自分が周りの評価だけで葛原粕人という男の実力を見誤った無知であると思い知らされた。

 だから苺花は知りたかった。葛原粕人という男がどんな男であるかを。他人の評価ではなく自分で判断するために。

 そのために自分より多く接している眠八號に聞いた。あまり参考にならなかったが。

「ところでさ、葛原二十席って結婚してるの?」

 苺花は別の質問をする。葛原粕人はエロい。その疑問を明らかにするためだった。女性関係がはっきりさせることで葛原粕人がどんな男なのか判断する材料にするために。

「結婚はしてないです!」

「じゃあ彼女は?」

「彼女は四人いらっしゃいます!皆さんとても美人な方です!」

(美人な女性を四人も!?なんて節操のない奴だ!!)

 本当は竹馬棒たちに一方的に求愛されているだけなのだが、そんなことを知らない苺花は男の節操のなさに怒りに燃えていた。

 その時天井がミシィと嫌な音がした。

 

 

 

 一分ほど前。

「う~ん。この辺は大丈夫そうだな。おや?」

 粕人の視線が止まる。そこは眠八號専用浴室の天井だった。

「あれ、あそこ瓦が割れているなぁ。急いで取り替えないと」

 浴室に眠八號と苺花が入っていることなど知る由もない粕人はゆっくりと瓦が割れている所に歩みを進めていく。

「さぁて」

 割れた瓦を回収した、その時。

 

 ビュウッ!!

 

「うわぁ!?」

 突然の突風に粕人はバランスを崩し、先ほど回収した瓦があった所に全体重をかけた。

 

 

 

(待てよ、眠ちゃんはそう言っているけど四人の女性と付き合っているとは限らないんじゃないのか?ここは自分の目で確認しないと)

 苺花がそう考えた時だった。

 

 バアアアァァァンンンッ!!

 

 天井から何かが落ちてきた。

「ッ!?」

 かばうように眠八號の前に立つ苺花。

「いたたたたっ……」

 そんな苺花と身体をさすりながら起き上がる粕人の目があった。

「あ、あの……」

 申し訳ございません。これには訳が。

 そう粕人が弁明する前に苺花は脱衣所に置いていた青龍丸を解放すると

「死ね、女の敵!青龍(せいりゅう)(じん)!!」

 恐怖で固まる男に向かって躊躇(ちゅうちょ)なく水で出来た刃を放った。

 

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