天才・涅マユリの秘密道具   作:筆先文十郎

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この小説はBLEACHの二次創作です。
本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。

見えざる帝国との戦いが終わった10年後のif要素のある物語です。
+切り替え式時間望遠鏡というドラ○もんの切り替え式タイ○スコープとよく似た秘密道具で見たifです。楽しんでいただければ幸いです。


新章第三十三話十番隊編 葛原粕人対アクタ・デブリアス

葛原(くずはら)三席、こちらが(ホロウ)遠征の報告書です」

「わかりました。この仕事が終わったら確認します」

「葛原三席、頼まれた物資はどこに置いておきましょうか?」

「あぁ、あれは僕の部屋にお願いします」

「葛原三席、実は……」

「なるほど。では僕が代わりに……」

 

松本(まつもと)乱菊(らんぎく)から一方的に仕事を押し付けられなくなったとはいえ十番隊三席、葛原(くずはら)粕人(かすと)は多忙を極めていた。

次から次へとやって来る部下からの報告に受けて適宜指示を出しながら業務を行っていく。

(仕事だけ見れば葛原の方が副隊長だよな)

粕人の仕事を遠くから眺めていた十番隊隊長、()(つが)()(とう)()(ろう)がそう思わずにはいられないほどに。

 

後日。

休日にもかかわらず出勤してきた粕人に「今日は休みだろ、何で来た?」と冬獅郎は尋ねた。

「え?十二番隊では休日出勤は当たり前でしたが……」

「……今すぐ家に帰れ」

粕人を帰らせると冬獅郎は大きなため息をついて額を押さえた。

(くろつち)……あいつは部下を何だと思っているんだ?」

 

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「う~む……」

数時間後。粕人は円谷(つぶらや)(さん)と呼ばれる山を探索していた。

粕人がこの場所を訪れたのには理由があった。

それは以前からこの付近にいる植物や動物が異様に大きくなっているという現象が報告されていたからだ。

と言っても数倍、数十倍と大きくなっている訳ではなく「あれ?」と思う程度。元技術開発局である粕人も一度訪れたが危険性などは確認されていなかった。

しかし気になった粕人は再びこの地を訪れ調査を開始した。

そしたらあることに気づく。とある石の近くに近づけば近づくほど周りの植物が大きくなっていたことに。

 

その内の一つを拾う。見た目は拳ほどの石にしか見えない。しかし粕人が持ってきた携帯測定器を近づけると測定器の針が大きく揺れた。これはこの石に何かしらのエネルギーが秘められているということを意味していた。

「とりあえずもしもの時に、と思って作った物質安定装置に入れてみよう」

そうして粕人がドラ○もんのス○ールライトに似た物質縮小装置で石を小さくしてから、小振りなペンライト状の機械にはめ込んだ。その時だった。

「!?」

気配を感じて空を見る。そこには破面が現世や尸魂界(ソウルソサエティ)などを行き交う時に空間を割いたように現れる霊的通路、黒腔(ガルガンタ)

「ん?何だお前は」

奥から現れたのは工事用のヘルメットによく似た仮面をかぶった小柄な男だった。

「何者だ!名を名乗れ!!」

自分に似た破面に、粕人は斬魄刀に手をかけながら尋ねる。その問いを謎の破面は鼻で笑う。

「馬鹿じゃねーの?どう見たって俺は敵だろ?その敵が何か言われて「はいそうですか」って素直に答えると思ったのか!ザエルアポロの元従属官(フラシオン)のNo.53。アクタ・デブリアス。虚園のみならず現世も尸魂界も支配する男だ。今回ここに来たのはその下調べだ!!」

「……名乗ってますよ。あと目的も」

その指摘に、アクタ・デブリアスと名乗る破面は顔を真っ赤にさせながら刀を抜いた。

「身を変えろ!起動戦士(ムガンダ)!!」

その瞬間、破面の持つ斬魄刀の刀身が輝きだす。その光に粕人は思わず目を閉じる。時間にして二、三秒。粕人が目を開けるとそこには頭にVの形をしたアンテナをつけた二足歩行の巨大なロボットが立っていた。

『驚いたか、死神?』

破面はライフルのようなものを粕人に向ける。嫌な予感がした粕人は敵に背を向けないようにしながら後ろに跳んだ。

 

バキューンッ!!

 

銃口から霊圧の集中された破壊の閃光、虚閃が放たれる。

「うわあああぁぁぁっ!!」

その凄まじい威力に大地は(えぐ)り取られ、衝撃で粕人の身体は吹き飛ばされ、幽世(かくりよ)閉門(へいもん)もどこかに行くほどに。

『おいおい。この程度で終わりかよ?』

破面が地面に伏せる粕人に銃口を向ける。

(ま、負けてなるものか!)

この時、自身の斬魄刀である幽世閉門がどこかへ行ったこと気づいていない粕人は、ゆっくりと立ち上がりながら刀を抜く要領で偶然腰に帯びる形で下げられた物質安定装置を取りだした。そして偶然にも安定装置のスイッチを押した。その時だった。

安定装置から閃光が発生し、粕人の周りを渦巻き状に包み込む。その後みるみる内に粕人の身体は赤と銀色に変わり巨大化する。その時粕人は無意識の内に右手を宙空に突き上げ、左手は顔の隣に置くという独特のポーズ取っていた。

約18mほどに巨大化した破面が逆に見上げるほどの巨人がそこにいた。

『な、何なんだよ!お前は!!』

 

シュワッ

 

巨大化した粕人はそれだけ言うと左右の手刀を十字型に交差させると右手から光線を発射した。放たれた白い光線は固まる破面に直撃。破面は四散した。

ピコン、ピコン、ピコンと胸の中央で点滅するタイマーを一瞥すると、粕人は「シュワッチ」と言うと両手を挙げて空へと旅立った。

 

 

 

なお「なぜ自分が巨大化したのか」を調べようと考えたが、大人の事情から粕人は考えるのをやめた。

 




おそらく久保帯人先生、藤子 F 不二雄先生、サンライズ、円谷プロを同時に敵に回す人間は私以外いないだろうな……と思う今日この頃。

アクタ・デブリアス
粕人に工事用ヘルメットを被せたような破面。ザエルアポロの元従属官(フラシオン)でNoは53(「ゴミ」ではない)。帰刃をすることで某国民ロボットアニメに酷似した姿に変身することができる。
名前の由来は芥(あくた)とデブリ。
ムガンダを並べかえると……。

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