本編とは違うところが多々あります。
本編と矛盾するところがあるかと思います。
他にもおかしいところはあると思います。
以上のことを了解した上で読んで下さると助かります。
技術開発局で一人の男が十二番隊隊長・
「涅隊長。お呼びとのことで参りました」
「おお。クズ、良いタイミングで来るじゃないか」
「あ、いや。俺はクズじゃ……いえ、何もありません」
男は言いかけた言葉を飲み込む。ここで「クズじゃない」と言えば怒りを買うと思ったからだ。そしてまずいタイミングで来てしまった自分の不幸を男は呪った。
「ところでクズ。お前、忘れたい記憶というものはあるか?」
「忘れたい記憶、ですか?……ッ!」
男は思わずその場にうずくまる。目の前の上司に
「例えばどんな記憶だ?」
尋ねる上司に思わず、「涅隊長にされたことです」と言おうとする言葉を飲み込んで、立ち上がった男は「す、好きだった女性に振られたことですかね」と嘘をつく。
「なるほど。それは忘れたい記憶だね」
といいながら男に同情する様子もないマユリは、わざとらしく「そんなクズのために私はこのような物を開発した」と懐から何かを取り出す。
「これは忘却ドリンク。これを服用すれば嫌な記憶なんて最初からなかったことに出来るほど記憶がなくなる薬だ」
「はあ・・・・・・」
忘却ドリンクを受け取った男は怪しく光る紫の液体を見る。
(これ飲んだ瞬間、血を吐いて死ぬとか溶けて無くなるとか……ないよね)
「下らんことを考えなくていいからさっさと飲め、このクズがァ!!」
「は、はい!」
上司に怒鳴られ男は忘却ドリンクを一気に飲み干す。
「ゴクゴクゴクッ。あ、意外と美味しいですね。……あれ?」
男は頭を傾げる。
「あれ、涅隊長。僕……なんで隊長の部屋に来ていたんでしたっけ?」
忘却ドリンクによってマユリに呼び出されたことを忘れた男は、目の前の上司に尋ねる。
「おおぉ、早速効いたか」
「効いた?何がです?」
忘却ドリンクを飲んだことすら覚えていない男はさらに頭を傾げる。
「いや、なんでもない。それよりクズ、そのビンは私が捨てておいてやろう」
「あ、ありがとうございます!」
男は空になった忘却ドリンクのビンをマユリに渡し、「失礼します」とマユリの部屋を後にした。
翌日。
「あ~、あぁ~、あはははははっ~」
条件反射で研究所に足を運んだ男は、よだれを垂らしこれ以上ないアホ面をさらしていた。
「う~む」
マユリはアホ面をさらす男を遠くからジッと見る。
「うむ。どうやらあの忘却ドリンク。直後の記憶だけではなく、自分の名前も思い出せず、言葉を話せなくなるほど記憶障害に陥ってしまうみたいだな。改良せねば」