天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。


第十話 旋風陣

「失礼します、(くろつち)隊長。申し訳ないのですがこちらの書類にサインを――」

「おお。クズ、良いタイミングで来るじゃないか」

(やばい、この流れは……)

まずいタイミングで来てしまったと、マユリにクズと呼ばれている男は自分の不幸を呪った。

「クズ。これを見てどう思う?」

マユリは懐から何の変哲もない教鞭のような棒を取り出す。どう答えるべきか返答に困った男はマユリが気に入る言葉を選びながら答えた。

「も、申し訳ございません。僕のような凡人の中の凡人には理解できません。涅隊長の世紀の大発明だということは分かるのですが……」

「ほぉ、流石に絵に描いたような凡人のお前でもこの発明品の素晴らしさは感覚では理解できるか」

満足そうな笑みを浮かべたマユリは「そうか、そうか」と嬉しそうに続ける。

「感覚でしか分からないお前にこの私が説明してやろう。一見ただの棒に見えるだろうがこれは旋風陣(せんぷうじん)というれっきとした武器だ。こいつを持って霊力を持つ者が振れば風を起こせる。お前みたいなクズみたいな霊力しか持っていない奴でも少し力を使えば(かま)(いたち)くらいは起こせる」

「あぁ。形といい性能といい藤○竜版の『封神○義』に登場する打○鞭に似てますね――」

男は慌てて口を押さえるが、遅かった。何故ならば目が笑っていない笑みを浮かべながらマユリが刀を抜こうとしていたからだ。

()(むし)れ『疋殺(あしそぎ)――」

「い、いいい、いいえ!何でもありません涅隊長!!僕みたいなカスでも風を起こせるというそれ系の斬魄刀(ざんぱくとう)を持っていなければできないと諦めてしまう凡人には到底出来ないことをしてしまう実現能力!!流石は涅隊長です。諸葛孔明(しょかつこうめい)司馬仲達(しばちゅうたつ)など多くの智将をかき集めても烏合の衆となってしまう頭脳の持ち主、涅マユリ!!!」

必死の思いで賞賛の言葉を贈る男に、マユリは「言いたいことは分かるが、もう少し勉強するんだな」とまんざらでもない笑みを浮かべて刀を元に戻す。

「計算上だと私のような隊長格が旋風陣を使うと研究所は跡形もなくなるほどの破壊力だからな。その点お前のようなクズ程度ならば全力でやっても服が細切れになるくらいだろう。というわけでやってみろ」

「わ、わかりました……」

男はマユリから旋風陣を受け取る。

男は考える。

(もしこれで研究資料とかやってしまったら、地獄のような実験の被験体にされるからな。場所を考えてこの旋風陣を振らないと)

男は何もない場所。扉方向に狙いを定める。

(扉ならすぐに直せるし一番被害が少ないだろう)

「はぁっ!」

男は旋風陣に霊力を送り、全力で振った。その時、扉が開いた。

「マユリ様。お呼びとのことで――」

扉を開けた人物。十二番隊副隊長・涅ネムだった。男が生み出した風は鎌鼬となり、ネムの服をズタズタに引き裂いていく。

「あ、ああ、あああ……」

男は固まるしかなかった。目の前にいる副隊長の服装が、胸元と腰回りを服だった布がある程度隠す状態になっていたのだから。

娘とも言える副隊長の姿を見て、マユリは命令する。

「ネム。この間の実験の続きをしようと思っていたが、気が変わった。この男を解剖するから手伝ってくれ」

「分かりました。マユリ様」

「うっ!うわあああぁぁぁっっ!!」

(解剖されてたまるかぁっ!!)

脱兎(だっと)のごとく逃げようとした男だったが二人に(かな)うはずもなく、あっさり捕獲された。

 

 

 

その日。マユリの部屋に入っていく姿を最後に、男の姿を見た者はいなかった。

 

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