天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。


新章第三十一話 世界は救われる。一人の命を犠牲にすれば

 技術開発局。

「ば、バカな!?」、「う、嘘よ!こんなの……」、「そうだ、夢に決まっている……」

 技術開発局が誇る超高性能レーダーが探知した情報に局員達はパニックになっていた。

 

 尸魂界(ソウルソサエティ)を焦土にするには十分すぎるほどの巨大隕石が光速を超える速さで接近。衝突するまで残された時間は約一時間。

 

 護廷十三隊で協議していては間に合わないと判断した技術開発局局長・(くろつち)マユリはすぐに技術開発局主要人物を会議室に召集した。

 

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 技術開発局会議室。

 モニターには今まさに尸魂界に迫りつつある巨大隕石とその位置情報が表示されていた。

「皆も知っているが今まさに巨大隕石が尸魂界が迫っている。もしこれが尸魂界に落ちれば尸魂界は生きる者のいない死の荒野となるだろう」

「う……」

 深刻な表情でマユリの説明に十二番隊第二十席兼技術開発局雑用総責任者兼眠八號護衛役総責任者の葛原(くずはら)粕人(かすと)を始めとする局員たちはゴクリと喉を鳴らす。

「そしてこんなことがあるかもしれないと思い、私はあるものを開発していた。それがこれだ」

 マユリがパチンと指を鳴らすとモニターの右端に巨大な大砲の写真が表示される。

「これは私が開発した魂弾砲(こんだんほう)。文字通り魂を砲弾にして打ち出す大砲だ。一度使用すれば二度と使うことはできないのが難点だがその威力は絶大。人間換算して50年ほどの寿命分の魂で今まさに尸魂界に迫りつつある巨大隕石を粉砕する威力を持つ。……誰か一人を犠牲にすれば、の話だが」

 

 !!!!

 

 誰か一人を犠牲にする。その言葉にその場にいた全員が息を呑む。

「このような危険なことにお前たちを巻き込むわけにはいかない。よって私が魂弾砲に――」

「待ってください!」

 マユリの言葉を止めたのはマユリの懐刀にして技術開発局№2の阿近(あこん)だった。

「局長は技術開発局だけではなくこれからの尸魂界に必要な人物。そんな人をこんなことで失うわけにはいかない!俺が魂弾砲の弾になります!!」

「おっと、待てよ。阿近」

 ギョロッとした目をしたフグのような男、鵯州(ひよす)が待ったをかける。

「局長ほどではないがお前も技術開発局(うち)にとって必要な男なんだぜ。ここは俺が行かせてもらう」

「あらあら。いい格好しようなんてそうわさせないわよ。魂弾砲の弾は私がなるわ」

 と研究素材捕獲科科長の采絵(とるえ)が微笑を浮かべながらつぶやく。そんな彼らに続くように他の局員たちも「自分が!」、「いや俺が!」と続く。

「待ってください!」

 それらの声を止めるように、粕人が声を上げる。

「皆さん技術開発局に必要な人材。失うわけにはいきません。よって僕がなります、魂弾砲の弾に!!」

 

 

 どうぞどうぞ(×全員-粕人)

 

 

「え?ちょ、ちょっと!?」

 粕人が魂弾砲の弾になると宣言した瞬間、マユリを始めとする面々は魂弾砲の発射準備を始める。

「ちょ、ちょっと!!皆さん僕が死んでも生き返る斬魄刀・幽世(かくりよ)閉門(へいもん)を持っているから『葛原ならどうせ生き返るから弾にしてもいいか』って考えてませんか!?……確かに僕の幽世閉門はそういう能力ですけど僕は一度も死んでないんですよ!!生き返るかどうかの保障なんてないんですよ!!……って僕を無視しないでテキパキと準備しないでください!!ああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!ーーー」

 粕人の叫びを無視し、局員たちは問答無用で魂弾砲の砲筒に押し込めた。

「それでは、発射!!」

 

 ポチッ

 

 マユリが発射スイッチを押すと文字通り砲弾化した粕人の魂は巨大隕石を粉々に粉砕。

 その日、尸魂界に大量の流れ星が観測された。

 

 

 ちなみに一週間後。一度も死んでないから生き返るかどうかわからないといっていた男は何事もなかったかのように技術開発局に復帰した。




今回はダチョウ倶楽部さんがよくやられる鉄板ネタが元になっています。
楽しんでいただけたなら幸いです。

人間換算して50年ほどの寿命分の魂=巨大隕石を粉砕する威力
と魂弾砲の説明がわかりづらかったので加筆しました。
申し訳ございません。


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