天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。




新章第二十四話 葛原粕人はライオンと戦うようです

「ん?ここは」

 粕人が目を覚ますと、 そこはどこかの地下室のようだった。地下室には何もない 変わっているとすれば 壁が色分けされているということだ。

(……なぜ自分はこんなところに?)

 粕人は記憶の糸をたどる。

(確か仕事が終わって部屋に帰ろうとしたら、突然目の前から涅隊長が現れたかと思うと突然顔にスプレーをかけてきて……。そしたらふっと意識が飛んで……)

「目が覚めたかクズ?」

「その声は!」

 声の聞こえた方向に振り向くとスピーカーから上司である涅マユリの声が漏れた。

「今からお前に生き残るチャンスを与えよう。そこに輪っかがあるだろう?」

「輪っか?」

 周囲を見渡すと足元に黄色いフラフープのような物が置いてあった。

(ま、まさか……これって)

 もしかして、と思う粕人。その疑問は上司の次の説明で明らかになる。

「それはすり抜け輪っかという。それを壁や床につけるとフープ内蔵の空間原子分解装置から電波が発生し、通り抜ける壁の原子をゆらして穴を開け、そのままフープをくぐってその壁の向こうへ抜けることができる。壁の向こう側の出口にもフープが付いており、フープを取り外すと元の壁に戻るという画期的な発明品だ」

(ドラ○もんの通○抜けフープじゃねえか!ってか久しぶりに出てきたなぁ、秘密道具!!)

 心の中でツッコミ入れる粕人にマユリは続ける。

「赤い扉は1兆度の炎の部屋。青い扉はマイナス1億度の部屋。そして黄色の扉は 一年以上餌を口にしていないライオンがいる部屋だ。クズ好きな部屋を選べ」

 もう話すことはないと粕人の「ちょっと!」という声も聞かずスピーカーが切れる音が空しく響いた。

(ちょっと待て。1兆度の炎って前総隊長の残火の太刀に熱いし、マイナス一億度って絶対零度より冷たいんですけど!?いくら隊長といえども……いや、あの人ならやりかねん!!)

 多少パニックになった粕人だったがすぐに冷静さを取り戻していた。その証拠にその顔には笑みが浮かんでいた。

「隊長、甘いですよ。一年以上餌を食べずに生きていられる生物が普通に考えているはずがない!」

 粕人は黄色の扉に通り抜け輪っかをつけて入る。そこには、ミサイルや機関銃などの多彩な重火器が。

 ピピッ!侵入者感知、迎撃モード突入!

 多数の銃火器の銃口が一斉に侵入者である粕人に向けられる。

「な、何ですかこれは……」

 固まる粕人にさきほどの部屋にあったスピーカーからマユリの声が響き渡る。

「それはホロウ迎撃マシンとして作った試作品、名前はライオンだ。一年前に作ったのはいいが如何せん燃費が悪くてネ。こうしてここに休眠モードで放置しておくしかなかった。ちなみにこのライオンを動かす燃料は死神や虚の霊圧だ。殺した死神や虚は触手で吸収する仕組みだ」

「しょ、触手!?……ヒィッ!!」

 よく見るとウネウネと赤黒い触手が蠢いていた。

「じゃあ頑張れ、クズ」

 その言葉を合図にライオンの粕人に向けた銃口が発射準備を始める。

(どうする?どうするんだ!?僕……そうだ!!)

 ある考えに至った粕人は色々なアイテムを四次元に保管できる腰巾着(こしぎんちゃく)、四次元袋からピンク色の片開きの戸、空間移動扉を取り出すとすぐさまドアノブに手をかけ開く。

 そこには実験室で研究をしていた打倒葛原粕人に執念を燃やす兵間義昭の姿が。

「来い!」

「!?」

 状況を理解する暇もなく、粕人は長身の年下死神を連れて戻る。

「ッ!!囲め、玄武陣(げんぶじん)!!」

 義昭は自分に向けられた銃口を見るなりすぐさま自らの斬魄刀・玄武陣を抜いて周囲に六面体の結界を発動させる。その直後、

 

 ダダダダダダッッッ!!バキューンッ!!ドゴーンッッッ!!

 

 粕人と義昭に向けて銃弾やグレネード弾のようなものが放たれる。しかし玄武陣は破壊されるどころかヒビ一つ入ることはなかった。

 雨のような銃撃が止まるや否や、粕人と義昭は飛び道具や鬼道で次々と兵器を破壊、数分たった頃には全ての兵器は使用不可能となっていた。

「ゼイゼイ、……く、葛原二十席……これはどういうことです……」

 訳も分からず突然強固な結界を発動することができる玄武陣の使用を余儀なくされる状況に放り込まれた義昭が、肩で息をしながら説明を求める。

 粕人から説明を聞いた義昭は、「あの、葛原二十席……」と前置きを置いてから思ったことを口にする。

「俺を呼び出してそのライオンという兵器の攻撃を防がなくても、空間移動扉というのでそのまま脱出していたらよかったのでは?」

「あ…………」

 その一言で、粕人は固まった。

 そんな粕人を、義昭は実力を疑う疑惑の眼で見続けた。

 

 

 後日。自分がクズと罵っている葛原粕人と新人隊士の兵間義昭に攻略されたことを受け、涅マユリはライオンを即座に廃棄する決断を下した。

 




1兆度の炎とマイナス1億度について指摘されたので加筆しました。
皆様ありがとうございます。
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