本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。
夜。マユリの部屋。
「マユリ様! 私、弟が欲しいです!」
「……」
愛娘の
「バカなこと言っていないでさっさと寝ろ!」
と無理やり寝かしつけた。
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技術開発局休憩室前。
……んで、どうよ?
俺はコイツだと思う……
……いや、違うだろ
「ん?」
休憩室の前を通りかかったマユリは中から聞こえる声が気になり中を覗く。
そこには
「……確かあの漫画は怪しい組織によって怪しい薬を飲まされた主人公が数々の事件を解決していくという漫画だったな」
見た目だけでなく裏でも色々怪しいことをしているマユリが顎に手をあてつぶやく。
「……ッ!!」
その時、マユリの脳内に閃きが走る。
その閃きを実現させようとマユリは研究室へ走り出した。
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数時間後。マユリの自室。
「ハァハァ……く、涅隊長。遅れて申し訳ありません!!」
マユリが開発した身体能力を高める秘密道具を駆使して42.195㎞という距離を数分で走り切った十二番隊二十席、
「あ、あれ……涅隊長?」
電気がつけられていない真っ暗な部屋に疑問を覚えた粕人は部屋の電気をつけようとスイッチへと手を伸ばす。
パッ!
明るくなる部屋。そして
「え? ……ッ!?」
背後で何か棒状の物を振り上げる人影。頭部を襲う硬く重い衝撃。
「…………」
ドサッ!
何が何なのか分からずその場に崩れ落ちる粕人。
「ククク」
謎の影は頭から血を流し意識が朦朧となっている粕人の口にカプセルと忘却ドリンクを流し込む。
「じゃあな……クズ!!」
影はそう言い残し部屋から立ち去った。
「う、うぅ……ああぁ……」
(か、体が……熱い!!! 骨が……溶けてるみたいだ……ダメだ……どうなるんだ、僕…………あれ、僕って……誰だ…………)
シュウウウゥゥゥ、と身体から白い煙が漂う中、粕人の意識は黒い闇へと飲み込まれていった。
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「あれ?」
うっすらと開いた扉に違和感を覚えつつ、眠八號はマユリの部屋に入る。
「ッ!?」
眠八號は目を見開く。そこにはブカブカの死覇装に身を包んだ、頭から血を流す子どもが倒れていたからだ。腰には粕人の斬魄刀、
「ひっくひっく……うぇぇぇんっ!! いたいよ!! あたま、いたいよぉぉぉ!!」
目を覚ますや否や子どもはその場で泣き出す。
「大丈夫だから泣かないで!」
眠八號は子どもをなだめながら傷口を見て消毒、包帯を手早く巻いていく。
「君は誰?」
子どもが落ち着くのを待ってから眠八號は優しく尋ねる。
「……わからない。ボク、なにも……おもいだせない」
子どもは困った顔で視線を下におろす。
「何も思い出せないのか……困りましたね……あ!」
悩むこと数秒。何かを思いついた眠八號は子どもの肩を優しく掴む。
「そうだ! 君が何者かわかるまで眠が面倒みてあげます!! その間、眠をお姉ちゃんだと思っていいです!!」
「お、おねえちゃん?」
どきーん!!
その言葉に眠八號の心が射抜かれる。
「も、もう一度言って!」
「おねえちゃん」
どきーん!!
再び心を射抜かれる眠八號。
その後、眠八號は何度も子どもに「お姉ちゃん」と呼ばせた。
(お、『おねえちゃん』と言われるのがこんなに気持ちいいなんて!!)
子どもに気づかれないように喜ぶ眠八號があることに気づく。
「そういえば名前がないと色々と困りますね……う~ん……そうだ!」
ポンッと眠八號は手を叩く。
「『眠』という名前の由来が『起きたまま見る夢など馬鹿げている』です! だから眠の弟とわかるように『夢』! 今日から君は
「くろつち……ゆめ……」
確かめるように呟く子どもは明るい表情で眠八號の顔を見る。
「ボク、くろつちユメ! ネムリおねえちゃん、だいすき!!」
「眠も好きです! ユメ!!」
眠八號はギュッ! と自分より小さな弟を抱きしめた。
涅夢(くろつち ゆめ)
マユリの部屋で倒れていた謎の少年。記憶喪失。腰には粕人の斬魄刀、幽世閉門を身に着けていた。
名前の由来は『起きたまま見る夢など馬鹿げている』というマユリのセリフから。
この日を境に粕人が行方不明になる。